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all words by Dr.NORIHIRO KOMIYAMA

早期不妊手術のすすめ
2001/12/15 第2回改訂

最近の愛犬チャンプ去勢・避妊手術について(2001年6月号改訂)も併せてご覧下さい。

早期不妊手術
生後6-14週間で避妊手術や去勢手術ができます!
現在全米で30万頭以上の犬猫が早期不妊手術を受けました
現在早期不妊手術における副作用報告はありません
誰が早期不妊手術を考案したのですか?
なぜ早期不妊手術が考案されたのですか?
米国のアニマル・シェルター(動物保護施設)における問題とは?
本当に米国では早期不妊手術が支持されているのですか?
早期不妊手術における手術料は、通常の避妊・去勢手術と同じですか?
不妊手術とは?
犬・猫の不妊手術
雄の去勢手術
雌の避妊手術

早期不妊手術
早期避妊手術―去勢手術を推進(ES-N)しましょう

生後6-14週間で避妊手術や去勢手術ができます!
不妊手術(去勢・避妊手術)を行う時期については、以前からオス犬の場合は8-10カ月(犬種によって多少差があり大型犬のほうが遅くなる)、メス犬では4-7カ月が最適と言われてきました。しかし最近アメリカでは、手術の時期について新しい提案が広く受け入れられるようになっています。
現在全米で30万頭以上の犬猫が早期不妊手術を受けました
早期の不妊手術は、今までの獣医学の常識を破る画期的な提案とは言え、全米の獣医師間で多くの論争を生みました。しかしアメリカの一部で本格的に採用されて3-4年たった現在、30万頭以上がこの方法で手術を受けています。
現在早期不妊手術における副作用報告はありません
副作用などがある場合、たとえアイディアがすばらしくても医学的に受け入れられません。しかし、多くの犬猫が早期の不妊手術を受けているにも関わらず、現段階で医学的に副作用が生じたという例はまったく報告されていません。現在動物の過剰問題に関心を持つ獣医師の多くがこの方法を受け入れています。
誰が早期不妊手術を考案したのですか?
早期不妊手術の発案者はフロリダに住むDr. リーバーマンで、約20年前に100例を手術し何ら問題がないと判断しました。その後5年間で1600例(犬・猫の合計)の手術を行い、やはり医学的に問題がなかったとのことです。そこで1989年エンジェル・メモリアル・アニマル・ホスピタル(アメリカの最先端医療の代表的機関)内のマサチューセッツ動物虐待防止協会(MSPCA)に追試験を依頼しました。そこでの報告も副作用はありませんでした。
なぜ早期不妊手術が考案されたのですか?
早期不妊手術が発案された背景にはペットの増加問題がありました。つまり、去勢・避妊手術をしていないペットから望まれない子供がたくさん生まれ、安楽死もやむなしという状況があったのです。そうした状況を解決する有力な1手段として、早期の去勢・避妊手術が発案されたわけです。

私はこの方法が小動物界のノーベル賞に相当すると考えています。米国のアニマル・シェルター(動物保護施設)では積極的にこの方法を受け入れ、人間の都合で不幸な犬猫が1頭でも産まれないよう努力しているのです。
米国のアニマル・シェルター(動物保護施設)における問題とは?
アニマル・シェルターは、いろいろな理由で飼い主のいなくなった動物を引き取り、飼い主としてふさわしいと認められる人を選んで、里親になってもらう橋渡し役をしています。里親が決まった場合、半数の犬が去勢・避妊手術をしない状態で新しい飼い主に渡されています。従来の基準では手術に適した月齢に達していないからです。シェルターでは新しい飼い主に必ず手術をするよう誓約書を書いてもらうのですが、実際には手術をしない人が多いため、望まれない子供が生まれ、その子供たちがまたシェルターに戻ってくるという悪循環ができているのです。このことはシェルターで働くスタッフの無力感にもつながっています。しかし早期不妊手術が可能になれば、その手術を行ってから動物を里親に渡すことができます。したがってこれまでの悪循環が断たれることが期待できます。
本当に米国では早期不妊手術が支持されているのですか?
現在アメリカにおける獣医学の最高権威団体「アメリカ獣医師会」や、小動物臨床界の総本山「アメリカ動物病院協会」を含め主要な8つの動物関係の団体が、早期不妊手術を支持するという声明を出しています。一部に懐疑的な意見を述べる獣医師もいますが全米で受け入れられつつあります。

現在米国で早期去勢・避妊手術を支持している団体(アメリカ)
・アメリカ獣医師会(AVMA)
・アメリカ動物病院協会(AAHA)
・アメリカ動物愛護協会(AHA)
・アメリカケンネルクラブ(AKC)
・アメリカ動物虐待防止協会(ASPCA)
・米国ヒューマン・ソサイエティ
・猫愛好家協会(CFA)
・マサチューセッツ州動物虐待防止協会(MSPCA)
早期不妊手術における手術料は、通常の避妊・去勢手術と同じですか?
費用については、それぞれの動物病院の方法の違い(手術法、麻酔法、縫合糸、滅菌法、滅菌手術衣を使用するかの有無等)によって大きく異なってきます。多くの動物病院では、ペットの増加問題が公衆衛生上深く関わってくるので、不妊手術であまり利益をあげるべきではないと考えています。

早期の手術は雌の場合に比べますと、通常の時期の手術に比べて脂肪等が少ないためや卵巣と子宮がまだ小さいため、手術自体は、行いやすいのですが、麻酔関係ではより若い年齢ですので、より慎重にモニター等必要になるでしょう。慣れた獣医師の場合、通常の手術時間は約15〜20分程度かかりますが、この方法ではその約半分の時間で終了するでしょう。(卵巣と子宮をヘモクリップで結檠した場合時─ホッチキスとは違いますが原理は同じです)したがって、私見ですが料金は通常時期の手術に比べて安いと思います。通常の避妊・去勢手術の約20〜40%安くなった手術料と考えれば良いでしょう。

不妊手術とは?

犬・猫の不妊手術
犬・猫は人間の良き伴侶として心に豊かさを与えてくれます。また、人間が犬・猫のみならず他の動物たちを虐待する権利は何もなく、この限られた地球上に生存する動物たちと共存共栄を計ることが、生命の尊厳、強いては人命の生存を計ることにつながるのです。地球上に動物が生きて初めて人間も生きていく事ができると思います。

ガリガリに痩せて薄汚れた捨て犬・捨て猫を見て、心の痛まない人間はまずいないと思いますし、そんな不幸な犬・猫を1匹でも少なくするため不妊手術をお勧めします。
雄の去勢手術
犬猫の去勢手術は睾丸の両方取ってしまうため確実性があり、屋外への遁走・ 放浪癖が少なくなります。従って嗅傷・交通事故・伝染病の感染の機会が減少 するという長所があります。手術も比較的簡単で短時間です。その後は発情に よるうるさい鳴き声も減ります。また肛門周囲腺腫などの病気も去勢手術をする ことでほとんど防げます。去勢手術をする最適な時期は以前は生後8-9ヶ月頃と 言われていましたが、実際はより早期に行え生後6-14週間で可能です。(早期 避妊手術の項目を参考)
雌の避妊手術
この手術はおなかを切開して卵巣・子宮を取り出します。早期にこの手術をする ことで、比較的多発する「悪性腫瘍の乳ガン」にかかる心配もほとんどなくなりま す。また、子宮蓄膿症・子宮内膜炎等子宮に関する病気がすべてなくなります。 そして発情がなくなりますので、鳴き声がうるさくて眠れないということもなく妊 娠の心配もなくなります。

避妊手術をする最適な時期は生後5-6ヶ月頃と言われていましたが、実際は 生後6-14週間で可能です。(早期避妊手術の項目を参考)よく避妊手術をす ると太って動作が鈍くなると言われますが、これはよくある誤解で太りすぎは カロリーの取りすぎなのです。手術のせいで太るのではありません。また避妊 手術は知能や気性にも影響しません。

避妊手術にかかる費用については、私達の病院では出来るだけ低く抑えて あります。卵巣子宮摘出はかなり開腹する手術ですから、人の病院で行な われている開腹手術と全く同じように全身麻酔と完全な無菌操作を必要とし ます。私達の病院では、避妊手術は公共のサービス的な意味合いで行なう ものであり、そこから利益をあまり、あげるべきではないと考えています。

したがって当院でかかる手術関係の費用は、術前の身体検査、麻酔前処置、 全身麻酔料(最も安全な吸入麻酔)・手術技術料・滅菌料(手術器具・手術衣・ 手術用布等)・滅菌ガーゼ・吸収性縫合糸(マキソン又はPDS)・手術室使用料・ 血液検査料(最低7項目以上)・心電図等の異なる3種類によるモニター料・麻酔 管理係り又は記録係の人件費などにかかる費用です

避妊手術に関して良い啓蒙書かありますので機会があればぜひ御覧ください!
■ http://www.pet-hospital.org/book.htm

避妊手術に関して良い啓蒙書がありますので機会があればぜひご覧下さい!