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all words by Dr.NORIHIRO KOMIYAMA

Dr. 小宮山の伴侶動物へのやさしい(優しい)獣医学
最も実践的な獣医療のために

犬&猫の発作の診断と治療

診断の方法
病歴の聴取
特徴
身体検査
特徴とは何か?
種類
年齢
性別
特徴
年齢
先天的/後天的
変性性/腫瘍性
品種特発性
小型犬か大型犬
性別
腫瘍
身体検査
・頭部(外傷、頭丁、粘膜、眼底)
・心臓(触診、聴診)
・腹部(肝、腎、前立腺、腫瘍、乳腺、直腸)

Q.あなたの予想する診断は?
症例1 痙攣発作
ミニチュア・シュナウザー
8ヶ月の雄、体が小さい
運動後の発作、普段は元気
症例2 痙攣発作
ビーグルの雄の6ヶ月
頭部が大きく見える
歩様がおかしい
症例3 痙攣発作
歩様もおかしい
シーズーの4ヶ月の雌
間歇的に下痢
腹水、比較的小さい
症例4 痙攣発作
パグの雌の1歳令
沈鬱、頭部を押し付ける
盲目、頚部の知覚が過敏
症例5 痙攣発作
マルチーズの雌の5歳
お産後の7日目
4頭を受乳中
症例6 痙攣発作
ノミ取り首輪を操着
ノミ取りシャンプーした後に起こる
症例7 痙攣発作
雑種の4ヶ月の雄
ワクチン未接種、涙目
過去に嘔吐、鼻汁あり
症例8 痙攣発作
シャム猫の11歳の雌
数年前より乳腺腫瘍を認める
症例9 痙攣発作
2歳のプードルの雌
前兆あり、発作は5分間
見当識障害あり
症例10 痙攣発作
ベアデット・コリー
4歳の雌
嘔吐、食欲不振
症例11 痙攣発作
プードルの雌の8歳
食欲不振、嗜眠、嘔吐
体重減少、全身的な震え
白内障あり、低血糖あり
症例12 痙攣発作
猫の雄、8歳
ときどき神経学的障害あり
両側の乳頭に浮腫がある
A.「あなたの予想する診断は?」の答え

症例 1→洞疾患症候群(SSS)
症例 2→水頭症
症例 3→先天的門脈大静脈短絡
症例 4→髄膜炎
症例 5→産褥テタニー(Ca↓)
症例 6→有機リン中毒
症例 7→ジステンパー
症例 8→乳腺腫瘍の脳への転移
症例 9→癲癇発作
症例10→アジソン病
症例11→インスリノーマ
症例12→脳腫瘍(髄膜腫?)

正解の3問以下は不可、5問普通、7問良好、
9問以上優良、10問以上専門医?


発作の発症率は?
犬→5%
猫→1%
鑑別診断
痙攣
卒倒
癲癇
発作
失神
痙攣
反復する急激な不随意的である筋肉の収攣。
発作
痙攣より広い概念。癲癇は発作に入る。
発作の原因
頭蓋内 × 頭蓋外
進行性 × 非進行性
単発性 × 再発性
診断的手ががり
頭蓋外性 中毒、低血糖、寄生虫
頭蓋内性 脳腫瘍、脳炎(脳感染)、癲癇
診断的手ががり
胆汁酸の測定(食前と食後)
アンモニアの血中濃度
診断的手ががり
猫は、FeLV、FIV、FIPの測定
診断法
病歴の聴取→発作のタイプ
             ↓
 発作の時期←発症の時期
診断法
身体検査
  ↓
神経学的検査
  ↓
MDB  CBC→血糖値(24h)
血清生化学検査  心電図
X線撮影検査
3方向(LL、RL、VD)
腫瘍? 感染?
品種特発性
癲癇の素因犬
プードルとビーグル
セントバーナード
シェパード
発作の特徴
一時的な硬直
意識消失
排尿
脱糞
流涎
発作
全身性(大発作)
VS
局所的(焦点)
発作後の特徴
回復→前兆と同じ
失神 vs 癲癇

前兆なし(運動後)
発作は数秒で短い
発作後すぐに直る

前兆あり
発作は長い
すぐに直らない
Magic Formula(魔法の法則)
異常点の確認
病気の分類
特定の病気
病的異常
癲癇
真性癲癇
症候性癲癇
本態性
脳又は全身の障害
遺伝性
真性癲癇
特発性痙攣
脳水腫
門脈系の異常
症候性癲癇
ウイルス感染
脳腫瘍
トキソプラズマ感染
外傷
症候性癲癇
寄生虫感染
低血糖
低カルシウム血症
一酸化炭素中毒
症候性癲癇
有機リン中毒
鉛中毒
エチレングリコール中毒
サイアミン欠乏症
症候性癲癇
インスリン分泌過多症
肝臓障害
破傷風
低ナトリウム血症
治療法
急性 治療を優先
慢性 診断を優先
発作の治療
できるだけ早く治療を開始
発作の治療
1/3 治療可能
1/3 だいたい治療
1/3 むずかしい
治療の総論
フェノバール ジアゼパム
プリミドン フェノバール
臭化カリウム 臭化カリウム
猫の場合(1)
ジアセパム
ジアセパム0.2〜0.3mg/kg
8時間間隔で投与する。
1日2〜3回に分割。
最近は肝障害の報告あり。
定期的な検査が必要。
猫の場合(2)
ジアセパムが効果がない場合
フェノバール

フェノバールを初回は1.0mg/kgから始める。
嗜眠・沈鬱となることあり。
以前より肝障害の報告あり。
定期的な検査が必要。
猫の場合(3)
臭化カリウム 20mg/kg
1日2回で経口投与を始める。
沈鬱の場合はフェノバールを2〜3日ごとに10%ずつ減量
犬の場合(1)
フェノバールを初回は1〜2mg/kgで経口投与を始める。
コントロールできて、嗜眠・沈鬱の場合は10〜20%減量する。
犬の場合(2)
まだ発作がある場合はフェバールを
1mg/kgを12時間ごとに増加する
犬の場合(3)
プリミドン又は臭化カリウム
臭化カリウム 20mg/kg
1日2回で経口投与を始める。
嘔吐防止のため、食事と共にバルビタール麻酔(単独)は使用せず。
身体の痙攣は止めるが、脳の痙攣は働きは止めない。
発作の治療
コントロールには6ヶ月が必要と、あらかじめ飼主に告げておくこと
発作の治療
ジフェニール・ヒダントイン
(ダイランチン)は使用せず
フェノバール
1〜2mg/kg、1日2回
最大1日量18〜20mg/kg
1日2〜3回に分割。
最低6ヶ月は続ける。
フェノバールの副作用
食欲亢進
頻尿
嗜眠
効果がでるまで2〜3週間かかる
フェノバールの血中濃度
血清値 15〜40μg/ml
理想値 20〜30μg/ml
安定するのに7〜10日
投与直前に採血
フェノバールの血中濃度
20μg/ml以下の場合
20μg/ml以下の場合 0.25〜0.5mg/kg増量する
30μg/kml以上の場合 20〜30μg/mlまで減量する
フェノバール
中毒性(肝臓、骨髄)
鎮静
安価
プリミドン(肝毒性あり)
80%肝臓でフェノバールとなる
犬→10〜15mg/kg、1日2回
猫→使用せず
ジアセパム
血中濃度 200〜500ng/ml
犬は数週間で消失
点滴療法 ソルラクトに0.1(最高0.5まで)mg/kg/Hrで始める
減量は1Hrごとに10%減量する。
臭化カリウム
20〜60mg/kg、1日1〜2回に分割。
食事と伴に。
人間には毒性。
メカニズムは不明。
臭化カリウムの副作用
嘔吐、下痢、鎮静
フェノバールの投与量を減少できる
肝障害の場合に最適の適応となる
臭化カリウム
1〜4ヶ月で効果が発揮
1ヶ月後に血清レベルを測定
1000〜1500μg/ml
臭化カリウムの作り方
臭化カリウム 125g
500mg(ml)
1ml=250mg/ml
重積発作や昏睡状態の動物のアプローチ(1)
ジアセパム
ジアセパム0.5〜1.0mg/kg静注から始める。
12時間おき。
ジアセパムで効果がなければ
重積発作や昏睡状態の動物のアプローチ(2)
フェノバール
フェノバール 5mg/kgで始めて
最高20mg/kgまで30〜60分
おきに4回静注する。
重積発作や昏睡状態の動物のアプローチ(3)
ジアセパムやフェノバールが効果ない場合は
ペントバルビタールを使用。
ペントバルビタール 2〜20mg/kgを静注する。
重積発作や昏睡状態の動物のアプローチ(4)
ペントバルビタール麻酔は最低限6時間以上が必要。
その後は維持量のフェノバールが必要となる。