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all words by Dr.NORIHIRO KOMIYAMA



飼鳥の病気

■飼鳥の病気
 動物の中でも特に鳥類は、水や飼料の短時間の欠乏によって簡単に落鳥(死亡)してしまうほど、活発な代謝機能と繊細な生命力の持ち主です。それが病気になり、様子のおかしいことが外観上から飼い主の目にもはっきりとわかる状態になったときは、すでに危険状態に陥っています。具合の悪い状態を早く見つけて、病気を早くつきとめ、軽いうちに治療を加えることが必要です。それにはまず毎日の神経の行き届いた世話と十分な観察が絶対に必要です。動物の場合は自分の病気を飼い主に知らせる方法がありません。したがって、飼い主の行き届いた注意がないと病気の発見はできません。そこで次のような徴候が現われたら、必ずどこかが悪いのだと考えてください。

 ●あまり鳴かない
 ●食欲がなくなる
 ●羽をふくらませている
 ●落ち着きがない
 ●いつもと違う場所にいる
 ●姿勢がおかしい
 ●短期間に太ってきた

 普通、鳥の場合、体に異常な変化、すなわち病気らしい徴候が認められても飼い主はそこですぐ腰を上げようとはしません。どうしても2〜3日様子を見ようということになりがちです。ところが鳥類にとってこの2〜3日は、人の2〜3週間にも、場合によってはもっと長い期間にも相当する時間です。ですから何か異常を見つけたときは獣医師に御相談ください。もし治療が必要なら病院にて身体検査、臨床検査、X線検査にて診断し、治療や手術が行なわれます。 私たち獣医師の目的は、例えばセキセイならその鳥が持っている寿命(10年)まで生きながらえるようにすることです。しかしそれはたいへんむずかしいことです。それゆえに病気は早期に発見することが大切です。
■飼鳥の正しい餌の与え方
 鳥は、自然の状態では決して栄養素、ビタミン及びミネラルの欠乏症になることはないと言われています。飼鳥になるとこれらの病気が出現してくるのは、カゴの中で少数の限られた餌によって飼われるためだと思われます。これらの欠乏症および付随する病気を防ぐためには、自然に近いバランスのとれた餌を与えることです。これは人間の責任です。特に手乗りの鳥を飼っている方は、かわいがるあまり、人間と同じものを食べさす傾向があります。これは鳥たちの寿命をちぢめているようなものです。味の濃い食品は絶対にあげないようにして下さい。

セキセイインコ・
ブンチョウ・カナリア・
その他フィンチ類
中型・大型インコ類
主食 アワ・ヒエ・キビ(殻付き)
カナリアシード(10〜30%)
アワ・ヒエ・カナリアシード・ヒマワリの種・アサの実(週1〜2度)
ビタミン類
(V-A.D.E.K.
BB12.C.等)
野菜(ホウレンソウ・レタス・キャベツ・コマツナ等)、果実、市販の水溶性ビタミン剤 野菜・果実(レタス・セロリ・キャベツ・オレンジ・バナナ等)、市販の水溶性ビタミン剤
ミネラル類
(カルシウム・リン・
ナトリウム・ヨード等)
ボレー粉・イカの甲・塩土・
木枝・卵黄・
魚肉(ヨード)ルゴール
同様
常に新鮮なもの 同様

■セキセイインコ・ブンチョウのヒナヘの正しい餌の与え方
 セキセイインコ・ブンチョウは,生後15〜20日目頃、親鳥から離して差し餌をはじめ ます。遅すぎますと手乗りにならない場合がありますので、充分注意して下さい。

□差し餌(生後15〜20日目頃)
・アワ玉をふやかし、少し熱いうちにセキセイインコはスプーンその他で、文鳥は竹ベラまたは育ての親などで与える。回数は1日4〜5回(1週目)、1日2〜3回(2週目)
・3週目は、差し餌と乾いたアワ玉を与える。
・それ以降は、乾いたアワ玉と皮つきのアワ・ヒエ・カナリアシードを併用して、最終的には皮つきのアワ・ヒエ・カナリアシードにする。

※注意
1. ヒナは、エサを満腹になるまで食べてしまうので、腹3〜5分程度にすること。満腹にすると、そ嚢炎・消化不良を起こします。
2. アワ玉をふやかすといっても、熱すぎないよう、充分注意して下さい。熱すぎますと口内炎などを起こし、食欲がなくなり、死ぬことがあります。
3. 羽毛の発育がまだ不充分のうえ、抵抗力が弱いので、保温は25℃前後が理想です。寒冷によって消化機能減退をきたします。
4. アワ玉を濡らしているときは餌の中へ、乾いたアワ玉を食べるときは水の中へ、ビタミン剤を入れて栄養性の脚弱症を防ぎます。
5. 生後40日頃までには成鳥のエサになるようにしましょう。長い間ヒナのエサを与えていると、消化不良・栄養失調・ビタミン欠乏症等の原因になります。
■病気の鳥の早期発見法
1. 元気:健康な鳥は昼間は一日中活動しているのが普通です。時折仮眠することはありますが、目を閉じていることはほとんどありません。
2. 食欲:一日中鳥が餌を食べる状態を見ていることは不可能です。また、餌をこぼして食べる鳥もいるので、餌の減り方から察するのも不確かです。最良の方法は、便の量を見ることです。鳥は消化・吸収・排泄の作用が早いので、その日食べたものは、その日のうちに排泄されます。ですから、毎日掃除をするとき、便の量を見て食欲を察するわけです。
3. 水分:水分摂取量の低下は食欲不振または衰弱の場合、増加は下痢、腎疾患、糖尿病のときなどに見られます。
4. 便の状態:普段と異なった便をするときは注意を払う。鳥は何か体に異常があるときは必ず便に変化をきたします。
   @白色部分のない便…糖尿病・壊死性の病原の場合
   A緑便…小腸異常
   B小さな濃い便…腎疾患・食欲不振による飢餓の場合
5. 鳴き声:今まで鳴いていたものが全く鳴かなくなるか、声の調子に変化が表われてくる。おしゃべりの鳥がおしゃべりでなくなる場合もあります。
6. 羽毛および鳥の姿勢:病気の鳥は羽毛をふくらませ、体温の保持に努めます。また、羽毛の光沢がない。健康な鳥は体の軸と尾が一直線である。
7. 鳥の体重:大部分の病鳥は下痢を伴うので、体重の著しい減少をきたします。体重の増加は、腹部膨大や脂肪腫のときにみられます。
■早見表

鳥名 産卵
期間
産卵数 抱卵
日数
自育の
可否
年間
巣引き数
寿命
カナリア 3〜10月 4〜6 13〜16 自育 3〜4 10年
ブンチョウ 9〜翌4月 5〜6 17〜19 自育と仮母 2〜3 7〜10年
ジュウシマツ 一年じゅう 4〜8 14 自育 4〜5 6年
キンカチョウ 一年じゅう 4〜6 14 仮母と自育 4〜5 6年
コキンチョウ 9〜翌5月 5〜6 14〜17 仮母と自育 3〜5 6年
セキセイインコ 一年じゅう 5〜6 18〜20 自育 5〜6 10年
ボタンインコ 一年じゅう 2〜4 21〜22 自育 3〜4 7〜8年
オカメインコ 春2回
秋1回
3〜4 21〜22 自育 2〜4 10年
ジュウシマツ
育雛の
高級フィンチ
9〜翌4月 3〜5 14〜16 仮母 3〜4 6年

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<獣医師の皆様へ>の項より
◇  飼鳥の検査と治療の考え方
◇ - 小鳥の外科学 -  麻酔について
◇ 飼鳥の臨床

<三鷹獣医科グループ専門医療詳細>の項より
◇ 飼鳥の専門医療とオウム科の鳥の飼い方と病気