自宅で出来る(在宅獣医療)
自宅で出来る、在宅獣医療とはなんですか?
この方法は飼い主の方、みずからが、獣医師の指導のもとに、 自宅で動物の治療(自身の動物のみ可能)を行う方法です。 そのためには直接、獣医師から良く説明を聞くことが重要です。
在宅獣医療にはどんなものがありますか?
当院では500mAの大型レントゲン装置を用いてX線撮影に役立てています。獣医科領域においてX線学検査は非常に重要です。X線検査によって50-80%の異常を発見することができます。
- 糖尿病のためのインスリン療法
- 皮下輸液療法
- エキゾチック・ペットの治療
- 酸素療法
- 自動輸液装置の貸し出しによる点滴療法
- 栄養チューブによる、栄養の補給
- 投薬及び、軟膏等の塗布
- 薬浴(シャンプー療法)
どんな利点がありますか?
この方法は飼い主の経済的な負担を減らし、動物も最もストレスが少ない自宅で治療できます。治療中も飼い主と動物がいっしょに生活できる点にあります。
どのような場合に行えますか?
獣医師がこの療法を行った方が良いと判断された時で、飼い主の方がこの療法を受け入れられる場合に適応となります。通常はまず動物病院にて診断及び治療し、その後自宅にての輸液療法ができるぐらいまで動物が回復した場合に、引き続き治療を自宅にて行うと言うものです。
皮下輸液療法とはどんな治療法ですか?
主に水分の補給のために行います。栄養の補給も少しは行えます。動物の場合は人間と違って比較的皮下がだぶ付いているので、その間に比較的大量の液体を入れることができます。しかしこれらの輸液療法は、原因療法(病気の元からその原因を絶つ治療)ではありません。対症療法(動物の体力を増して病気に打ち勝とうとする治療)です。多くの病気は原因療法と対症療法を組み合わせて行うのが原則です。
点滴(療法)とは違うのですか?
はい違います。点滴とは、静脈(血管)に液体を少しずつ入れる(滴下する)方法です。この方法は皮下に液体を入れる方法です。点滴は直接、血管に液体が入りますが、この方法は皮下にまず入れて、その後筋肉等を通過して、血管に入れる方法です。ゆえに動物が重篤な場合は、あまり効果がありません。
この療法を行うに当たって、なにか注意点はありませんか?
はい、まずは出来るだけ清潔な環境で、無菌的に行う必要があります。何をどれだけの量を入れるのかは獣医師の指示に従ってください。また輸液後はその針を刺した部分を少しの間軽く脱脂綿で押さえてください。これはその針穴から液体が漏れないようにするためです。またもし前回に輸液した場所にまだ液体が、たまっていれば、もう少し時間を置いて、液体がほとんどなくなるまで、輸液するのはお待ちください。そんな場合は病院にお知らせください。
この療法は全国の動物病院で受け入れ可能ですか?
現在では、まだ少数の動物病院しか導入されていません。このすばらしい療法の方法自体を、まだ多くの動物病院は知らないからです。しかし時とともに確実にこの方法は広まりつつあります。きっとあなたの近くの動物病院でもできる日は近いでしょう。あなたの努力によっても、心ある獣医師は心を開き、この療法を喜んで受け入れてくれるでしょう。
実際にこの療法の有効な状態や病気はなんでしょうか?
特に、高齢の猫に起こり易い、猫の慢性進行性腎疾患(猫の慢性腎不全)でしょう。これらの輸液療法を行うことによって、以前は毎日とか1日毎、2日毎に動物病院に通って、輸液療法を受ける必要が、ほとんどなくなるからです。定期的に週に1度とか2週間に1度の来院で多くはすむのです。そして最も重要なことは、これらの療法を受けることによって、動物の寿命が大幅に伸びることが期待できるからです。
自宅療法の各解説
飼い主自身で行う皮下輸液の方法(輸液セット-翼状針付き)
まず皮下輸液を行う前に、セットが揃っているか確認して下さい。
| 消毒用70%アルコール 綿花(脱脂綿) 輸液剤(例えば、ソルデムIまたはハルゼン等・・・) |  | 
|---|---|
| 注射器(シリンジ) |  | 
| 翼状針(基準セット8本入り) 比較的太い針(例えば、21G、18Gの針など・・・) |  | 
 
注射器に針をしっかりはずれないように付けます。まずは、輸液剤のゴムの部分にアルコールで湿らした綿花で消毒します。この部分には3つの穴があります。そのうち1つの穴(どの穴でも良いです)に針を刺して、注射器内に輸液剤を吸います。
 
袋を開けますと、ビニール製の管と針が入っています。注射器に付けた針を、今度は翼状針に付けかえます。(チューブの透明のキャップのついた部分に注射器をつなぎます。)
 
使い始め(袋から取り出した時のみです)は、チューブの中に入っている空気を押し出すため、液体を通して下さい。
 
次は針です。皮下針は皮膚に刺しやすいように斜めになっています。
 
アルコールで湿らした綿花で皮膚を消毒して、針を刺します。注射器をゆっくりと押しながら、背中に輸液を開始します。定められた量の輸液が終わったら、針を抜きます。針を抜いた後、針を刺した部分を少し押さえて下さい。この理由は、針を刺した部分から液体が漏れ出ることがあるからです。
- もし、背中への液体の入りが悪い場合には、背中に刺した針先を軽く左右に動かしてあげるとよいでしょう。
- 輸液を行うときには、動物はテーブルなどにのせて行うか、落ち着かせた状態で行いましょう。
- 輸液剤はハンガーなどどこかに吊るして行うとよいでしょう。
- 針は輸液を行うたびにかえて使用して下さい。
- できれば、輸液剤はご使用の前にお湯(30℃)に3-5分程(ときどき動かす)浸して暖めてから使用するとよいでしょう。
- ご使用の前後に、輸液剤のゴムの部分は消毒して下さい。
- 保存は、安全な場所(いたずらを避ける)および冷所(冷蔵庫にても可、しかしその際は輸液剤は暖めてからご使用下さい。)にて、袋か容器に入れて保存して下さい。
- もし判らないこと、御質問がありましたら、診療時間内にお尋ねください。
飼い主自身で行う皮下輸液の方法(輸液セット-延長チューブ付き)
まず皮下輸液を行う前に、セットが揃っているか確認して下さい。
| 消毒用70%アルコール 綿花(脱脂綿) 輸液剤(例えば、ソルデムIまたはハルゼン等・・・) |  | 
|---|---|
| 注射器(シリンジ) |  | 
| 延長チューブ 21Gの針 比較的太い針(例えば、21G、18Gの針など・・・) |  | 
 
注射器に針をしっかりはずれないように付けます。輸液剤のゴムの部分にアルコールを湿らした綿花で消毒します。この部分には3つの穴があります。そのうち1つの穴(どの穴でも良いです)に針を刺して、注射器内に輸液剤を吸います。
 
袋を開けますと、両端にキャップの付いた延長チューブが入っています。先ほど注射器に付けた針を取り、このチューブに付けかえます。
                    延長チューブの大きいほうのキャップを取り、そこに注射器を付けます。そして反対側の小さいほうのキャップも取り、比較的太い針のほうを取り付けます。
 
使い始め(袋から取り出した時のみです)は、チューブの中に入っている空気を押し出すため、液体を通して下さい。
 
次は針です。皮下針は皮膚に刺しやすいように斜めになっています。
 
アルコールで湿らした綿花で皮膚を消毒して、針を刺します。注射器をゆっくりと押しながら、背中に輸液を開始します。定められた量の輸液が終わったら、針を抜きます。針を抜いた後、針を刺した部分を少し押さえて下さい。この理由は、針を刺した部分から液体が漏れ出ることがあるからです。
- もし、背中への液体の入りが悪い場合には、背中に刺した針先を軽く左右に動かしてあげるとよいでしょう。
- 輸液を行うときには、動物はテーブルなどにのせて行うか、落ち着かせた状態で行いましょう。
- 輸液剤はハンガーなどどこかに吊るして行うとよいでしょう。
- 針は輸液を行うたびにかえて使用して下さい。
- できれば、輸液剤はご使用の前にお湯(30℃)に3-5分程(ときどき動かす)浸して暖めてから使用するとよいでしょう。
- ご使用の前後に、輸液剤のゴムの部分は消毒して下さい。
- 保存は、安全な場所(いたずらを避ける)および冷所(冷蔵庫にても可、しかしその際は輸液剤は暖めてからご使用下さい。)にて、袋か容器に入れて保存して下さい。
- 各々の針は一度使用したら、使い捨てです。これらは医療廃棄物となりますので、 必ずご使用後は病院へお戻し下さい。
- もし判らないこと、御質問がありましたら、診療時間内にお尋ねください。
飼い主自身で行う皮下輸液の方法(輸液セット-タコ管付き)
まず皮下輸液を行う前に、セットが揃っているか確認して下さい。
| 消毒用70%アルコール 綿花(脱脂綿) 輸液剤(例えば、ソルデムIまたはハルゼン等・・・) |  | 
|---|---|
| タコ管 21Gの針 |  | 
袋を開けますと、ビニール製の管と針が入っています。不透明のグリーンの針は輸液剤のほうに刺しておいてよい針です
 
まずは、輸液剤のゴムの部分にアルコールで湿らした綿花で消毒 します。この部分には3つの穴があります。 そのうち1つの穴(どの穴でも良いです)に 不透明のグリーンの針を刺して次にチューブにつながっている不透明の白い針を別の穴に刺してあげます。その時にチューブの中に液体が通ります。使い始め(袋から取り出した時のみです)は、チューブの中に入っている空気を押し出すため、液体を通して下さい。
 
この部分を指で押してあげると 少し液体が入った状態になります。
 
液体を通し終えたら、ストッパーが付いていますので ローラーを下に下げると液体が止まります。 再度、上にローラーを上げると液体が流れる仕組みになっています。
 
次は針です。 皮下針は皮膚に刺しやすいように斜めになっています。
 
アルコールで湿らした綿花で皮膚を消毒して、針を刺します。 ローラーを上に上げて、背中に輸液を開始します。定められた量の輸液が終わったら、ローラーを下げて針を抜きます。針を抜いた後、針を刺した部分を少し押さえて下さい。この理由は、針を刺した部分から液体が漏れ出ることがあるからです。
- もし、背中への液体の入りが悪い場合には、背中に刺した針先を軽く左右に動かしてあげるとよいでしょう。
- 輸液を行うときには、動物はテーブルなどにのせて行うか、落ち着かせた状態で行いましょう。
- 輸液剤はハンガーなどどこかに吊るして行うとよいでしょう。
- 針は輸液を行うたびにかえて使用して下さい。
- できれば、輸液剤はご使用の前にお湯(30℃)に3-5分程(ときどき動かす)浸して暖めてから使用するとよいでしょう。
- ご使用の前後に、輸液剤のゴムの部分は消毒して下さい。
- 保存は、安全な場所(いたずらを避ける)および冷所(冷蔵庫にても可、しかしその際は輸液剤は暖めてからご使用下さい。)にて、袋か容器に入れて保存して下さい。
- 各々の針は一度使用したら、使い捨てです。これらは医療廃棄物となりますので、 必ずご使用後は病院へお戻し下さい。
- もし判らないこと、御質問がありましたら、診療時間内にお尋ねください。
猫の投薬方法 動画
インプッター猫ちゃん編【BGM付き】
投薬猫ちゃん編【BGM付き】
犬の投薬方法 動画
ごはん・おやつワンちゃん編【BGM付き】
ちゅーるワンちゃん編【BGM付き】
