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all words by Dr.NORIHIRO KOMIYAMA

飼い主自身で行う皮下輸液の方法(輸液セット-延長チューブ付き)

まず皮下輸液を行う前に、セットが揃っているか確認して下さい。

消毒用70%アルコール
綿花(脱脂綿)
輸液剤(例えば、ソルデムTまたはハルゼン等・・・)

注射器(シリンジ)
延長チューブ
21Gの針
比較的太い針(例えば、21G、18Gの針など・・・)
注射器に針をしっかりはずれないように付けます。 輸液剤のゴムの部分にアルコールを湿らした綿花で消毒します。 この部分には3つの穴があります。 そのうち1つの穴(どの穴でも良いです)に 針を刺して、注射器内に輸液剤を吸います。
袋を開けますと、両端にキャップの付いた延長チューブが入っています。先ほど注射器に付けた針を取り、このチューブに付けかえます。
延長チューブの大きいほうのキャップを取り、そこに注射器を付けます。そして反対側の小さいほうのキャップも取り、比較的太い針のほうを取り付けます。
使い始め(袋から取り出した時のみです)は、チューブの中に入っている空気を押し出すため、液体を通して下さい。
次は針です。皮下針は皮膚に刺しやすいように斜めになっています。
アルコールで湿らした綿花で皮膚を消毒して、針を刺します。注射器をゆっくりと押しながら、背中に輸液を開始します。定められた量の輸液が終わったら、針を抜きます。針を抜いた後、針を刺した部分を少し押さえて下さい。この理由は、針を刺した部分から液体が漏れ出ることがあるからです。
・もし、背中への液体の入りが悪い場合には、背中に刺した針先を軽く左右に動かしてあげるとよいでしょう。
・輸液を行うときには、動物はテーブルなどにのせて行うか、落ち着かせた状態で行いましょう。
・輸液剤はハンガーなどどこかに吊るして行うとよいでしょう。
・針は輸液を行うたびにかえて使用して下さい。
・できれば、輸液剤はご使用の前にお湯(30℃)に3−5分程(ときどき動かす)浸して暖めてから使用するとよいでしょう。
・ご使用の前後に、輸液剤のゴムの部分は消毒して下さい。
・保存は、安全な場所(いたずらを避ける)および冷所(冷蔵庫にても可、しかしその際は輸液剤は暖めてからご使用下さい。)にて、袋か容器に入れて保存して下さい。
・各々の針は一度使用したら、使い捨てです。これらは医療廃棄物となりますので、 必ずご使用後は病院へお戻し下さい。
・もし判らないこと、御質問がありましたら、診療時間内にお尋ねください。