アクセスカウンター アクセスカウンター アクセスカウンター From 2010.3.23
除菌・抗菌専門 ネックレスチェーン販売 ネックレス専門店 カイロ一覧 ペンダント 人気婚約指輪ランキング 健康サンダル専門 結婚ITEM 素敵なチョーカー


http://www.pet-hospital.org/

all words by Dr.NORIHIRO KOMIYAMA

病院案内


痛くない動物医療(ペインクリニック)

― 痛くない手術こんにちは、痛い手術はさようなら ―

動物の医療で、最初に行なう医療は、動物が感じている痛みを取り除くことです。
まずはこのことから始めます。すなわち痛み止めを行います。
もちろんすべての手術(例え避妊手術でも)その前後にはすべて痛み止めを行ないます。
痛みはすべての病気をより悪化させます。治療中の動物が、例え病気が治らなくても、痛くない医療を施すのは医師の義務と考えます。
痛くなかったと感じてもらうことが私達、獣医師の幸せ冥利です。


■はじめに

動物は痛くない?痛みを感じない?ってホント?

いえ、そんなことはありません。動物も痛みを感じます。一般的に人間より痛みを感じにくいことは事実です。しかし、例えば癌などに対してはかなり痛みを感じる時があります。それほど典型的ではないにしても、ある種の痛みを伴う手術に対しては、術後鎮静剤等を使用しないと合伴症の可能性が高くなったり、予後が悪くなったり、最悪の場合死亡したりする可能性もあります。

従来の獣医学ではあまり論じられることがなかったのですが、最近この問題がクローズアップされてきました。その理由の1つとして、副作用の少ない鎮静剤を使用できるようになったことが挙げられます。

当院でも、神経質で非常に怖がっている動物には一時的に精神安定剤を投与したり、苦痛を感じていると判断された動物に対しては積極的に鎮静剤の投与を行っています。なぜなら動物の苦痛を救うことが獣医師に課せられた重要な使命だからです。

近年、小動物臨床においては、疼痛の管理の重要性がより再確認されている。今回はそのむずかしそうな疼痛の管理を出来るだけ優しく(易しく)解りやすく解説を 試みました。小動物臨床においては、70年代は疼痛管理の記載は皆無で、80年代から少しずつ体系づけられ、90年代において応用されはじめ、2000年 代においては、疼痛管理はほぼ常識化されて来たようです。

それゆえに現在、動物病院にて診察をしている獣医師にとって、疼痛管理は避けられない事項である。今後は動物に少しでも苦痛を強いないようにすれば、動物 の遺伝子はそれを覚えていて、代々生まれ変わるごとに、より人間と共生できる動物になりうると私は信じています。

また動物病院のマネージメントの観点から言えば、今後は飼い主が鎮痛剤を使用しているのがわかるように、計算書の項目の、注射を一括にするのはなく、麻酔 薬のように、別に鎮痛剤・鎮静剤の項目をあらたに付け加えると良いであろう。

今回の解説は、論理や原理については、殆ど省いてありますので、いろいろな成書を参考にしてください。今回は小動物臨床を行う臨床家が忙しいなかで、一目 でわかる犬猫の疼痛管理のその易しい臨床応用をいかに行うかに重点を置いて解説しまいます。最近において塩酸ケタミンが麻薬指定となることが論議を呼んで いますが、論議はさておき今回はケタミンを含めた犬猫の疼痛管理について、勉強する良い機会として捉え自身の動物病院にての疼痛管理をより一歩進めて、よ り良い小動物臨床を提供できる環境を整えることが先決と思われる。

ある意味において、疼痛管理は麻薬の許可を得ていないと、できにくいものである。ケタミンを麻酔薬としてのみ使用するのではなく、塩酸モルヒネ等の使用の ために動物の疼痛管理には麻薬が必要となるので、許可は臨床獣医師にとってより良い診療のためには不可欠と考えて良いであろう。

私達の臨床獣医師は最終的な治療目的は、動物の痛みを取り除く事である。たとえその病気が治療できなくても、痛みだけは動物から除くことを心がける必要が あろう。多くの飼い主は自身の動物の痛みには敏感であり、最低限、痛みだけは取り除いて欲しいと望むものである。獣医師はそのために理論武装して、実際に 行う必要がある。

痛みは死そのものより恐ろしいと言われ、我々獣医師は動物の痛みを克服すべき使命を課されているものと考えるべきである。私達の動物病院では、待合室に 「疼痛拒否宣言」を提示しています。

 

犬猫の疼痛管理

術後の疼痛評価

 

■犬猫の疼痛管理の理論と実際

以前では、動物は人間より、痛みを感じない?とか手術後は多少痛みがあるほうが痛くて動かないので、休息と回復に役に立つとか、動物は人間と違って痛みに強い、耐えうるとか言われていた時代もありまししたが、現代ではこれらの考えは否定されています。また痛み止めを使用すれば、飼い主に は余計な出費になる、とか疼痛なしは動物に自己損傷の原因となる、使いすぎれば薬物の乱用となる等、とか言われあまり痛みに対して関心を払うことは少なかったのです。 しかし現在の獣医学において、それらは完全に否定されています。大脳皮質がある限り痛みは感じます。また例えば鎮静剤や鎮痛剤の使用説明の解説書でさえも、強い疼痛時の場合のみ使用とかの表現が使用されたこともありました。このことが鎮痛剤を使用することの制限となっている場合もあるようである。

 

鎮痛剤の効用

 

鎮痛剤の効用は

現在ではその鎮痛剤の使用は、心肺機能の抑制を抑え、治癒率、生存率の向上のために使用されている。最近では癌の転移を遅らせる働きがあることも判明し ている。このことは痛みがあると、治癒が遅い、合併症が起りやすい、免疫が低下する、転移が速まると言える。また例えば以前の癌の治療の獣医学書におい て、昔は疼痛管理のページはあまり記載がなかったが、明らかに記載が目に見えて増加していることが如実に示しています。また疼痛管理は動物と飼い主及び動物 病院で働く職員のストレスの軽減に大いに役に立っていることも忘れてはなららい点です。なによりも痛くて苦しがっている動物をみてそのままほっておけるとこが、獣医師として許されるものか?と言うことです。

 

犬猫の疼痛管理

犬猫の疼痛管理


まずは鎮静についてであるが、鎮静と麻酔との境界線はなく、不明瞭であるが、主に鎮静とは外部か らの刺激に対しての反応の低下と理解されている。動物と医療従事者にとっても鎮静は共に安全のため重要である。特に動物がおとなしい性格でない場合は特に 重要となる。恐怖や極度のストレスは交感神経の活性を高め、事故が起る要因となりうる。これらの鎮静剤は動物に精神面の安定に作用するが、鎮痛剤の作用を 増強して、鎮痛剤の補助的な働きをするが、強い鎮静剤は、動物の行動を制限することがあり、日帰りの手術等では問題となる。そんな場合は軽くするか作用時 間の短いものを選ぶべきである。例えば手術後の鎮痛剤の使用は通常は最低でも3日間は必要である。

現在考えられていることは、疼痛管理によって得られる利益は、鎮静剤や鎮痛剤の使用による不利 益を上回るものである。ゆえに手術後の疼痛が予測される場合は、動物の痛みによる外見的な行動にかかわらず、鎮静剤や鎮痛剤を投与すべきである。

例えば去勢や避妊手術においても鎮静剤や鎮痛剤の使用は現代の獣医学では常識となりつつある。 まれに飼い主はこれらの手術においても、可愛そうだからと言って手術を避ける、嫌がる飼い主がいるが、そんな場合はその理由を聞くと過去に手術を受けたと きに動物が痛がり、数日間元気なくあまり動かなかったとか、夜眠れていないで一晩中付き添いやっと少しは寝られたとか、いろいろな理由を言うものである。 手術を受けたのだから、多少のことは動物も飼い主も我慢して当たり前?と考える獣医師がいたとすれば、時代遅れであり、考え直す必要が大いにあろう。

そんな場合には、麻酔前の精神状態、麻酔中及び麻酔後の疼痛管理を具体的に、い ろいろと説明し、いかに鎮静剤や鎮痛剤の使用で動物の状態が変わるか、例えばその鎮痛剤使用による5大行動変化(動作、食事、飲水、排便、睡眠)のことを 説明すると良いであろう。鎮痛剤を使用すると、動物はより早く動け、より早く食欲がでて、より早く水を飲み、より早く排便し(このことは稀に手術後に起る 麻痺性イレウスの予防にもなる?)、より早く良い睡眠ができるようになる。鎮痛剤を使用していると、翌日から入院動物が手術前と同じように動き(ゆえに何 時手術をしたのか覚えてないと判断つきません)、パクパクと食事する姿を見て、何か嬉しくなるのは、獣医師冥利につきます。飼い主に面会させれば、考えて いた事との差に驚くことであろう。痛くない手術こんにちは!痛い手術さようなら!である。

また特に飼い主に説明したいことは動物や飼い主における精神面の問題である。動 物によっては、いろいろな刺激に対しても大きく反応をする動物もいる、それらの動物を飼育する飼い主の多くは、そのことを知っており、それらの動物に対し ての手術(麻酔)前の精神状態の安定には鎮静剤、鎮痛剤の使用はより重要となる。

人間の医学では、過去に手術を受け痛いと感じた子供が、予防接種の際に過剰に反 応(痛みを感じる)すると言うことが判っており、おそらくこのことは動物も同じことと考えられる。

動物が動物病院に来たらすぐに身体検査後、鎮静剤を投与することを飼い主に約束すれば、か なりその反応は違ってくる。しかし動物の痛みには、急性の痛み、慢性の痛み、手術後の痛みを始めとして、癌の痛み、外傷等の疾病の痛み、内臓痛、骨や関節 の痛み等いろいろあります。

この痛みの問題は、最近まで人間の医学でも癌の痛み(がん患者の8割が痛みに苦しみ、3割 が診断初期から痛みを訴える)にモルヒネを使用すると中毒になる、との誤解から、苦しみ抜いた末の死を迎える結果となり、これが社会問題化され、遅ればせ ながら2007年4月より「がん対策基本法」が施行され、ホスピス(緩和ケア病棟)への取り組みが強化されました。人間の緩和ケアの専門家は「がんの痛み は治療できる症状、それを取り除くのは医師の義務」と言っています。ちなみに日本は、モルヒネの使用量はカナダの14%でそれだけ緩和ケアがされていない と言うことです。

疼痛管理でいつも問題になるのは、動物が疼痛を感じているかの論理である。最近「動物のい たみ研究会」が発表した5段階での評価によると、以下の通りのようである。

レベル1→
ケージから出ようとしない、尾の振り方が弱い
レベル2→
食欲低下、痛いところをかばう
レベル3→
体が震えている、背中を丸めている
レベル4→
持続的に鳴く、眠れない

 

術後の疼痛評価

 

 

動物の疼痛の有無を調べるのに最も有益な方法は、触診による判定と思われる。しかしながら、触診に対する反応は、動物種や術前のその動物の正常な動作、その手術の内容、使用した薬剤等と関連づけて評価をする必要がある。特に恐怖やその攻撃性からの嫌 がる動作は、その麻酔前の同じ行動と比べないと、不確かになる可能性がある。ゆえに術前にあらかじめ調べておくことがきわめて重要である。


        <触診による痛みの評価>
レベル0→
触診をしているのも気づかない。
レベル1→
触られているのをちょっと見る。でも、触られているのを嫌がらない。
レベル2→
触られている方を見て、舐めるか、ちょっと嫌がる素振りを見せる。
レベル3→
逃げようとする、嫌がる、ちょっと鳴くか、その部分を過剰に舐めたり、気にする。
レベル4→
最高のスケールで触診を嫌がる。噛んだり舐めたり擦ったり、その部分を保護する。



日本ベェツグループ 代表 小宮山典寛
東京都武蔵野市2−6−4 〒180-0006
Tel: 0422-54-6922 Fax: 0422-54-5537
http://www.pet-hospital.org