三鷹獣医科グループ

犬

動物別情報


ペキニーズ

好発疾病

頭部の病気

環軸亜脱臼
頚椎の第1と第2の関係が悪く、頭の位置をうまく保つことが出来ません。歯突起の骨折や欠損の場合も、同じ状態になります。首を無理に下げると危険です。
歯突起の欠損
首の後方にある歯突起が、産まれつき欠損する病気で、ふらふら歩いたりするなどの運動障害が現れ、これがひどくなるとてんかん様発作などの様々な症状がでます。
■ 年齢別分類
  年齢不問 3ヶ月 6ヶ月 1才 1-3才 4-5才 6才以上
水頭症        
環軸椎脱臼            
後頭骨形成不全      
後頭葉発育異常              

骨・筋肉の病気

膝蓋骨の脱臼
膝のお皿に相当する骨が内側に滑り落ちる状態になり、ひどくなると慢性的に痛み、跛行を呈します。
レッグ・ペルベス・パーセス病
大腿骨の骨頭が壊死し、跛行を呈します。反対の後肢にも30%ぐらい発症します。治療は外科手術で骨頭を切除すれば治ります。
椎間板ヘルニア
椎間板が変性し、腰の神経を圧迫するため、運動障害や後肢の麻痺、失禁などが生じます。症状がひどいと、俗に言う腰抜けの症状となります。
椎間板変性
腰の神経の圧迫により、運動障害が生じます。
頚椎の変形・奇形
雄に多く発生します。顎部の痛みから四肢の麻痺まで症状はさまざまです。
■ 年齢別分類
  年齢不問 3ヶ月 6ヶ月 1才 1-3才 4-5才 6才以上
膝蓋骨の脱臼        
椎間板変性        
変形性脊椎症              
軟骨形成不全          
頚椎の変形・奇形          
下垂体性矮小症          
レッグ・ぺルべス・パーセス病軟骨形成不全          
椎間板ヘルニア            

呼吸器の病気

気管虚脱
気管がつぶれた状態になり、呼吸困難を起こす病気です。
鼻腔狭窄
鼻の孔が先天的に狭いため、少し興奮すると呼吸困難が起こります。
軟口蓋伸長症
喉のひだが伸びてきて、だんだん「いびき」がひどくなってきます。重症となると、呼吸するたびに「ぜいぜい」するようになり呼吸困難となります。
気管支形成不全
先天的に気管支の発達が悪く、咳をしたりなどの症状が続くのが特徴です。
■ 年齢別分類
  年齢不問 3ヶ月 6ヶ月 1才 1-3才 4-5才 6才以上
気管虚脱          
鼻腔狭窄            
軟口蓋伸長症          
喉頭麻痺              
気管支形成不全              

眼の病気

視神経形成不全
先天的な異常により、視力に障害が起こり、ひどくなると失明します。視神経の細胞の形成が不完全で産まれてきます。
角膜潰瘍
眼が突出しているために傷がつきやすく、涙が出たり、眼が白く濁ったりします。
睫毛重生
まつげが二列に生え、眼に入り、涙がでます。
流涙症
俗に言う「涙やけ」で涙管が閉鎖してしまうため、涙の管を通らずに、外に涙があふれ出します。産まれつき涙管がない場合、細い場合、ただ単に詰まった場合等があります。
小眼症
産まれつき眼が小さくなって産まれてきます。涙の産生が少なくなる傾向にあり、眼が乾燥することがあります。ときには手術をして眼を大きくすることがあります。
中心性進行性網膜萎縮
遺伝的な疾患です。発症年齢は様々で、動くものは見えるが、静止しているものは目の前にあってもわからないといった症状を示します。白内障を合併することもあります。
慢性結膜炎
結膜の表面に黄緑色の膜がかかります。免疫が関与していると言われています。全身症状として皮膚・粘膜の潰瘍化と蛋白尿を伴います。
慢性角膜炎
角膜(眼の表面)が慢性的に刺激を受けて、炎症を起こします。痛くて瞬きをします。
若年性白内障
白内障は、普通、老犬になると認められる老化現象ですが、この犬種では遺伝的に起こり、才以下で白内障が発生することがあります。
表在性角膜炎
角膜が炎症をおこし、混濁したり、疼痛が起こったり、何回もまばたきしたりします。
涙管異常症
涙管が欠損していたり、位置が違っていたり、狭かったりする病気です。
パンヌス(慢性表在性角結膜炎)
外側下方の角膜輪部に色素沈着等が起こる免疫介在性疾患で、通常両眼に起こります。病変には形質細胞を多く含みみます。
老齢性白内障
加齢によって、水晶体が濁ってきます。眼がだんだん見えなくなります。
水晶体脱臼
原発性緑内障の原因として起こることが知られています。
■ 年齢別分類
  年齢不問 3ヶ月 6ヶ月 1才 1-3才 4-5才 6才以上
角膜潰瘍            
慢性角膜炎        
表在性角膜炎              
老齢性白内障            
視神経形成不全          
若齢性白内障        
中心性進行性網膜萎縮症      
睫毛重生          
流涙症          

歯の病気

歯石・歯垢の蓄積
歯が茶色く変色し、ひどくなると悪臭を生じます。そのころには細菌感染を起こし、その毒物を飲み込むことにより、全身に悪影響を与えます。
乳歯遺残
乳歯と永久歯が入れ代わるときに乳歯が残ってしまい、歯並びが悪くなることがあります。歯石や歯肉炎の原因になるので、早めに治療する必要があります。
不正咬合
これは噛み合わせの問題で、アンダーショットやオバーショットなどと呼ばれるもので、ほとんどは先天的な問題です。これらの問題を持つ場合には繁殖には適しません。
歯肉炎
これは歯石、歯垢の蓄積が原因で、歯と歯肉の間に炎症が起こり、赤くなります。ステロール血症、糖尿病、高血圧等が関係します。

皮膚の病気

アレルギー性皮膚炎
ノミ、アトピー、食餌や接触が原因で起こるアレルギーで、その原因によって治療は異なりますが、さまざまの程度で激しく痒がります。
湿性皮膚炎
アレルギー体質だと罹患しやすい皮膚病です。円~卵円形の脱毛と発垢を示します。激しく痒がります。
外耳炎
耳が垂れているために、炎症が起こりやすく、激しく痒がったり、耳の中が赤くなったりします。いろいろな病気の症状として現れます。
脂漏性皮膚炎
俗に言うフケが出て、その程度によってですが、全身を痒がります。油性と乾性のフケに分けて治療します。この病気は体質的なところがあります。

泌尿器の病気

尿石症
血尿、尿が出にくい、嘔吐、疼痛などの症状が現れ、ひどくなると尿閉をおこし、尿毒症になります。
膀胱結石
膀胱に結石ができることがあり、数個の場合と大きな一つの場合があります。
腎皮質形成不全
先天的に腎臓の皮質が形成不全になるために、1才以下で腎不全の症状が現れ、尿毒症になります。

心臓・循環器の病気

僧帽弁閉鎖不全
老齢になると起こりやすい心臓の僧帽弁の障害で、咳や呼吸困難などの症状が慢性的に認められます。小型犬に多発する傾向があります。
三尖弁閉鎖不全
老齢になると起こりやすい心臓の三尖弁の障害で、僧帽弁閉鎖不全とほとんど同時に起こる傾向があります。咳や呼吸困難などの症状が慢性的に認められます。小型犬に多発する傾向があります。

神経系の病気

半椎体症
先天的な胸部椎体の奇形(短くなる)で、脊柱の変形を起こします。神経の圧迫が起こると、運動失調、麻痺、排尿・排便困難、痛み等が現れることがあります。
髄膜脳炎
これは脳の髄膜の炎症で、好酸球性、非化膿性以外の場合の炎症のことを言います。
後頭葉発育異常
先天的に後頭葉の発育が悪い状態で産まれてきます。

消化器の病気

食道痙攣
食物を飲み込むことができなくなり、食後、食物を吐き出します。
門脈大静脈シャント
肝臓の奇形により、多くは食後、頭がふらついたりして歩けなくなります。ひどくなると昏睡状態になります。
出血性胃腸炎
突然嘔吐し、ジャムのような血便の下痢が始まります。
肥厚性幽門胃症
幽門部が肥厚して、狭窄が起こり、食後に嘔吐します。

腫瘍性の病気

乳腺腫瘍
雌では2.5才以下に避妊すれば、乳腺腫瘍の発生率が低くなることがわかっています。また、子宮蓄膿症などの病気も防ぐことができます。
肥満細胞腫
あらゆる皮膚にできますが、特に体幹、会陰、四肢、頭、首にできやすく、治療は外科手術で大きく摘出するのが重要です。治療すべき腫瘍です。
皮下の腫瘍
この犬種は、角化上皮腫、肝様腺癌に素因を持つようです。

その他の病気

偽半陰陽
雄か雌か判定しにくい外部生殖器をもちます。
停留睾丸
片側、または両側の睾丸が生後1ヶ月以上たっても陰嚢の中に認められない疾患です。繁殖には適しません。
陰茎小帯遺残症
陰茎に小帯が遺残する状態で、ちょっとした外科手術で治ります。
難産
出産のときに難産になることがあります。陣痛が始まってもなかなか子供が生まれないようであれば、すぐに獣医師に連絡しましょう。
下垂体性矮小症
矮小発育症とも呼ばれ、身体が小さく産まれてきます。頭の中の下垂体の病気です。遺伝的に異常に手足が短く、眼底の疾患を伴うことがあります。