リチャードソンジリスの飼い方と病気
リチャードソンジリスの性質について
地上のみを行動範囲としたリスの仲間で北米、中米、ユーラシア大陸、アフリカ大陸に生息。
もともと地中に巣穴を作って暮らすため、いろいろなものをかじり、掘り壊します。ある程度物が壊れることを許容してあげてください。
また、発情期には攻撃性が増すため、ハンドリングが難しくなったり、臭いが強くなることもあります。
リチャードソンジリスの食餌
完全草食なので、牧草と専用ペレットが主食です。副食として少量の野菜や果物も食べます。
リチャードソンジリスの住まい
昼行性なので、夜はうるさくない。寒暖差の少ないところにケージを置いてあげてください。穴掘り行動や砂浴びなどで汚れやすいので、掃除しやすいかどうかを考慮に入れるとよいかもしれません。
予防
鼻腔のトラブルが多いので、ケージかじり、頭突き予防を工夫するとよいでしょう。
早見表
リチャードソンジリスの体のしくみ
| 歯 | 切り場が上下2本ずつ、臼歯が18本全部で22本あります。切り場と臼歯の間には隙間(歯隙)があります。犬歯なし。切り歯は生涯伸び続けます。下あごの切り歯は可動性があります。 | 
|---|---|
| 頬袋 | 頬袋があり、植物の種子などを巣に持ち帰ります。頬には臭腺があります。 | 
| 耳 | 耳介がとても小さいため、耳が目立たない。地下にトンネルを掘るとき、耳介が小さければ土が耳に入りにくいのです。聴覚はすぐれています。 | 
| 鼻 | 地下にトンネルをつくるときに土が入らないように、鼻腔の入口を閉じることができます。鼻梁はケージの金網をかじって脱毛や擦過傷ができやすい場所です。 | 
| 目 | アーモンド形の目はプレリードックと同様に顔の上の方についています。トンネルの入り口から外の様子をうかがう時、できるだけ顔を地表に出さないようにするためです。 | 
| 尾 | 短い尾は、オスが6.5~8.8㎝、メスが5.5~8.2㎝あります。感情表現にも使われます。リチャードソンジリスの愛称「揺らめく尾」はよく動く尾に由来しています。 | 
| 被毛 | 茶褐色からグレーが買った茶褐色で、腹部はより淡い色をしています。春と秋に換毛します。冬毛の方がより明るい色をしています。 | 
| 指と爪 | 前足、後ろ足とも指は5本ずつあります。指には穴掘りに適した長く、鋭い爪が生えています。 | 
| 消化管 | 食べるもののほとんどが植物質なので、消化管は植物を食べるための仕組みを持っています。動物は植物の細胞膜セルロースが分解できません。そのため草食動物は、セルロースを分泌する酵素セルラーゼを分泌するバクテリアを盲腸に生息させ、その力を借りて植物を分解しています。繊維質は、腸の蠕動運動を活発にする役割もあります。 | 
| 排せつ物 | 便は楕円形で黒褐色、長さ1.5cm、尿はやや黄色がかった透明色。 | 
| 身体の大きさ | 体長はオスが28.3~33.7cm、メスが26.4~31.8cm。体重は野生下ではオスが440~745g(冬眠前、冬眠開けは290~500g)、メスが330~590g(冬眠前、冬眠明けは120~290g)野生のオスの体重は冬眠からさめ、メスの冬眠が終わる時期に少し増え、繁殖シーズンに入ると減少し、シーズンが終わると増加して元に戻ります。 | 
| 寿命 | 野生化では長くてもメスは6年、オスは3年ほど。飼育下では10年~12年。 | 
(成文堂新光社:ザ・プレーリードッグ&ジリスより一部抜粋)
病気
- 仮性歯牙腫
- 不正咬合
- 肺炎
- 下痢
- 脱毛
- 自咬症
- 白内障
- 腫瘍
- 拡張型心筋症
- 脊髄損傷
人獣共通
- 皮膚糸状菌症
- サル痘*
- 野兎病*
(*かなり少ない)
