三鷹獣医科グループ

犬

動物別情報


アイリッシュセッター

好発疾病

骨・筋肉の病気

先天的手根骨脱臼
生まれつき手根骨が脱臼しやすくなります。この病気を持つ、この犬種は、血友病Aとも関係があるかもしれません。
股関節形成不全
通常生後7-9か月齢で発症しますがその後に発症することも多くあります。股関節が不安定になり、腰がふらふらとなり、重度になると、後肢に跛行が生じます。
肘突起分離症
肘の関節の病気で、始めは前肢が軽度に破行、だんだんと状態は悪くなる。通常は1歳以降に発症し、多くは両側性に起こる。
変形性脊椎症
老犬に多く認められます。椎間板の老化に伴う変性により、重症になると腰が不安定になり、歩きにくくなります。
肥大性骨関節症
四肢の末端の骨膜肥厚による肢の腫脹を特徴とし、多くは胸腔内に異常(炎症性疾患・腫瘍の発生等)がある。以前は肺性肥大性骨関節症とも呼ばれた。
軟骨無形成症 及び 軟骨形成不全症
軟骨の異常を特徴とする軟骨形成異常で、主に長幹骨を侵し、骨端の成長が遅れ早期に停止する結果、四肢は短くなるが身体は正常となる、また発育不全により誇張された頭部の拡大を認める。
骨脆弱症候群
骨が弱くなり、骨折しやすくなります。
離断性骨軟骨炎
前肢の肩関節部分の一部の骨が剥がれて、破行を呈する病気です。
ワーブラー症候群(頚椎の変形・奇形)
雄に多く発生します。顎部の痛みから四肢の麻酔まで症状はさまざまですが、後肢の障害が最初に認められます。
■ 年齢別分類
  3ヶ月 6ヶ月 1才 1-3才 4-5才 6才以上
先天的手根骨脱臼            
股関節形成不全        
肘突起分離症            
変形性脊椎症        
肥大性骨関節症            
軟骨無形成症 及び 軟骨形成不全症        
骨脆弱症候群            
離断性骨軟骨炎            
ワーブラー症候群      
肘関節形成不全        
汎骨炎        

眼の病気

流涙症
俗に言う「涙やけ」で涙管が閉鎖してしまうため、涙の管を通らずに、外に涙があふれ出します。生まれつき涙管がない場合・細い場合・ただ単に詰まった場合等があります。
眼瞼内反症
まぶたが眼球のほうに内転します。このため、眼球に傷を付けるため涙が出たり、充血したり、角膜炎が起きたりします。成長につれて、治ることもあります。
中心性進行性網膜萎縮
遺伝的な疾患です。発症年齢は様々で、動くものは見えるが、静止しているものは目の前にあってもわからないといった症状を示します。白内障を合併することもあります。
若年性白内障
白内障では、普通、老犬になると認められる老化現象ですが、この犬種では遺伝的に起こり、2才以下で白内障が発生することがあります。
ブドウ膜皮膚症候群(ホヒト-小柳-原田病様疾患)
突然に両眼が大きくなり、流涙がおこり、それが進行すると角膜が混濁し、視力の低下がおこります。
涙管異常症
涙管が欠損していたり、位置が違っていたり、狭かったりする病気。
老齢性白内障
加齢によって、水晶体が濁ってきます。眼がだんだん見えなくなります。
■ 年齢別分類
  3ヶ月 6ヶ月 1才 1-3才 4-5才 6才以上
流涙症        
眼瞼内反症      
中心性進行性網膜萎縮    
若年性白内障    
ブドウ膜皮膚症候群        
涙管異常症            
老齢性白内障          
睫毛重生        

歯の病気

歯石・歯垢の蓄積
歯が茶色く変色し、ひどくなると悪臭を生じます。そのころには細菌感染を起こし、その毒物を飲み込むことにより、全身に悪影響を与えます。
乳歯遺残
乳歯と永久歯が入れ代わるときに乳歯が残ってしまい、歯並びが悪くなることがあります。歯石や歯肉炎の原因になりますので、早めに治療する必要があります。
不正咬合
これは噛み合わせの問題で、アンダーショットとかオーバーショットとか呼ばれるもので、ほとんどは先天的な問題である。これらの問題を持つ場合は繁殖をすべきでない。
歯肉炎
これは歯石・歯垢の蓄積が原因で、歯と歯肉の間に炎症が起こり、赤くなります。
■ 年齢別分類
  3ヶ月 6ヶ月 1才 1-3才 4-5才 6才以上
歯石・歯垢の蓄積          
乳歯遺残      
不正咬合        
歯肉炎            

血液の病気

血友病A
血液を凝固させる因子が先天的に不足するため、外傷による出血等で、止まりにくくなる病気です。古典的な血友病で、第Ⅷ因子の欠乏が原因です。
ヴォン・ヴィレブランド(フォン・ヴィレブランド)病
出血性素因の病気で、粘膜からとか、体のあらゆる部分に出血傾向が認められる。常染色体優性遺伝である。
自己免疫性溶血性貧血
発熱を伴う、溶血性貧血で、貧血や脾臓の拡大が認められる。雌が罹りやすく、血小板減少症(歯肉の点状出血)を伴うこともある。
顆粒球症
成熟した顆粒白血球・多形核白血球の好中性・好酸性・好塩基性の型を含む。すなわち好中球・好酸球・好塩基球などが、いろいろな状態になる病気。
■ 年齢別分類
  3ヶ月 6ヶ月 1才 1-3才 4-5才 6才以上
血友病A      
ヴォン・ヴィレブランド病            
自己免疫性溶血性貧血        
顆粒球症            

皮膚の病気

アレルギー性皮膚炎
ノミ・アトピー・食餌や接触が原因で起こるアレルギーで、その原因によって治療は異なりますが、さまざまの程度で激しく痒がります。
アトピー性皮膚炎
主に塵埃(家のダニ等)を吸引することが原因で起こり、通常1-3才までに発症し、遅くても6歳までに発症します。季節性があり、激しく痒がります。性差はありません。
食餌アレルギー
食事が原因で起こるアレルギー性皮膚炎で、主に顔面が腫れることが多い。季節性はない。アレルギーのない食事にすると治るが、なかなかむずかしい。
皮膚糸状菌症
カビ・真菌による感染症でなかなか治療がやっかいな病気です。
マラセチア感染症
カビの一種の皮膚病でこれも、なかなか治療がやっかいな病気です。
湿性皮膚炎
アレルギー体質だと罹患しやすい皮膚病です。円-卵円形の脱毛と発垢を示します。激しく痒がります。
外耳炎
耳が垂れているために、炎症が起こりやすく、激しく痒がったり、耳の中が赤くなったりします。いろいろな病気の症状として現れます。
脂漏性皮膚炎
俗に言うフケが出て、その程度によってですが、全身を痒がります。油性と乾性のフケに分けて治療します。この病気は体質的なところがあります。
甲状腺機能低下症
中年齢以上で性別に関係なく発生しますが、この犬種では特に多いと言われています。皮膚病が治りにくくなり、被毛に光沢がなくなり脱毛しやすくなります。
肢端舐性皮膚炎
多くのアレルギー性皮膚炎に伴って起こり、雄の場合は非去勢により多い。退屈している犬が、いつも前肢を舐めるために、脱毛し、ひどくなると潰瘍ができ、感染の原因になるとの説もあるが、最近はアレルギーの原因が有力です。治療にはまず、できれば原因を除去する。またできるだけ犬に飽きさせないようにしてあげることです。
毛包虫症
幼犬に多発する寄生虫による皮膚炎で、頭部から発生し次第に全身に広がります。脱毛・皮膚の肥厚・乾燥。重症では全身膿皮症になり、治療が難しくなります。
鼻部膿皮症
鼻に毛包炎が生じ、かなり腫脹し痛がります。
色調突然変異性脱毛
1歳以下で発症、被毛の貧弱性と、ゆっくり進行する脱毛が特徴です。
■ 年齢別分類
  3ヶ月 6ヶ月 1才 1-3才 4-5才 6才以上
アレルギー性皮膚炎        
アトピー性皮膚炎          
食餌アレルギー          
皮膚糸状菌症            
マラセチア感染症            
湿性皮膚炎            
外耳炎          
脂漏性皮膚炎            
甲状腺機能低下症          
肢端舐性皮膚炎          
毛包虫症      
鼻部膿皮症            
色調突然変異性脱毛          

心臓・循環器の病気

右大動脈弓遺残症
先天的な心臓の奇形で、血管の走行が異常となり、食道を圧迫します。
拡張性心筋症
心臓の内部が拡張して、心臓が大きくなります。心臓の収縮が少ししか起こりません。多くは大型犬に見られます。
肥大性心筋症
原因不明の心筋症で、大型犬に多い心疾患です。運動不耐性・呼吸困難・失神などの心不全の症状が現れます。心臓の筋肉が肥大して、心臓が大きくなります。心臓の収縮が激しくなります。突然死亡してこの病気がわかることがあります。
■ 年齢別分類
  3ヶ月 6ヶ月 1才 1-3才 4-5才 6才以上
右大動脈弓遺残症            
拡張性心筋症            
肥大性心筋症            
大動脈弁狭窄症    

神経系の病気

特発性てんかん
6-24か月齢で発症しやすく、急に発作を起こし、最初は短い時間で回復しますが、徐々にひんぱんに長い発作が起こるようになります。
部分的てんかん
何もないのに、何かを噛むような動作を続けて、行います。
先天性前庭疾患
先天的な障害により、歩き方や、姿勢に異常が生じます。首を傾けたままになる(斜頚)ことが特徴です。
小脳形成不全
先天的に小脳の発育が障害され、生まれた直後から平衡感覚がなくなりふらふらするなどの運動失調が起こります。
ナルコレプシー・カタプレキシー
突発性睡眠発作と呼ばれ、突然に眠る病気です。
■ 年齢別分類
  3ヶ月 6ヶ月 1才 1-3才 4-5才 6才以上
特発性てんかん        
部分的てんかん        
先天性前庭疾患            
小脳形成不全          
ナルコレプシー・カタプレキシー          
重症筋無力症          
小脳変性性疾患          

消化器の病気

食道痙攣
食物を飲み込むことができなくなり、食後、食物を吐き出します。
原発性巨大食道症
生まれつき食道が大きくなっている病気で、嘔吐を良くします。食事を誤嚥しやすく、肺炎に注意しなければなりません。治療はなかなか困難を極めます。
腸捻転・重積
この犬種は腸の捻転や重積をし易い体質を持ちます。食後はゆっくり、休ませましょう。
胃拡張―胃捻転症候群
比較的大型犬に発症が多い、緊急性のある疾患である。食後に急に胃が膨らみ、苦しくなる。早急に処置が必要な病気で、死亡率が高い病気でもあります。
■ 年齢別分類
  3ヶ月 6ヶ月 1才 1-3才 4-5才 6才以上
食道痙攣            
原発性巨大食道症      
腸捻転・重積      
胃拡張―胃捻転症候群      

腫瘍性の病気

メラノーマ
黒色腫と言って、悪性の腫瘍です。その部分が黒い色である所からなづけられたようです。おもに口の中や口唇や皮膚や爪の下にできます。転移する場合が多いようです。
乳腺腫瘍
2.5才以下に避妊すれば乳腺腫瘍の発生率が低くなることがわかっています。また、子宮蓄膿症などの病気も防ぐことができます。
セルトリー細胞腫
睾丸にできる腫瘍で、片方の睾丸が大きくなります。いずれは去勢する必要があります。比較的、転移はまれですが転移することもあります。
骨肉腫
骨の悪性腫瘍で、しばしば肺に転移し、予後が不良となります。老犬で多く、早期発見・早期治療が重要となります。断脚のみだと4ヶ月の生存率です。はげしい痛みを伴います。
皮膚の腫瘍
毛包上皮腫・皮膚血管外膜細胞腫・皮膚メラノーマ・表皮嚢胞等を認めます。
■ 年齢別分類
  3ヶ月 6ヶ月 1才 1-3才 4-5才 6才以上
メラノーマ          
乳腺腫瘍          
セルトリー細胞腫          
骨肉腫          
皮膚の腫瘍          

その他の病気

停留睾丸
片側、または両側の睾丸が生後1ヶ月以上たっても陰嚢の中に認められない疾患です。繁殖には適しません。
口蓋裂
口蓋が正中線で裂けている奇形です。鼻孔と口腔がつながるために呼吸や吸引運動が傷害されます。
兎唇
唇裂とも言うが、通常は上口唇において、正中および外側の鼻の隆起と上顎の隆起の融合線において外胚葉性の溝への中胚葉性組織の侵入に不全があったために生じる先天性の顔面変形。しばしば歯槽裂や口蓋裂を合併する。
難産
出産のときに難産になることがあります。陣痛が始まってもなかなか子供が生まれないようであればすぐに獣医師に連絡しましょう。
腎不全
長生きをすると、多くの犬は、関節炎に悩みながら、腎不全または、癌で死亡することが多いようです。
喉頭麻痺
上部気道の閉塞が起こり呼吸が傷害されます。1才頃によく起こります。
ミュラー管遺残症候群
遺伝性で常染色体をうけつぐ特徴をもちます。繁殖の際は問題となります。
肥満
この犬種は、肥満傾向があります。食事の与えすぎに注意しましょう。
偽妊娠
雌の場合は、発情後の頃に、妊娠してないのに乳腺が腫大してくる病気。想像妊娠とも言う。
子宮蓄膿症
子宮や膣を始めとして、感染しやすい体質があるようです。
前立腺肥大
去勢をしていない雄は、前立腺が肥大しやすい傾向があるようです。
■ 年齢別分類
  3ヶ月 6ヶ月 1才 1-3才 4-5才 6才以上
停留睾丸        
口蓋裂          
兎唇            
難産          
腎不全            
喉頭麻痺    
ミュラー管遺残症候群            
肥満            
偽妊娠            
子宮蓄膿症          
前立腺肥大          
腎疾患          
膀胱疾患