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all words by Dr.NORIHIRO KOMIYAMA

ビジョン・フリーゼ
Bishon Frise

好発疾病
頭部の病気
呼吸器の病気
眼の病気
歯の病気
血液の病気
皮膚の病気
心臓・循環器の病気
神経系の病気
腫瘍性の病気
その他の病気

年齢別まとめ表
頭部の病気
環軸亜脱臼 頚椎の第1と第2の関係が悪く、頭の位置をうまく保つことが出来ません。歯突起の骨折や欠損の場合も、同じ状態になります。首を無理に下げると危険です。
膝蓋骨の脱臼 膝のお皿に相当する骨が内側に滑り落ちる状態になり、ひどくなると慢性的に痛み、跛行を呈します。
レッグ・ぺルテス・
パーセス病
大腿骨の骨頭が壊死し、跛行を呈します。反対の後肢にも30%ぐらい発症します。治療は外科手術で骨頭を切除すれば治ります。
呼吸器の病気
気管虚脱 気管がつぶれた状態になり、呼吸困難を起こす病気です。
鼻腔狭窄 鼻の孔が先天的に狭いため、少し興奮すると呼吸困難が起こります。
軟口蓋伸長症 喉のひだが伸びてきて、だんだん「いびき」がひどくなってきます。重症になると、呼吸するたびに「ぜいぜい」するようになり、呼吸困難となります。
扁桃腺の肥大 扁桃腺が腫れて、呼吸をしずらくさせます。呼吸回数と関係があります。
眼の病気
瞬膜の肥大
(第3眼瞼の脱出)
眼の下側の内側にある瞬膜(ワイパーの役目をする)が腫れて、眼に出来物ができたように見えます。
睫毛重生 まつげが二列に生え、眼に入り、涙がでます。
流涙症 俗に言う「涙やけ」で涙管が閉鎖してしまうため、涙の管を通らずに、外に涙があふれ出します。産まれつき涙管がない場合、細い場合、ただ単に詰まった場合等があります。
小眼症 産まれつき眼が小さくなって産まれてきます。涙の産生が少なくなる傾向にあり、眼が乾燥することがあります。ときには手術をして眼を大きくすることがあります。
慢性結膜炎 結膜の表面に黄緑色の膜がかかります。免疫が関与していると言われています。全身症状として、皮膚・粘膜の潰瘍化と蛋白尿を伴います。
涙管異常症 涙管が欠損していたり、位置が違っていたり、狭かったりする病気です。
老齢性白内障 加齢によって、水晶体が濁ってきます。眼がだんだん見えなくなります。
歯の病気
歯石・歯垢の蓄積 歯が茶色く変色し、ひどくなると悪臭を生じます。そのころには細菌感染を起こし、その毒物を飲み込むことにより、全身に悪影響を与えます。
乳歯遺残 乳歯と永久歯が入れ代わるときに乳歯が残ってしまい、歯並びが悪くなることがあります。歯石や歯肉炎の原因になるので、早めに治療する必要があります。
不正咬合 これは噛み合わせの問題で、アンダーショットやオバーショットなどと呼ばれるもので、ほとんどは先天的な問題です。これらの問題を持つ場合には繁殖には適しません。
歯肉炎 これは歯石、歯垢の蓄積が原因で、歯と歯肉の間に炎症が起こり、赤くなります。
血液の病気
血友病 B 第IX因子の欠乏(クリスマス病)が原因で、血液を凝固させる因子が先天的に不足するため、外傷等による出血が止まりにくくなる病気です。
自己免疫性
溶血性貧血
発熱を伴う溶血性貧血で、貧血や脾臓の拡大が認められます。雌が罹りやすく、血小板減少症(歯肉の点状出血)を伴うこともあります。
免疫介在性
血小板減少症
血小板が少なくなり、皮膚に点状の出血が起こります。軽い刺激でも出血するなどの異常が起こります。
皮膚の病気
アレルギー性
皮膚炎
ノミ、アトピー、食餌や接触が原因で起こるアレルギーで、その原因によって治療は異なりますが、さまざまの程度で激しく痒がります。
食餌アレルギー 食事が原因で起こるアレルギー性皮膚炎で、主に顔面が腫れることが多く、季節性はありません。アレルギーのない食事にすると治りますが、なかなかむずかしい病気です。
外耳炎 耳が垂れているために、炎症が起こりやすく、激しく痒がったり、耳の中が赤くなったりします。いろいろな病気の症状として現れます。
甲状腺機能
低下症
中年齢以上で性別に関係なく発生しますが、この犬種では特に多いと言われています。皮膚病が治りにくくなり、被毛に光沢がなくなり脱毛しやすくなります。
毛包虫症 幼犬に多発する寄生虫による皮膚炎で、頭部から発生し次第に全身に広がります。脱毛、皮膚の肥厚、乾燥がみられます。重症では全身膿皮症になり、治療が難しくなります。
円盤状紅斑性狼瘡 鼻や口や目の周りに好発します。自己免疫性の皮膚病で、鼻部の色素沈着の低下、発赤、潰瘍などが起こります。
落葉状天疱瘡 主に顔面が侵される自己免疫性の皮膚病で、発赤、潰瘍などが起こります。
心臓・循環器の病気
動脈管開存症 先天的な心奇形により、通常は子犬のころから咳、運動不耐性、呼吸困難、失神などの症状が慢性的に認められます。
僧帽弁閉鎖不全 老齢になると起こりやすい心臓の僧帽弁の障害で、咳や呼吸困難などの症状が慢性的に認められます。小型犬に多発する傾向があります。
三尖弁閉鎖不全 老齢になると起こりやすい心臓の三尖弁の障害で、僧帽弁閉鎖不全とほとんど同時に起こる傾向があります。咳や呼吸困難などの症状が慢性的に認められます。小型犬に多発する傾向があります。
神経系の病気
ホワイトシェイカー
ドッグ症候群
白い犬が侵されやすい傾向にあり、四肢を震わす病気です。
特発性てんかん 6〜24か月齢で発症しやすく、急に発作を起こし、最初は短い時間で回復しますが、徐々に長い発作が頻繁に起こるようになります。
部分的てんかん 何もないのに、何かを噛むような動作を続けて行います。
先天性前庭疾患 先天的な障害により、歩き方や、姿勢に異常が生じます。首を傾けたままになる(斜頚)ことが特徴です。
腫瘍性の病気
乳腺腫瘍 雌では2.5才以下に避妊すれば、乳腺腫瘍の発生率が低くなることがわかっています。また、子宮蓄膿症などの病気も防ぐことができます。
皮膚腫瘍 基底細胞腫、皮脂腺過形成、毛母腫、皮内角化上皮腫等が認められます。
その他の病気
停留睾丸 片側、または両側の睾丸が生後一ヶ月以上たっても陰嚢の中に認められない疾患です。繁殖には適しません。
臍ヘルニア おへそが膨らみ、外から触ると内に入ります。多くは先天的です。
鼠径ヘルニア 内股が膨らみ、外から触ると内に入ります。多くは先天的です。
免疫機能低下症 産まれつき免疫の機能が低下して、いろいろな病気に対する抵抗力がなくなり、皮膚病、細菌感染、ウイルス感染等に対して罹りやすくなったり、治りにくくなる状態を言います。
リン酸
マグネシュム・
アンモニウム
雌が80%以上で、2〜8才以下で発症します。血清には影響は見られませんが、尿の培養で、ウレアーゼ産生細菌が認められます。
肥満 この犬種は、肥満傾向があります。食事の与えすぎに注意しましょう。

これらの疾患を年齢別にまとめると次のようになります
3ヶ月 6ヶ月 4-5才 6才以上
環軸亜脱臼        
膝蓋骨の脱臼      
レッグ・ぺルテス・
パーセス病
       
先天的肘脱臼      
気管虚脱    
鼻腔狭窄        
軟口蓋伸長症    
扁桃腺の肥大  
瞬膜の肥大
(第3眼瞼の脱出)
   
睫毛重生      
流涙症      
病気の名前      
3ヶ月 6ヶ月 4-5才 6才以上
慢性結膜炎      
涙管異常症        
老齢性白内障      
歯石・歯垢の蓄積      
乳歯遺残    
不正咬合      
歯肉炎        
血友病 B      
自己免疫性
溶血性貧血
   
免疫介在性
血小板減少症
     
血小板減少症    
アレルギー性皮膚炎    
3ヶ月 6ヶ月 4-5才 6才以上
食餌アレルギー        
外耳炎      
甲状腺機能低下症      
毛包虫症      
円盤状紅斑性狼瘡        
落葉状天疱瘡        
動脈管開存症      
僧帽弁閉鎖不全    
三尖弁閉鎖不全    
ホワイトシェイカー
ドッグ症候群
       
特発性てんかん      
部分的てんかん      
先天性前庭疾患        
3ヶ月 6ヶ月 4-5才 6才以上
乳腺腫瘍      
皮膚腫瘍        
停留睾丸      
臍ヘルニア      
鼠径ヘルニア      
免疫機能低下症      
リン酸マグネシュム・
アンモニウム
       
肥満        
異所性尿管      
尿石症