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all words by Dr.NORIHIRO KOMIYAMA

猫の大動脈血栓栓塞症

その症状とは?
その診断は?
血栓栓塞症とは何ですか?
その予後は?
その治療法は?

■その症状とは?
1) ある日突然に強い痛みが特徴!発症します
2) 急に呼吸困難となります
3) 口を開け苦しがります
4) 腰が抜けたようになります
5) 前足を突っ張ってもがいたりする


この病気はまことに不幸な病気で、ほとんどが、ある日突然に強い痛みとして発症します。急に呼吸困難となり、口を開け苦しがります、そして腰が抜けたようになります。猫が急に呼吸困難となり、立てなくなったらこの病気を疑います。前足を突っ張って、もがいたりすることもあります。とにかく、別に原因に思い当たることなく、何が起ったのかまったくわからずに、急に苦しがることでわかるのです。

原因は大動脈血栓栓塞症という状態が起こり、大動脈という血管に血栓が詰まるために起こります。前触れと言えば、休んでいるのに、急にハアハアしたり、なにか腰がふらふらする事があるぐらいです。まれに高い所から落ちて、外傷にしては、症状が重度すぎるので、おかしいとこの病気が判ることがあります。まれに腫瘍や感染でも起こります。
■その診断は?
診断は比較的、容易です。体のまん中にある血管の大動脈が腰のあたりで詰まるので、その後のところに血管が通過しなくなるので、麻痺してしまうのです。

1) 後肢の爪を切っても出血しない
2) 後肢が冷たくなる
3) 後肢の股動脈の脈が感じない
4) 心臓の音が乱れる
5) 後肢の筋肉が硬くなる

後肢の爪を切っても出血しないのは、血が通わないものですからほとんど出ません。また肉球部(パッド)の色が白くなります(黒色の猫はわからない)。後肢が冷たくなるのも血が通わなくなるからです。後肢の股動脈の脈が感じないのも同じ理由です。心臓の音が乱れるのは、この大動脈血栓栓塞症の元の病気は心筋症といって、心臓の筋肉の病気なのです。人間では難病に指定されています。ですから心臓の筋肉があまりうまく動かなくなり、雑音が出たり、血液の動きが悪くなって、血が固まって血栓となったり、そして大動脈にいって詰まったりします。後肢の筋肉が硬くなるなるのは、動かなくなるから、筋肉が萎縮するためです。
■血栓栓塞症とは何ですか?
血栓とは、心臓内や血管内で形成された凝血塊でこれや他の異物が血管内に詰まった場合に栓塞症が起こります。ゆえに強い痛みが生じます。
■その予後は?
症状によって、かなり違いますが、予後はかなり悪いものです。その程度によって違いはありますが、70%以上死亡します。急性の重度な症例では、きわめて難しいものです。軽い症状のものでは、治療すれば、かなり生きることが望めます。生き延びた30%のうち50%は再発します。
■その治療法は?
1) ヘパリン療法
2) ドロペリドール療法
3) ヒドララジン療法
4) ウロキナーゼ療法


その他、βブロッカーとCaチャンネルブロッカー等いろいろありますが、どれも決定的なものではなく、特にヘパリン療法では、6〜8時間ごとに3〜4日間、脈がでるまでくり返すが、血液凝固能力検査が必要となります。急性の例では、いかに疼痛を防ぐかによります。