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all words by Dr.NORIHIRO KOMIYAMA

Dr. 小宮山の伴侶動物へのやさしい(優しい)獣医学
最も実践的な獣医療のために

犬の門脈大静脈短絡
-Portosystemic shunts(PSS) in dogs-
飼い主のための情報
(3/23/05作成)


犬の先天的門脈大静脈短絡
この病気は知っている獣医師しか診断できません。
犬の先天的な肝臓の奇形の最も代表的な病気
この病気を探すとかなりの頻度で診断されるようなる病気である。
門脈大静脈短絡とは何か?
門脈血と全身の静脈(最も多いのが後大静脈)の間を
交通する異常な血管、これにより毒素が循環中に留まる。

本来肝臓を通過するはずの門脈血が肝臓を通過しないで体循環にながれる、故に肝臓のフィルター機能が働かない、故に肝臓が縮小する、代わりに腎がフィルター機能するので、腎臓が大きくなることあり。



門脈大静脈短絡

以下のようにいろいろな名称で呼ばれています。
犬の門脈大静脈短絡
犬の門脈シャント
犬の肝性脳症
犬の門脈血管奇形・異常
犬の門脈体循環シャント
犬の門脈体循環血管吻合
先天的門脈大静脈短絡
VS
後天的門脈大静脈短絡
犬の後天的門脈大静脈短絡
慢性の門脈高血圧症に続発。門脈圧の上昇によって、
正常では出産時に閉じる胎仔性の血管が開き、門脈内の血流が肝臓ではなく
全身循環に短絡して流れ込む。
犬の後天的門脈大静脈短絡
最も主な原因は肝硬変。
これらの短絡は通常多発性で、著しく蛇行していて肝外の位置もさまざまである。
先天的肝外性門脈大静脈短絡
殆どが小型犬(シェトランド・シープドッグは肝内性が多い)

シーズー
ヨークシャテリア
ダックスフンド
ミニチュア・シュナウツァー
トイ・プードル
先天的肝内性門脈大静脈短絡
殆どが大型犬
ゴールデンレトリバー
ラブラドールレトリバー
アイリッシュセッター
ドーベルマン
後天的肝内性門脈大静脈短絡
殆どが大型犬
複数の肝外シャントは末期の肝臓における門脈圧高血圧によると考える。
ジャーマン・シェパード
ドーベルマン・ピンシェル
コッカースパニエル


先天的門脈大静脈短絡

約25%は肝内性で、ほとんどは静脈管開存によるものである。
しばしば慢性的な下痢を認める。
先天的門脈大静脈短絡
32例の発症年齢

<6ヶ月=12例
6〜12ヶ月=9例
>1年=13例
門脈大静脈短絡
・通常は1歳以下で診断される。
・外科手術は早い程結果が良い。
・性差は認めない。
・若い犬に尿酸結石を認めたら、疑うことができる。
門脈大静脈短絡
臨床症状
・不定期に発症する傾向あり
・食後に悪化することもあり
・若い犬に原因不明の病気で臨床症状が適応すれば疑うこと
門脈大静脈短絡
臨床症状
75〜90%の犬は神経症状を示す
沈鬱
流延
行動の変化
痙攣発作
盲目
協調運動不能
頭を壁に押し付ける

門脈大静脈短絡
臨床症状
・薬剤を代謝できない。
・薬剤の投与が長く作用する。そんな場合は疑うことができる。
・特に健康と思われる犬で麻酔をして覚醒が遅かった場合。
・中枢神経系の症状は利尿剤や抗痙攣薬等の使用で急に進む。
門脈大静脈短絡
臨床症状
10〜25%は他の症状を示す

発育停止
体重減少
 もし異嗜(異食症)があれば胃内の異物で来院することがあるので注意 特に若い犬

 こんな場合は肝臓のA−V瘻を疑う必要がある
突然起こる(急性の症状)
抑うつ、腹水、嘔吐
腹水は滲出液?
Albは1.8g/dl以上

後天的門脈大静脈短絡
・あらゆる年齢で起こる。
・高齢犬で肝硬変に続発。
・肝生検が必要となる。
門脈大静脈短絡
胆汁酸は肝臓で合成され、腸肝循環にて門脈循環から90〜95%胆汁酸を
取り除かれる。そのため、末梢血には胆汁酸が少量(0〜5μmol/l)含まれ、
門脈血には大量(42〜60μmol/l)含まれる。

食前
正常値10μmol/l以下
異常値30μmol/l以上
食後 正常値25μmol/l以下
異常値30μmol/l以上
門脈大静脈短絡
血清胆汁酸(SBA)の濃度
胆汁酸は肝臓で合成され、
腸肝循環にて門脈循環から90〜95%胆汁酸を取り除かれる。
門脈大静脈短絡
尿分析
30〜50%に尿中に尿酸アンモニウムの結晶が認められる。
尿比重も低下傾向
門脈大静脈短絡
結石
若い犬で腎・膀胱結石があれば疑う
腎結石
膀胱結石
成分は尿酸結石
門脈大静脈短絡の診断
腹部の超音波検査
肝内性は横隔膜の近くの肝内にある
肝外性は横断面で門脈と後大静脈を
見つけ、それらを繋ぐ太い血管を捜し出す、
1本だと左の腎臓の前面部分的が多い、
カラー・ドプラーが有効となる。
検査時は絶食が必要である

門脈大静脈短絡
血液・血清生化学検査検査
尿素窒素濃度<70(70%)
低アルブミン<2.6(60%)
門脈大静脈短絡
X線検査にて疑うことができる
肝臓が小さければこの病気を疑う、
時に腎臓が大きいこともあり
門脈大静脈短絡
血液アンモニア(BA)濃度(病気の発見には参考程度で、あまりあてにならないが、
予後に判定には重要となる)

アンモニアは肝臓で代謝され、正常な濃度は低い。
空腹安静時は60〜120μg/dl
門脈大静脈短絡
内科療法
低蛋白食(k/d)の投与
ラクチュロース
ネオマイシン
浣腸
門脈大静脈短絡
食事療法
・低蛋白食(k/d)の投与
・高炭水化物の投与
・食事は数回に分けて与える
・赤身の肉は決して与えないこと
門脈大静脈短絡
緩下剤の投与
ラクツロース
1ml/kg 浣腸も可 1日3回
15〜30ml/kg
抗生物質療法
結腸の細菌数を減らすことによって、アンモニアの吸収を減らす。
・ネオマイシン 20mg/kg
・カナマイシン 10mg/kg
・アモキシリン 20mg/kg
メトロニダゾール
10〜15mg/kg 1日2回
内科療法のみではあまり症状を
コントロールすることができないことが多い


痙攣発作の治療法
ジアセパムの投与
低血糖を調べた後
犬の先天的門脈大静脈短絡
最も多い短絡は左胃静脈と後大静脈の間に連絡している。
小型犬の単一の肝外シャントのほとんどの位置(70〜80%)は?
左の腎臓のすぐ前(頭側の位置)でこの位置にある
シャントで早い時期に手術下例は比較的予後が良い。


犬の先天的門脈大静脈短絡
手術例複数のシャント


Most congenital shunts are extrahepatic (mostly single shunt, this mean surgically correctable) type mostly small breeds dogs. Acquired shunts type are generally advancing liver disease in older dogs. Clinical signs are may be thin and lethargic, Neurological disorders are involve seizures, head pressing, disorientation, personality changes, staggering, wandering, blindness, circling, head pressing, disorientation, finally stupor, and coma. The liver is often small. In some cases, the shunt may be seen on ultrasound examination of the liver.


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