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all words by Dr.NORIHIRO KOMIYAMA

No.16〜30

16) クッシング症候群について教えてください。
17)家から出ると動かなくなります。また、気管支炎は完治しますか?
18)病院に連れて行ったら、アレルギーだといわれました。
19)徐々に麻痺が進み、腰をひねった際、歩けなくなりました。
20)いろいろな方法で食事をさせるのですが、食べてくれません。
21)近々血液検査をして、アレルゲンの特定をする予定ですが。
22)右側腰のあたりに直径4cmくらいのしこりができています。
23)よくしゃっくりをし、けっこう苦しそうです。
24)血液検査をしたところ、赤血球の値が高すぎるといわれました。
25)リウマチは治る見込みがないのでしょうか?
26)走りまくり逃げてしまいます。しつけ方を教えてください。
27)時々尿に混ざるものが何であるのか判明せず、不安です。
28)同じような虚弱体質の仔犬が生まれる可能性はあるのでしょうか?
29)大型犬にて、食事の量について悩んでいます。
30)愛犬が椎間板ヘルニアになりました。

目次 No.1〜15 No.16〜30 No.31〜44
No.45〜60 No.61〜75
16)Qクッシング症候群について教えてください。
14歳になる雑種ですが、血液検査をしたところ、ALTが185もあり、ALPも706でした。クッシング症候群の疑いがあり、もう治らないといわれました。状態が悪いときは、左足をあげて立ったり、人間が抱くと、痛がりました。足にさわっても痛がらないのですが。食事はヒルズのシニアとメンテナンスを混ぜて与えていますが、あまり食べてくれません。体重も10kから8.5kに減り、やせています。他のドッグフードは喜んで食べますが、ALTの数値を考えると、ヒルズ以外は与えたくありません。しかし、食べないので、肝臓にやさしく、おいしくて体重を維持できるものをさがしています。食事は着色料や添加物の入っていないフードを与えたいと思っていますが、適正量の3分の1しか食べません。水をよく飲みます。食べ過ぎるとすぐお腹をこわし、便に血が混じります(以前、痔になってからです)。クッシング症候群について教えてください。また、どんな食事をどのように与えたらよいか、犬のためにどのように対処したらよいか、教えてください。(ミックス/14歳♀ 和歌山県/Y.K)
16)A
重要なことは、あなたの愛犬が本当にクッシング症候群、すなわち副腎皮質ホルモンの増多症かどうかを鑑定することです。これは各種の検査で比較的簡単にわかりますが、診断してからは少し複雑です。ただ水をよく飲むからとか、ALTやALPが高いからといって、この病気とは限りません。糖尿病、子宮蓄膿症、慢性腎炎、その他の病気でも水をよく飲みますので、鑑別が必要となります。

一般的には、この病気の犬は水をよく飲み、食事をたくさん食べ、尿もよくします。また、全身が脱毛したり、お腹が出てくることなどが、典型的な症状です。鑑別は、ACTH刺激ホルモンまたは少量のデキサメサゾン検査のどちらか、あるいは両方により行います。もし診断が確定したら、また別の検査を行い、副腎腫瘍か下垂体性かを鑑別します。したがって、少し複雑です。

食事は、良質のタンパク質を規定量与えるのがよいと思います。できればより専門的な病院で、再検査をしたほうがよいでしょう。
17)Q家から出ると動かなくなります。また、気管支炎は完治しますか?
最近、犬を飼いはじめました。あまりにもかわいいので、早くお散歩に行きたいのですが、家から1歩外に出ると、座り込んだまま動かなくなります。少し離れたところから、「オイデ」と言ってもダメです。家の中では、うるさいくらい走り回っています。犬は外に出ると喜んで走り回ると思っていたのですが、間違いなのでしょうか。リードを引っ張っても動きません。また、咳が出るので獣医さんに連れていったら、気管支炎だといわれました。薬をもらって飲ませていますが、まだよくなりません。気管支炎は完治しますか。犬自身は食欲もあり、とても元気です。咳は、遊んで暴れたあとなどに出ます。(柴犬/3カ月半/♂ 大阪府/ペンネーム・ラブリーだいすけ)
17)A
かわいい犬ということでよいですね。散歩の件に関しては、無理に外へ出すことはないと思います。あなたの愛犬のように、外へ出るとまったく動かなくなる犬もたまにいます。年齢が増すにしたがって、徐々に治ることはありますが、生涯まったく治らないケースもあるようです。ですから、無理には連れまわさなくてもよいでしょう。どうしても外に出て散歩をさせたいと思うのなら、適当なところまで犬を抱いていって、その場で少しおろして周りの環境に慣らし、また抱いて家に連れ帰ってくるとよいでしょう。これを何回か繰り返していると、少しずつ外で歩くようになるかもしれません。

咳が出ることについて、動物病院で気管支炎だといわれたということですが、問題はどんな方法で診断されたかです。レントゲン検査等の結果、気管支炎と診断されたのなら、その診断が正しい確率はかなり高くなります。もしあなたの愛犬が首輪をしていて、それを引っ張るときに特に咳が出るのでしたら、気管虚脱(気管支の一部が狭くなる)や、気管の未形成(気管支自体が生まれつき小さい)などの病気があります。通常の薬を投与して、気管支炎の症状が治らない場合は、それらの病気も疑われますので、より専門的な病院で調べてもらったほうがよいでしょう。

いずれにしても、あなたの愛犬はもともと上部の気道の炎症があるようです。首輪を引っ張られると咳が出る場合は、気管の先天的な異常や重度の炎症があると考えていいでしょう。その場合、胴輪にすることを考える必要があります。ただし、引っ張る力が強い犬では、人間が引っ張られ、危険なことがありますので、注意してください。
18)Q病院に連れて行ったら、アレルギーだといわれました。
生まれたときは、パピーフード、少し大きくなってからは、ドライフードをミルクに浸したものや、生タイプにミルクをかけたものを食べていました。成犬になってからは、ドライフードはまったく食べなくなってしまいました。お腹が空いたら食べるだろうと思って用意しても、絶対に食べません。仕方がないので、缶詰を与えています。そのためかどうかわかりませんが、体中を掻きむしるので、病院に連れていったら、アレルギーだといわれました。脚の付け根、肉球の爪の生え際、目の周りなどをかゆがり、赤くただれてかさかさになっています。目ヤニも出て、目が充血しています。夜中、特にかゆくなるようで、うなり声をあげて掻いたり嘗めたりしています。外耳炎もあり、アレルギーが原因といわれています。食事やおやつは牛肉や牛製品が中心だったので、牛アレルギーといわれ、鶏肉中心の食事に変えるように指示されました。食事を少しずつ変え、病院からもらった薬を飲むことで、かゆみや痛みはいくらかなくなったようです。このまま薬を飲み続けなければならないのでしょうか。アレルギーは治るのでしょうか。とても心配です。(シー・ズー/5歳♀ 福島県/T.S)
18)A
症状をお聞きすると、やはりアレルギーが最も疑われると思います。アレルギーにもいろいろありますが、まず、ノミアレルギーでないかどうか調べます。ノミが見つかった場合、現在ではよい薬がありますので、ノミを駆除してください。もし、ノミが見つからなくても、予防のために処置する必要があります。

次に、食事アレルギーか吸引アレルギー(アトピー)が疑われますが、愛犬は牛アレルギーと診断されたようです。食事アレルギーは、食事を変える(過去に食べたことのない食事を与える)ことによって治療します。どういう食事を与えるかは、獣医さんの指示に従ってください。アトピーである可能性もあります。アトピーの原因の70〜80%はハウスダストマイトと家に住むチリダニです。このアレルギーは6カ月〜3歳くらいの年齢で発症し、7歳以上で発症することはまれです。したがって、年齢が診断を下すときの助けになります。

治療には、まず家をこまめに掃除することが重要です。特に殺ダニ用の掃除機で掃除するとよいでしょう。一般に、アレルギーは暖かい環境で症状が悪化します。したがって、夏は症状が悪化し、冬はおさまることが多いでしょう。ただし、食事アレルギーは季節とは関係がありません。

また、皮膚が乾燥しすぎると、非常にかゆがります。皮膚の乾燥を防ぐ簡単な方法があります。酢と水を1対1くらいの割合で混ぜ、霧吹きで軽くスプレーしてあげてください。状態によって、かゆがっている部分に1日に1〜2回スプレーすると、かなり効果があります。アレルギーの症状はだいたい皮膚に現れますから、皮膚病に詳しい獣医師によく相談し、治療方針を決定するのがよいでしょう。

まれに、特異的な免疫特性をもつ犬がいます。このような犬は、アレルギーが非常に治りにくい体質をもっています。いずれにしてもアレルギーは治る病気ではなく、いかに症状を抑えるかが治療のポイントになります。薬は種類を変えながら、飲み続けることになるでしょう。その際、副作用のことをよく聞いておくことが重要です。いたずらに副作用を恐れて、薬をやめてしまうと、危険な場合もあります。獣医師と連係プレーをとり、根気よく治療を続けてください。
19)Q徐々に麻痺が進み、腰をひねった際、歩けなくなりました。
3歳のオスのパグです。4カ月のとき、背中にコタツ板が当たり、脊髄損傷になりました。徐々に麻痺が進み、昨年夏、腰をひねった際、歩けなくなり、排泄コントロールもできなくなったため、岐阜大学家畜病院で神経を圧迫している骨を除去する手術を受けました。深部の痛覚はあり、現在は足先を刺激すると蹴り返してきます。尻尾も、排泄の際や歩こうとするときは上がります。立とうとはしますが、1〜2秒しか立てず、すぐ座ってしまいます。歩けないので、車椅子をつくろうと思い、病院を通じて業者に問い合わせたところ 、立とうとする犬の場合、車椅子の乗せると、怪我をしたり、うまく作動しないことが多いといわれました。岐阜大では、手術は成功したので、外科的にはほかにすることは何もないといわれ、またかかりつけの病院でも、以前は内服治療を受けていましたが(8カ月〜1歳3カ月)、副作用が出たためその後治療はしていません。家でマッサージをしたり、屈伸運動をさせたりし、立つ練習をしています。散歩をさせてやりたいのですが、いい方法はないでしょうか。犬のためのリハビリ用車椅子はないのでしょうか。情報がないため、専門の開業医がいるのかどうかわかりません。尿は1日に3〜4回、私がお腹を押してさせています。大便は、腹圧がかかると出ています。後ろ脚はかなり動かして歩こうとするようになりましたが、まだこすって歩いています。(パグ/3歳♂ 愛知県/C.N)
19)A
動物が神経障害を起こすと、飼い主の方は非常に看護が大変ですが、できるだけのことをしてあげてください。家庭でできる方法をお話しします。まず、リハビリが大事です。最もよい方法は泳がすことです。水に慣れていない犬は、なかなか水に入ろうとしませんが、最初は浅いところから始め、手で支えながらゆっくり歩かせたりします。慣れてくると、泳ぐ動作をするようになります。このようなリハビリ運動をして、脚の筋肉量を落とさないことが大切です。運動をしないと、脚の筋肉量が落ちてしまい、脚を使おうとしても使えなくなります。

2番目のリハビリ方法として、後脚の前、腹部の後ろのあたりをタオルで巻いて軽く引き上げ、後ろ脚が少しだけ床に着くようにして歩かせる方法があります。これは、床の滑らないところで行ってください。絨毯などを敷いた場所がよいでしょう。

3番目には、動物を仰向けにして、後ろ脚の屈伸運動をしてあげることです。痛がらない程度に、朝昼晩、それぞれ40〜50回くらい行うとよいでしょう。

内科療法では、神経の炎症をとる内服薬を使ってもムダでしょう。また、もうステロイド剤を使用する時期でもないと思います。副作用が出たのは、ステロイド剤の副作用で水を大量に飲んだためと思われます。薬に関しては、実際に効果があるかないかはわかりませんが、理論的にはビタミンB剤を中心とした薬の投与が考えられます。

その他の方法として、効果については論議があるところですが、東洋医学を応用することです。レーザーを使用する方法や、鍼や灸などがあります。時間的にも経済的にも余裕があれば、これらの療法も試されたほうがよいと思います。ただし、確実によくなるという保証はありません
20)Qいろいろな方法で食事をさせるのですが、食べてくれません。
4カ月のM.ダックス(♂)と3カ月のアイリッシュ・セッター(♂)がいます。最近、引っ越しをしました。M・ダックスが食事をせず、ドッグミルクはよく飲みむのですが、少しやせてしまいました。いろいろな本に書いてある方法で食事をさせようとするのですが、食べてくれません。少し前までユカヌバのパピー用を与えていましたが、皮膚の状態がよくなかったので、ソリットゴールドに変えました。ドライフードとdbfのビーフを主に与えています。間食にブタの耳、牛の爪、ペディグリー・デンタボーンを与えています。耳と爪はよく食べています。通常の食事を食べさせるには、どうしたらいいでしょうか。(M.ダックス/4カ月♂ 埼玉県/Y.U)
20)A
通常の食事をさせるには、根気がいると思います。方法としては、幼犬でなければ(あなたの愛犬は、質問時には幼犬でしたが、現在はだいぶん大きくなっているでしょう)、犬の調子がよさそうなときに、1〜2日の間、水だけを与え、食事をまったく与えないようにします。犬が本当にお腹が空いてきたときに、食べさせたい食事を3分の1から半分くらい与えてみます。それを食べれば、続けて食べさせるようにします。もし食べない場合は、食べさせたい食事と今まで食べていた食事を半分ずつ、あるいは前者3分の1と後者3分の2を混ぜて与え、食べさせたい食事に慣らしていきます。

また、ほかに、10日間食事改善法という方法があります。まず1日か2日絶食し、その後の3日間は食べさせたい食事を3分の1、今までの食事を3分の2、次の3日間は5分5分にし、次の3日間は食べさせたい食事3分の2、今までの食事を3分の1にして与え、10日目に食べさせたい食事だけにする方法です。以上のふたつの方法のどちらかを選んで、食べさせてみるとよいでしょう。

神経質な犬の場合、引っ越しがストレスになった可能性もあります。できるだけストレスを与えず、犬が興味をもつようなことをしたり、変化のある生活をすることも効果があるでしょう。たとえば、犬の好きな運動をさせると、お腹の空くので、食事を食べるようになるかもしれません。工夫してみてください。
21)Q近々血液検査をして、アレルゲンの特定をする予定ですが。
6カ月のW.コーギー.Pのアレルギーが心配です。細胞検査、カビ検査、検便は、どれも問題となる所見はなく、ノミに関しても、フロントライン・スプレーを毎月噴霧しており、ノミとりコームを使っても発見されません。ドクターにかかって1カ月になります。近々血液検査をして、アレルゲンの特定をする予定ですが、たいへん手間のかかる作業になるそうです。与えた食事や体調に関するデータを添付します。因果関係、治療方法などについて、一般論を誌面でうかがえたら助かります。(W.コーギー.P/6カ月♀ 福岡県/S.S)
21)A
状態からみると、吸引アレルギー(アトピー)だと思います。コーギーはアトピー の好発犬種で、若い年齢で発症するケースがよく見られます。(食事アレルギーも少しは関与しているかもしれませんが、犬の場合、発症率はアトピーが90%、食事アレルギーが10%です。)アトピーの治療で重要なことは、環境を整えること、すなわち家の中の掃除を徹底的にすることです。アトピーの原因の70%以上は、ハウスダスト(家の中のチリ)やハウスマイト(ダニ)です。もしできれば、環境も変えてください。たとえば、床は絨毯をやめてフローリングにするほうがよいでしょう。人間の場合と同じで、アレルゲンとなる物質を家の中から排除することが、一番大切な治療です。

アレルゲンの特定をする予定とのことですが、行わないよりは行ったほうがいいで しょう。しかし、その特定は容易ではありません。また、寄生虫がいると擬陽性となりますので、まず糞便検査やノミ・ダニの検査をし、いないことが確認されてから行うとよいでしょう。 完全な治療法はありません。最近、人間で使われている抗アレルギー剤、すなわちヒスタミン系統の薬が使われてきています。しかし、動物の場合、効果はあまり高くありません。ただし、犬は代謝率が高いので、抗ヒスタミンを人間よりも多く使用すると、ある程度効果が高くなることがわかってきました。

その他、最近よく話題になる脂肪酸などを与えるのもよい方法ですが、値段の高いのが欠点でしょう。最も効果の高いのは、従来使われているステロイド剤ですが、使いすぎると副作用が現れます。したがって、症状が非常に悪いときにだけ使ったり、間隔をあけて使ったりします。 人間の場合、除感作といい、アレルゲンを少しずつ注入する方法があります。動物の場合、最低3〜9カ月の治療期間を要し、完全に行えば70%は有効といわれていますが、行うことはなかなか難しいようです。

あなたの犬は、まず病気の抵抗力を増すこと、すなわち定期的に糞便検査をし、ワクチンを受け、フィラリアやノミの予防をきちんとすることにより、体力が落ちないようにすることが必要でしょう。4〜5歳以上になると少しは落ち着いてくることもあります。根気よく、季節の変化や室温などにも気を配りながら、どのようなときにアトピーが出てくるかを観察するとよいでしょう。この観察に基づいて、症状が出そうな時期にきちんと治療をするのがコツとなります。なかなか大変なことですが頑張ってください。
22)Q右側腰のあたりに直径4cmくらいのしこりができています。
右側腰のあたりに直径4cmくらいのしこりができ、少し押すと痛みがあるのか悲鳴をあげます。急いでかかりつけの病院へ連れていきましたが相手にされず、逆に飼い主である私が神経質になっているので、安定剤でも飲んだほうがよいとまでいわれました。別の病院で受診し、何かしこりがあることは間違いないといわれ、抗生物質を処方されましたが、排膿(膿が出る)されるまで待つしかないということでした。1月ばかり前に、タール便が出て、かかりつけの病院に右腰あたりに、下痢止めの注射(2日間)をされました。それが原因なのでしょうか。抗生物質を出してくれた先生は、副作用でしこりのできる下痢止めはあるが、今はあまり使われていないといっていました。最近、右肩にも、見てわかるくらいの大きさのしこりができています。食欲や元気はあり、便も普通に戻っています。このまま様子を見るだけでよいのでしょうか。とても心配です。(ヨークシャー・テリア/9カ月♂ 北海道/T.N)
22)A
医学上の常識として、もし注射を打った部位にしこりができれば、注射のせいを疑うのは当然のことです。きちんと滅菌し、正常の手続きで皮下注射を打ち、その結果しこりができたという場合、誰が打ってもそうなるので、ある程度致しかたないことでしょう。しかし、注射以外でもしこりができることはありますので、原因の判定は非常に難しいところです。

しこりを少し押すと痛みがあるということですが、しこりが固いのか軟らかいのか、熱があるのかないのか、また注射を打ってからどの程度の時間で広がったのかということが重要となります。通常、注射が原因となった化膿の場合、切開したり、針を刺して排膿したりして、化膿止めを打てば治ります。腫瘍等の場合は、そのような処置だけでは治りません。しかし、あなたの犬はまだ9カ月ですから、腫瘍の発生の可能性は少ないと思います。原因としては、異物の混入、圧迫による刺激、いろいろな細菌感染などが考えられます。

もし、その出来物がどんどん大きくなるようでしたら、ちょっとした外科手術が必要になると思います。 あまり大きくならないうちに、もう少し積極的な動物病院を見つけて、再受診したほうが賢明でしょう。
23)Q:よくしゃっくりをし、けっこう苦しそうです。
4カ月になるゴールデンですが、家に来たときからよくしゃっくりをし、かなり長く続いてけっこう苦しそうです。今のところ、自然に治っていますが、大丈夫でしょうか。また、両耳の付け根の間の頭の部分に、人間の喉骨のような骨が突き出ています。2カ月くらいのときは、目で見てもわからず、さわると少し出ているかなと感じる程度でした。ほかの仔犬の頭に触ると、やはり同じようになっているので、一応安心しましたが、4カ月頃からすごく目立つようになり、今では人間の男性の喉骨のような大きさです。これは骨であり、肉の塊でないことは確かです。成犬になれば、目立たなくなるのでしょうか。手術をすれば治るのでしょうか。ほかに影響はないのでしょうか。(ゴールデン.R/4カ月♀ 岐阜県/M.S)
23)A
「犬がしゃっくりのようなものをしている」ということをよく聞きますが、医学的には動物がしゃっくりをするという報告はありません。おそらく何らかの呼吸器系の刺激や異常により、しゃっくりに似た動作をするのでしょう。一般的には、4カ月程度の仔犬の場合、上部気道の感染症などが原因でそのような症状が出ることがあります。軽い場合は、年齢が進むに従って自然に治ることが多いのですが、きっとあなたの愛犬もそのような経過をたどったのかもしれません。

両耳の付け根の骨のような部分については、実際に見てみないと何とも言えません。ある程度やせている動物では、その部分が目立つことがあるようです。しかし、何か呼吸器系に奇形があるとすれば、先ほどのしゃっくりのような動作の問題とも絡めて、専門的な病院で、上部気道系のエックス線検査等を受けたほうが安心かと思われます。動物があまりやせていなければ、通常はあまり目立たないので、問題にならないと思います。
24)Q血液検査をしたところ、赤血球の値が高すぎるといわれました。
病院でフィラリア検査のため血液検査を行ったところ、赤血球の値が高すぎるといわれました。通常は45%くらいのところを59%あり、心配だといわれました。下痢や嘔吐を起こしたときは、診せてくださいといわれましたが、今のところは大丈夫です。ただ便が軟らかくなることが、たびたびあります。また、血液の流れが悪くなると、心臓に負担がかかるともいわれました。眠っているとき「ハッハッハッ」と息が荒くなることもあります。赤血球の値が高いと、どのような症状が出るのか、また治療はどうすればいいのか、詳しいことを教えてください。(日本犬ミックス/2歳3カ月♂ 岐阜県/M.S)
24)A
赤血球の値が高い場合、いろいろな病気や状態が考えられます。現在のところ、愛犬はある程度元気なようですが、定期的に検査をすることが大切です。1カ月おきくらいに検査を受け、どのような推移をたどるか調べてみるとよいでしょう。1カ月後に正常になることもあります。

通常、赤血球の値が高いと、脱水した状態を示していることが多いものです。また、この場合は、血液中のタンパク質の値も高くなります。「腸性毒血症」という病気もあり、ひどい下痢や嘔吐を起こします。この病気であれば、輸液や点滴により血液を薄めるという治療法がとられます。主治医の先生は、この病気を心配しているのでしょう。

最も難しい病気としては、真性の赤血球増加症があります。この病気であれば、いずれ動くとすぐに疲れたり、呼吸困難を起こすなどの症状が出てくるでしょう。これには有効な治療法はなく、瀉血、すなわち多すぎる血を抜くという方法がとられるくらいです。また、心臓の奇形のために、赤血球の値が高くなることもあります。よく運動をする動物でも、赤血球の値が正常値より高いケースが見られます。これは病的状態ではなく、普段から呼吸が苦しくならないように、赤血球の値が高くなっているのです。いずれにしても、今後、十分な経過の観察が必要となるでしょう。
25)Qリウマチは治る見込みがないのでしょうか?
3歳のM.ダックスです。大学の家畜病院でリウマチだと診断され、そのときいただいた薬はよく効き、1週間くらいで目に見えてよくなりました。しかし、主治医からもらう薬はあまり効き目がないようで、2週間飲ませても状態が好転しません。大学病院は主治医から紹介されたので、主治医が大学病院に診断結果や薬の種類などを詳しく聞いてくださるということでしたが、なかなか聞いてもらえず、効果のある薬を出してもらえません。リウマチは治る見込みがないのでしょうか。症状が出たのは昨年の8月頃ですが、大好きな散歩の量が減っていき、立ち止まって動かなくなることが多くなりました。 膝蓋骨脱臼も認められるということで、これからどうしていくべきか悩んでいます。 犬にも痛みの自覚はあるはずとのことですが、少しでもよくなるように、飼い主として何かできることがあるでしょうか。(M.ダックスフンド/3歳♀ 埼玉県/K.K)
25)A

リウマチと診断されたということですが、おそらく関節リウマチのことをいっているのでしょう。これは難病のひとつです。薬の効き目ですが、同じ薬でも、初期の1〜2週間は効いても、その後は効かなくなることがしばしばあります。主な理由は、長期間、大量にその薬を投与できないからです。

もし、どうしても最初の薬を知りたければ、大学病院に電話するか、あるいは受診を申し込み、薬の名前や処方量を聞くのがよいでしょう。そして、掛かり付けの病院に報告したらどうでしょうか。いずれにしても、リウマチは長期治療を要し、治るということはあまりないと考えなければなりません。できるだけ進行を遅らせたり、症状を抑えたりしながら、症状が消失するのを期待するしかありません。

飼い主にできることは、まず寒さに対する防御をきちんと行うことです。そして、規則正しい生活をし、運動も無理しない程度に、愛犬が動く範囲でさせるのがよいでしょう。立ち止まって動かなくなるのは、膝蓋骨脱臼と関係があるかもしれません。これは手術等によって治りますので、別の問題と考えてよいでしょう。また、もし痛みがあれば、鎮痛剤が必要になります。問題はどんな鎮痛剤をどれだけ使うかですので、よく動物病院の先生と相談なさるのがよいでしょう。
26)Q走りまくり逃げてしまいます。しつけ方を教えてください。
一緒に生活しているロゴくんは、ふだんは特に問題のないよい子なのですが、時々びっくりするようなことをしでかしてくれます。近くのグラウンドでボール遊びをするのですが、ピーピー音のする軟らかいボールを、今までに10回以上飲み込んでしまいました。運良く、ウンチと一緒に出てきましたが。しかし、先日食べてしまったイチゴ形のオモチャは、3週間近くたっているのにまだ出てきません。ロゴはすごく元気で、よく食べよく遊び、これまでと少しも変わりません。空気が抜けているとレントゲンに写らないと聞きましたが、どうしてよいか困っています。 しつけの問題かもしれませんが、ボールを飲み込んでしまうことに関しては、叱るタイミングがどうしてもうまくいきません。私をせせら笑うように、走りまくり逃げてしまいます。しつけ方を教えてください。(ラブラドール.R/♂ 大阪府/N.H)
26)A
年齢が書いてありませんが、おそらく3〜4カ月前後と思われます。この時期には、きちんとしたしつけが必要です。詳しいしつけ法についてはいろいろな本がありますので、参考にしてください。できれば訓練を受けさせ、このような事故が起こらないようにしつけてもらうのがよい方法でしょう。一般的には、ボールを飲み込まないためには、ボール遊びをさせないことです。ボール遊びを始めて、ボールを飲み込んでから叱っても、効果はありません。ある行為をやめさせたいときは、動物がその行為を行う直前に、制御することが大切です。たとえば、その行為をしようとしたら、スワレといって、その行為をさせないような訓練が必要です。そうしなければ、今後何度でも繰り返すでしょう。

飲み込んだボールについては、直後ならば、スプーン3杯くらいの塩を飲ませ、その後に水をたくさん飲ませることによって、吐かせることができる場合もあります。しかし、1〜2時間以上たっていると、難しいでしょう。現在はまだ症状が出ていないということですが、もし下痢や嘔吐などの症状が出たら、すぐに動物病院で調べてもらうとよいでしょう。レントゲン撮影をした場合でも、食べ物が一緒に入っていれば、異物を見つけること難しいでしょう。どうしても見つけたければ、絶食時にバリウム造影をすればわかりますが、現在健康であればどうしても必要な検査というわけではありません。大事なことは、ボールが出てくるか、いつも便を気をつけて調べることです。
27)Q時々尿に混ざるものが何であるのか判明せず、不安です。
8歳になるシー・ズーですが、3年前に子宮蓄膿症になり、手術をしました。その際に、ヘルニア(出ベソ)の手術もしたのですが、最近になってまた少し出ベソに なりました。1年ほど前から時々ですが、尿に何か混ざります。トイレシーツにポツンと点のような痕が残っており、時には色が赤いこともあります。病院で診察してい ただいたのですが、尿検査では血尿も認められず、「心配ないと思う」と言われました。しかし、時々尿に混ざるものが何であるのか判明せず、不安です。元気で食欲もりますが、何もしなくても大丈夫なのでしょうか?(シー・ズー/8歳/♀ 福島県/H.H)
27)A
現在は、卵巣と子宮の全摘出手術が獣医学的に最も正しい避妊手術の方法とされています。まれに変法として、子宮だけをや卵巣だけを摘出するという方法もあります。これら変法の1つ、たとえば卵巣だけをとって子宮を残す方法の一番の欠点は、将来、子宮蓄膿症などの病気にかかる可能性が高いことです。避妊手術を行う目的には 、そのような子宮の病気を防ぐこともあるのですから、子宮を残す場合はその目的を果たすことができません。また、もし手術で卵巣の一部が残ってしまうと、時間がたつにつれて徐々に卵巣が再生し、手術前とまったく同じように発情徴候が出たりしますので、避妊手術の意味がなくなります。

数十年前には卵巣だけ摘出する方法が行われていたようですが、現在は動物病院の99%以上は卵巣と子宮の摘出手術をしていると思います。卵巣だけ摘出する方法は、手術も簡単で、その分料金も安いという利点はあるでしょうが、欠点の方が大きいといえます。

また、卵巣を残して子宮だけをとることもあるでしょう。自然の本能を残したいという考えから、そのような変法を選ぶのかもしれません。それは個人の動物に対する考え方の問題でしょう。したがって、あなたの愛犬にも、卵巣と子宮の摘出手術をお勧めします。主治医の先生に今後もかかる場合は、卵巣と子宮を摘出してくださいとお願いすればいいのです。いずれにしても、前の犬はなぜ卵巣だけとったのか、もう一度聞いてみるとよいでしょう。
28)Q:同じような虚弱体質の仔犬が生まれる可能性はあるのでしょうか?
5カ月になるマルチーズのオスですが、生後約2カ月でわが家に来た次の日から、食欲不振と激しい下痢が続き、ずっと病院通いです。超虚弱体質と診断され、気長に構えるしかないと言われています。症状は徐々に安定し、体重も増え始めていますが、処方薬を手放すことはできないし、少しでも疲れさせると、途端に食べなくなるので、まだまだ注意が必要です。ところで、この子が今後順調に成長していくとして、繁殖させても大丈夫でしょうか。あるいは去勢した方が、この子のためにはいいでしょうか。もし繁殖させた場合、この子のような虚弱体質の仔犬が生まれる可能性があるでしょうか? また、これから一生を健康に暮らしていくには、どのような注意が必要でしょうか。(マルチーズ/5カ月/♂ 埼玉県/C.I)
28)A
結論としては、愛犬がこれから健康に暮らしていくことができるかどうかは、獣医師の診断能力にかかっているといえます。お話の経過から、まず疑うのことのできるのは、先天的な心臓の奇形あるいは腹部の奇形でしょう。先天的な心奇形をもつ犬は、150〜200頭に1頭くらいの割合で生まれます。愛犬の場合、同胎犬やほかのマルチーズに比べて体重が少なめということですので、ますます心奇形を疑うことができるでしょう。できれば、心臓の部分(前肢の付け根の後ろの胸の部分)を両手でさわってみてください。何かドキドキ拍動するようなら、心奇形が疑われます。これまで心臓の検査を受けたかどうかわかりませんが、より専門的な病院で心臓を中心とした検査を受けることをお勧めします。

いずれにしても、虚弱体質であることは間違いないようですから、繁殖はさせないほうがよいでしょう。オスはメスよりも避妊手術が比較的安全ですから、ぜひ去勢手術をすることをお勧めします。日常生活では、高いところから落ちないようにするとか、段差のない環境で生活できるように気を付けましょう。また、虚弱体質の犬は頭のてっぺん(泉門)に大きな穴があいているケースがあります。その部分をぶつけると意識を失うこともありますので、気を付けてください。そして、毎日の食事の量と排泄する便の量に注意しましょう。もちろん、伝染病やフィラリアなど、予防できる病気はワクチンや薬で予防することが大切です。
29)Q:大型犬にて、食事の量について悩んでいます。
5カ月半のバーニーズ・マウンテン・ドッグに現在与えているドッグフードは2〜4カ月と5〜12カ月の2つに分けられ、それぞれ体重別で量を決めるように表示されていますが、5カ月の方が量がかなり少なめに表示され、その通りに与えると少なすぎるように思います。しかし、大型犬なので、与えすぎて骨に異常が出ても困るので悩んでいます。現在は、2〜4カ月の犬に与える量より多めの量を食べています。それでも足りないらしく、人間が食べているのを見ておねだりをします。お腹をこわすことはありません。人間の食べ物も与えてはいません。このまま多めに与えても大丈夫でしょうか。体重は20k(表示に従って与えると335g、2〜4カ月を基準にすると505gですが、1日に530gくらい食べています。(バーニーズ・マウンテン・ドッグ/5カ月半/♀ 大阪府/K.S)
29)A
原則として食事の量は、それぞれのフードの表示を守ることが望ましいでしょう。愛犬の場合、食事を少し与えすぎのようです。つまり、カロリーが少し多いわけです。もし、愛犬の運動量が通常より多めであれば、普通より多くカロリーを摂取しても消費できます。しかし、実際には運動量でカロリーを消費することは並大抵ではありません。あなたの愛犬は、標準量の食事を与えて満足しないということです。この場合、きちんとしつけをして、欲しがっても与えないようにすることも方法の1つです。

もう1つの方法は、カロリーを増やさずに、満足感を与えることです。それは野菜を与えることです。野菜にはカロリーがほとんどありませんが、ある程度の量を食べればお腹はいっぱいになります。いろいろな野菜を軽く煮たり焼いたりして、与えてみてください。ただし、食事について最も大事なことは、与えた量の食事がきちんと消化されて排泄されているかどうかということです。もし少し軟らかめでしたら、食事の量が多いと考えてください。ですから、常に便を見て、食事の量を調節するとよいでしょう。そして、規則正しい生活を心がけてください。
30)Q:愛犬が椎間板ヘルニアになりました。
愛犬が椎間板ヘルニアになりました。神経にさわると、右脚に激痛が走るようです。手術をすると、9割の確率で下半身マヒになると言われました。そうなったときの介護の仕方などを教えてください。(シャーペー/6歳/♀ 宮城県/S.H)
30)A
シャーペーは椎間板ヘルニアにかかりやすい犬種です。まずあなたの愛犬の場合、本当に椎間板ヘルニアであるかどうかを調べる必要があるようです。手術をすると9割の確率で下半身が麻痺するといわれたそうですが、それは何かの間違いでしょう。現代の医学においては、手術ができる病院であれば手術をし、そのほかに内科療法を併用するのが最もよい治療法とされています。

また、状態によっては、内科療法だけでもある程度治すことができます。その場合も、正しい手術をすれば治る確率はより高くなります。たとえば、内科療法のみの場合、椎間板ヘルニアが一時的にでも治る確率が5割だとすれば、手術を行った場合は8割の確率で回復するでしょう。

主治医の先生が、椎間板ヘルニアの手術で治すことが難しいといわれたとしたら、あまり手術経験が豊富ではないことも考えられますので、より専門的な病院で診察してもらうとよいでしょう。もし下半身が麻痺した場合、看護は並大抵のものではありません。もし尿と便を自分でできなければ、生きていくことも難しくなります。

介護の方法としては車椅子を使うなどいろいろありますが、後脚がこすれて褥創(床ずれ)になることがあります。そのような場合は、柔らかいところに置いたりします。リハビリとしては、水深の浅い場所で泳がすことが最もよいのですが、なかなか難しいと思います。介護の方法は、専門的な先生に聞かれるのがよいでしょう。