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all words by Dr.NORIHIRO KOMIYAMA

動物病院でのインフォームド・コンセント
―説明と同意―
2002/4/3

近年になってこのインフォームド・コンセントと言う言葉が広まりつつあります。このインフォームド・コンセントは、説明と同意と訳されています。これは医療を行う者がその医療を受ける患者に対して、その診療の目的や内容をあらかじめ十分に説明して患者の理解と同意を得た上で医療などを行うことです。

医学(獣医学も含めて)は以前より古い体質が指摘され、患者への配慮がたりずこのことが問題視されてきました。そんな中で生まれたのが、この言葉かもしれません。

以前の医学は、医者が患者に一方的にその方法を押し付けて(説明して)、行う方法でしたが、近年欧米から導入されたこの言葉は、医師と患者が対等の立場で、本音で語り合える状況を作り出すために、この制度が作り出されたのだと思います。

医療は患者の了解があって始めて医療が成り立つものです。

重要なのは 医療を行う側がただ単に十分に説明をすれば良いと言うことではないのです。患者がそれを理解し、納得し、同意することであるのです。これは説明によって理解が深まるだけでは、不十分であると言うことです。

理想的なインフォームド・コンセントは以下であると思います。

1 医師は医療に対して説明義務を有するので、説明すべきである
2 医師は予測可能な範囲で、治療行為の危険性を説明すべきである
3 代わる治療法があるか?それと比較してどうか?も説明すべきである
4 治療における良い点と悪い点を比較して説明すべきである
5 できれば書面をもってこれらを確認するのが理想的である


どの職業的な世界でもそうでしょうが、医療の場合は特にその医療の正しさを判断するのは医師以外ではほとんど不可能です。これが医療の世界の閉鎖性の要因にもなりうる事柄であるので、それゆえ医師は医師の間で報告をして査問を受けなければならないのです。これらはアリストテレスの時代から言い続けられています。