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all words by Dr.NORIHIRO KOMIYAMA

ヨークシャー・テリア
YorkShire Terrier

好発疾病
頭部の病気
骨の病気
呼吸器の病気
眼の病気
歯の病気
心臓・循環器の病気
消化器の病気
皮膚の病気
神経系の病気
産科の病気
泌尿器の病気
その他の病気

年齢別まとめ表
頭部の病気
環軸亜脱臼 頚椎の第1と第2の関係が悪く、頭の位置をうまく保つことが出来ません。歯突起の骨折や欠損、靭帯の断裂により起こります。頸部の神経が圧迫され、前肢および後肢の不全麻痺が認められます。首を無理に下げると危険です。
水頭症 先天的な場合と後天的な場合があります。頭に水が溜まってしまい、運動失調等が現れ、これがひどくなるとてんかん様発作などの様々な症状がでます。
後頭骨形成不全 うまく歩けなくなり、運動障害も現れ、これがひどくなるとてんかん様発作などの様々な症状がでます。なかなか診断もやっかいな病気です。
歯突起の欠損 首の後方にある歯突起が、産まれつき欠損する病気で、ふらふら歩いたりするなどの運動障害が現れ、これがひどくなるとてんかん様発作などの様々な症状がでます。
骨の病気
膝蓋骨の脱臼 膝のお皿に相当する骨が内側に滑り落ちる状態になり、ひどくなると慢性的に痛み、跛行を呈します。
レッグ・ペルベス・
パーセス病
大腿骨の骨頭が壊死し、跛行を呈します。反対の後肢にも30%ぐらい発症します。治療は外科手術で骨頭を切除すれば治ります。
呼吸器の病気
気管虚脱 気管がつぶれた状態になる病気です。
軟口蓋伸長症 喉のひだが伸びてきて、だんだん「いびき」がひどくなってきます。重症となると、呼吸するたびに「ぜいぜい」するようになり呼吸困難となります。
気管支形成不全 先天的な病気で、気管支が細く硬くなります。いびきのような声を発し、ひどくなると呼吸困難を起こします。
眼の病気
流涙症 俗に言う「涙やけ」で涙管が閉鎖してしまうため、涙の管を通らずに、外に涙があふれ出します。産まれつき涙管がない場合、細い場合、ただ単に詰まった場合等があります。
睫毛重生 まつげが二列に生えます。眼にまつ毛が入るため、涙がでたり、目に傷がついたりします。
乾性角結膜炎 涙の分泌が先天的に障害されるために、眼がいつも乾燥し、眼やにがたまります。
歯の病気
歯石・歯垢の蓄積 歯が茶色く変色し、ひどくなると悪臭を生じます。そのころには細菌感染を起こし、その毒物を飲み込むことにより、全身に悪影響を与えます。
歯肉炎 これは歯石、歯垢の蓄積が原因で、歯と歯肉の間に炎症が起こり、赤くなります。
乳歯遺残 乳歯と永久歯が入れ代わるときに乳歯が残ってしまい、歯並びが悪くなることがあります。歯石や歯肉炎の原因になるので、早めに治療する必要があります。
心臓・循環器の病気
動脈管開存症 先天的な心奇形により、通常は子犬のころから咳、運動不耐性、呼吸困難、失神などの症状が慢性的に認められます。
僧帽弁閉鎖不全 老齢になると、非常にしばしば起こる心臓の弁膜障害です。運動により、咳や呼吸困難などの症状が慢性的に認められます。
三尖弁閉鎖不全 老齢になると起こりやすい心臓の三尖弁の障害で、僧帽弁閉鎖不全とほとんど同時に起こる傾向があります。咳や呼吸困難などの症状が慢性的に認められます。小型犬に多発する傾向があります。
消化器の病気
嘔吐と下痢 他のトイ犬種より、ヨークシャー・テリアでは生涯を通じて多いことが認められています。
脂肪肝 肝臓に脂肪が蓄積して、肝臓機能が悪くなる病気です。肥満の傾向が多い。
門脈大静脈シャント 肝臓の奇形により、多くは食後、頭がふらついたりして歩けなくなります。ひどくなると、昏睡状態になります。
皮膚の病気
アレルギー性皮膚炎 1〜3才で発生しやすく、激しく痒がります。
皮膚の腫瘍 この犬種は、皮内角化上皮腫の素因をもちます。
神経系の病気
脊柱の奇形 脊椎の部分に発症する奇形で、症状はその程度によってさまざまです。
ホワイトシェイカー
ドッグ症候群
四肢を震わす病気で、白い犬が侵されやすい傾向にあります。
糖原病
(グリコーゲン
貯蔵病)
グリコーゲンの代謝に関与する酵素の欠損が原因です。遺伝性の疾患で、臨床症状は、進行性の全身性の筋虚弱、肝腫大、嘔吐、巨大食道症です。
産科の病気
難産 トイ犬種は体が小さいため、出産のとき難産になることがあります。陣痛が始まってもなかなか子供が生まれないようであれば、すぐに獣医師に連絡しましょう。
偽妊娠 妊娠していないのに、妊娠したときと同じような症状があらわれますが、最後にはその症状は急に消失します。
泌尿器の病気
尿石症 血尿、尿がでにくい、嘔吐、疼痛などの症状が現れ、ひどくなると尿閉をおこし、尿毒症となります。
蓚酸カルシュウム
結石
5〜12才でみられ、雄が70%です。ときどき高カルシュウム血症が認められることもあります。
リン酸カルシュウム
結石
7〜11才でみられ、雄が60%です。ときどき高カルシュウム血症が認められることもあります。
尿酸塩 雄が85%で、特に1〜4才で発症します。門脈大静脈短絡の犬はアルブミンと尿素窒素の値が低く、尿培養は陰性で、形は平滑〜円形〜卵円形です。
その他の病気
臍ヘルニア おへそが膨らみ、外から触るとでっぱっています。多くは先天的です。
鼠径ヘルニア 内股が膨らみ、外から触ると内に入ります。多くは先天的です。
低血糖症 子犬で発現しやすい疾病の一つです。急に元気がなくなって倒れたり、ひどくなるとてんかんの様な発作を起こします。
停留睾丸 片側、または両側の睾丸が生後一ヶ月以上たっても、陰嚢の中に認められない病気です。繁殖には適しません。
下垂体性矮小症 身体が小さく産まれてきます。頭の中の下垂体の病気です。
セルトリー細胞腫 睾丸にできる腫瘍で、片方の睾丸が大きくなります。いずれは去勢する必要があります。比較的、転移はまれですが転移することもあります。

これらの疾患を年齢別にまとめると次のようになります
年齢
不問
3ヶ月 1才 1-3才 4-5才 6才以上
環軸亜脱臼        
水頭症          
後頭骨形成不全          
歯突起の欠損        
膝蓋骨の脱臼        
レッグ・ペルベス・
パーセス病
         
半椎体症          
気管虚脱      
軟口蓋伸長症        
気管支形成不全          
流涙症            
睫毛重生          
乾性角結膜炎          
年齢
不問
3ヶ月 1才 1-3才 4-5才 6才以上
老齢性白内障          
歯石・歯垢の蓄積          
歯肉炎            
乳歯遺残        
動脈管開存症          
僧帽弁閉鎖不全          
三尖弁閉鎖不全          
嘔吐と下痢          
脂肪肝        
門脈大静脈シャント          
アレルギー性皮膚炎        
皮膚の腫瘍            
脊柱の奇形            
ホワイトシェイカー
ドッグ症候群
         
年齢
不問
3ヶ月 1才 1-3才 4-5才 6才以上
糖原病
(グリコーゲン
貯蔵病)
         
難産        
偽妊娠            
尿石症          
蓚酸カルシュウム
結石
           
リン酸カルシュウム
結石
           
尿酸塩            
臍ヘルニア          
鼠径ヘルニア          
低血糖症          
停留睾丸          
年齢
不問
3ヶ月 1才 1-3才 4-5才 6才以上
下垂体性矮小症        
セルトリー細胞腫          
発育異常          
多発性軟骨性外骨症          
肝性脳症          
甲状腺機能低下症          
乳腺腫瘍          
腫瘍の発生