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all words by Dr.NORIHIRO KOMIYAMA

猫の反応性口内炎

どのような病気ですか?
その原因は何ですか?
難治性の反応性口内炎の治療法

■どのような病気ですか?
1) 口の中を良く見ると、赤く腫れているのがわかります。
2) 通常は中年以降に発症します。
3) 少し治ったかなと思うと再発し、また治療を繰返します。
4) 軽症の場合はステロイド剤で治療すると治まります。
5) 口が臭くまた通常、歯石が付着しています。

猫の口内炎は、とても不幸な病気です。なぜなら口内部が悪くて、なにかを食べる時の痛みのために、食事が喉を通らないわけです。口の中を良く見ると、後歯の奥の両側が、赤く腫れているのがわかります。また口が臭く通常、歯石が付着しています。通常は中年以降に発症します。この病気はその病気の程度にもよりますが、軽症の場合はステロイド剤で治療すると治まります。しかし中等度から重度の例では、慢性的でステロイド剤で治療しても一時的で、少し治ったかなと思うと再発し、また治療を繰返すと言うことになります。
■その原因は何ですか?
この病気は以下のいろいろな要因が複雑に重なりあって起こります。

1) 歯石の蓄積が問題
2) 免疫の反応の問題
3) 遺伝性の問題
4) 栄養性の問題
5) ホルモン性の問題
6) ウイルス感染の存在
7) 腫瘍性の問題
8) 代謝性の問題

やはりまず考えられる理由は、歯石の蓄積の問題です。口腔内が不潔になるために、細菌やウイルスが、発症しやすくなる環境となるのです。ですから定期的に飼い主の方が歯磨きをするか、病院で歯石を除去してもらうか、します。しかし根本的な問題と考えられているのが、免疫の反応の問題です。
■難治性の反応性口内炎の治療法
1) 唯一近い治療法と言うのが抜歯療法です。
2) 残った歯の歯石を取り除きます。
3) それと共にステロイド療法を行います。
4) それと共にホルモン療法が組合せられます。

いままでは、一般的に根本的な治療法はないと考えられていましたが、近年になって根本的な治療法に唯一近い治療法と言うのが抜歯療法と判明しました。この反応性の口内炎は、歯そのものが異物として反応しますので、その歯そのものを除いてしまうと言うものです。前歯と犬歯以外の歯は全部抜歯します。残った歯の歯石を、取り除きます。まれに症状がとても重度の場合は、犬歯も抜歯します。

それと共にステロイド療法や、ホルモン療法が組合せられます。病理学的に調べると通常、リンパ球性プラズマ細胞性口内炎と診断されることが一番多いようです。再発性の口内炎にお悩みの方は、一度この治療を考えるとよいでしょう。猫は歯が無くても、家庭で飼育されている猫でしたら、生活に支障はありません。