教育研修プログラム
新人獣医師の卒後教育プログラム
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 勤務3年目

人材募集
新人獣医師の卒後教育プログラム
病歴の聴取の仕方
始めの第1歩は、病歴の聴取法から習います。いかに効率的に役に立つ情報を得るかが問題です。例えば、転院の症例の場合、何の検査をしたか?その治療?その経過?その診断?もわかれば聞き出します。我が国の動物病院では、半数以上が多兆候の症状(例えば、食欲不振や元気消失に嘔吐あり)でも満足な病歴の聴取や検査は行われておらず、あい変わらず対症療法(原因療法ではない)のみで治療されているからです。
POMR(問題志向型診療録)の診療録の書き方
カルテは治療記録のみならず、日々の体重・体温・その容態の経過・問題点のリスト・検査の結果・診断の結果・治療の方針と記録等ができるだけ簡潔に判るように書き込みます。できるだけPOMR(問題志向型診療録)方式の診療録の書き方をします。
 獣医学には人医のように経過記録にてSOAPのSubjective data(主観的データ)は自覚症状がないので、認められた症状を記載します。Objective data(客観的データ)は診察時や観察所見や検査所見を記載します。
Assessment(評価・考察)は異常の原因の成り立ちを記載し、Plan(方針・計画)はDx(診断プラン)・Rx(処方計画)です。その際にその各々の料金も各々書き込むようにします。カルテは治療の記録帳では、不十分です。                  
インフォームド・コンセント(説明と同意)の徹低
動物の医療は人間のように、最低限(例えば保険診療内の診断と治療)の基準の設定は、できることとできないことの問題と、考え方の問題等があり各々の病院でかなりの違いがあります。各々の病院でできることと、できないことの基準が飼い主はわからないわけです。何かを行う際の予後について、あらかじめ話さなければなりません。例えば手術の際、その麻酔や手術の危険性・成功率・その予後について・合併症についてをあらかじめ話しておきます。ここでの問題は飼い主に納得して同意してもらうことです。ただ単に説明をすれば良いと言うわけではありません。
原則論は飼い主の望む方法での診断・治療を行うことです。そのためには、いくつかの方法を提案し、選んでもらうすなわち「複数選択方式」を採用することです。もちろんそれらを行うための費用についても、あらかじめ説明をする必要があります。
犬と猫の5つの身体検査法の基本的な習得
病歴の聴取をもとに、その異常な点を中心に、体全体に及ぼす影響をトータルに考えた身体検査法は最も重要な基本事項です。すぐに血液とか何か検査をするのではなく、科学的に裏づけられた(証明された)獣医学(EBVM)を実践するために、病歴の聴取と身体検査をまず徹底的に学ぶ必要があります。
当院の1年目の新人獣医師の卒後教育プログラムの身体検査は、まずは5つのパート系からの身体検査を習得をします。
基本は心臓の触診と聴診・頚静脈拍動と脈診の4つが身体検査の基本です。例えば「咳」をする犬に、まず腹部からの圧迫等の影響を考えながら、始めに
を系統的に調べます。また頚静脈拍動で拍動の有無と程度をしらべます。すると「咳」の原因が、心臓由来?心臓以外?(気管・気管支・肺胞由来?)であるかが、だいたい判ります。ただ単に「咳」をする動物にどんな咳ですか?くらいの質問では不十分です。
これらの合理的な身体検査法を学ぶと、例えば腹水のある削痩した高齢犬で、頚静脈拍動が認められなければ(心臓由来ではないから)この腹水の原因は肝臓由来(たとえば肝臓の腫瘍等)がたちどころに強く疑え、腹水の分析の重要性が増すことになるのです。
まずは皮膚病の病歴の聴取と身体検査の基本、例えば皮膚の掻き取り検査・ウッドランプ・真菌検査・生検等の手順を覚えます。そして皮膚病変の分類を学びます。これを知らないとカルテに皮膚の異常の状態を正しく書けません。すなわち原発性皮膚病変(小斑・大斑・丘診・結節・小水泡・水泡・膿胞・膨疹・鱗屑)、二次性皮膚病変(鱗屑・痂皮・糜爛・潰瘍・擦傷・裂溝・苔癬化・色素沈着・過角化・面皰・上皮小環)の各病変です。
次に病変の分布(左右対称性等)と病変の形態(輪状・線状・群状)の確認をします。
実際の症例はまず掻痒へのアプローチ(外部寄生虫・細菌感染・真菌性・アレルギー性の手順で疑う)、そして抗生物質療法(種類・投与量・期間)、ステロイド療法、薬浴療法等の基礎的な診断と治療が出来ることです。
まずは脳神経系(前脳・前庭・小脳)と脊髄系(4つの領域に分類)の神経学的検査の意義とその方法を学びます。これで病変の位置を推定し(原因はまだ)鑑別診断リストを作成します。正常を知らずして異常は判りません。またUMNとLMNの違い等も学びます。そして神経学的疾患のアプローチである、以下の手順を学びます。
各々の検査の適用と意義とその解釈及びその実施方法について学びます。
また疾患については以下の3大疾患についての診断と治療・対処法について学びます。
歩様の観察から始まる、整形外科的な(主に破行診断のため)身体検査を学びます。まずはその異常の破行が、痛みなどが原因の整形外科疾患か、神経の麻痺からの神経系疾患(固有位置感覚反応等の検査にて)なのかを鑑別します。もし整形外科疾患であるのなら各の四肢の先端からそれらの関節を含めて、その対象性・疼痛・熱感・萎縮・異常音・可動域・脱臼等の程度を触診にて調べます。またドローアサインやオルタニーサイン等も学びます。
エキゾチックペットの病歴の聴取の仕方
近年のエキゾチックペットの増加に対して、これからの新人獣医師はこのエキゾチックペットの診療が可能であるのが、ぜひとも必要となるでしょう。このことで診療対象の拡大が可能となります。このエキゾチックペットの病歴の聴取は、各々のエキゾチックペットによってかなり違ってくるので、各々の病気の特徴を掴みながら行います。
エキゾチックペットの身体検査法その基本の習得
その正しい飼育環境の指導と、基礎的な診療をマスターします。各々のエキゾチックペットの違いとその年齢によって、身体検査の方法がかなり違ってきます。各々の病気が違うのと発症する年齢が違うからです。
エキゾチックペットの基礎的な診療の基本的な習得(その飼育環境も含む)
病歴の聴取と身体検査をもとに、その飼育環境(エキゾチックペットの病気の多くの原因は食事等の飼育環境にある)を考えながら、各々のエキゾチックペットの独自の病気や特性を考えて診療を行うための、基本的な事項を習得します。まずは ウサギ・ハムスター・フェレット・飼鳥・亀。
基本的な臨床検査の意義と方法の解釈法
病歴の聴取と身体検査の後に来るものは、CBC・血清生化学的検査・尿分析です。各々の意義と解釈、を学びます。そして糞便検査・細胞診といろいろな病理学的な検索も含めてその目的・実際の方法・解釈について、総合的にその基礎を学びます。まずは血液の塗抹標本にてヘモグラムの読影ができることから始めます。
画像診断法の最初の第1歩―X線検査法の基礎的な習得
X線検査法は画像診断法の最初の第1歩で、画像診断の基本中の基本です。まずは正常の胸部・腹部・骨格の基本を学びますが、ただ単に各臓器の位置や大きさを読影するのではなく、実際の臨床に結びついた、総合的な臨床X線読影術の基本を学びます。例えば、心臓の拡大が認められた場合、そのシグナルメントを参考にその時点の稟告・聴診・脈拍所見と併せて、病気を推定したり、また心電図・超音波等の結果を推定したり、その結果が出れば各々との関係を合わせて本当にその病気か?その程度は?合併症は?等を判定し、真に役に立つ、臨床X線読影術を御教えします。
画像診断法の最初の第2歩―胸部及び腹部超音波検査
超音波検査法は画像診断法の最初の第2歩ですが、画像診断としては、X線検査とこの超音波検査は診断の双璧をなすもので、より進んだ獣医学を行うためには、この2つの検査を組み合わせることによって可能となります。これもまずは正常の胸部・腹部の基本を学びますが、これもただ単に各臓器の構造や大きさを検査するのではなく、実際の臨床に結びついた他の異常と相関した事項を学び、各々の画像の特徴的な項目を学びます。
麻酔の管理法と手術準備・各々の外科用具の名前の確認と縫合法の習得
まずは麻酔器の構造とその管理や手入れ方法を知ることから始めます。そして各々のモニターの正常値とその異常に意義、また術前のチェック(麻酔器と動物の身体検査)、術中のチェック(異なる3種類以上のモニター、例えば心電図・酸素飽和濃度・心音・呼気中の炭酸ガス濃度・体温・血圧等)と術後のチェック(体重・体温等)の測定の方法やその意義についての基本を学びます。
身体検査
1年目の5つの身体検査のみならず、その他分野の方法(消化器系・泌尿器系等)の基本とその身体検査の異常の成り立ちと推定される病名とその診断と治療も覚える必要があります。心臓系(循環器系)を例にすると心臓の触診と聴診・頚静脈拍動と脈診の4つが身体検査の基本です(勤務1年目の卒後研修プログラム参照)。
脈拍1つを取ってみても、
と異常を分類します。そして心音・頚静脈拍動との関係を考えながら診断します。
血液検査(血清生化学的検査を含む)
スクリーニング検査としての血液検査は、
からなる総合的な検査システムです。スクリーニング検査の原則は、その臨床症状と併せ考えて、その解釈もできることが要求されます。
細胞診
 FNA(針吸引)から始まって押捺標本などの細胞が、腫瘍性?非腫瘍性?
腫瘍性であれば悪性?良性?
及び上皮性?非上皮性?独立円形細胞?の確認やそれらの細胞診の方法と処置法を学びます。
尿検査
この尿検査は、尿分析とも呼べる検査で、CBCと深く結びついて解釈する必要があります。単にテストペーパー(Dip&Read)の結果のみならず、比重や沈査の所見と総合的に合わせて判定します。
糞便検査
直接顕鏡から始まって、グラム染色法・潜血検査・脂肪滴検査・ズダン染色、からいろいろな間接法(浮遊法)にいたるまで、実施またその意義や解釈を習います。この検査は消化管系の疾患のみならず、日常のルーティンな検査項目として行います。
血圧検査
従来はあまり重要視されなかった血圧の測定は、現在の最先端の小動物臨床においては重要な検査項目となっています。10kg以下の動物は主にドプラー式の血圧計を用い、それ以上の動物は、オシロメトリック法にて測定されます。特にこの血圧の測定は猫の臨床において(腎臓疾患、全身性高血圧症等の発見のため)重要であります。
心電図検査
循環器系を調べるには、まず病歴の聴取と身体検査を行い、次のステップは心電図検査です。心電図検査はあくまで、不整脈の確認が目的であります。ここでの確認事項は、まずは犬猫の心房性・心室性不整脈、1~3度のブロック、補足的に心臓の拡大を示唆する項目を学ぶことです。他の検査とあわせて評価する態度をも学びます。
X線検査
胸部X線読影検査法・腹部X線読影検査法・骨格系X線読影検査法の放射線の3大基本系列の基本とその応用を理解し、正常と異常の判定・その異常の程度の把握・その対応法等を総合的に学びます。
眼科検査
各々の検査の適用と意義とその解釈及びその実施方法について学びます。
超音波検査
基本的な理論とテクニック学びます。腹部では、肝臓・胆嚢から始まって胃腸管・膵臓・脾臓・左の腎臓・膀胱・前立腺・睾丸・右の腎臓、と各臓器が描写できる訓練を行います。特に肥満犬の右の腎臓が描写できるようになるのが2年目の目標です。
胸部では、各心臓の各位置の解剖学的な位置関係を把握し、左側からの短軸と長軸が描写できるようになるのが、2年目の目標です。
神経学的検査
基本的な6ステップルールすなわち、全身状態の観察・触診・姿勢反応・脊髄反射・脳神経・知覚を学びます。特に脳神経・対不全麻痺や四肢不全麻痺のための、病変の位置決めのための姿勢反応と脊髄反射をマスターします。
内視鏡検査
まずはその内視鏡の維持や管理法の方法から学びます。高価な内視鏡を扱うにはそれなりの準備が必要です。術前の準備及び術後の手入れが、次回スムースに使用するためにとても重要となります。
次に実際の内視鏡の手技を学びます。内視鏡検査は単に異物の摘出のみならず、胃腸管に起因する消化器病の診断と治療方針の決定に必要な機器で、必ずその内視鏡の維持や管理法の方法から学び、次に実際の内視鏡の手技を学びます。まずはいかにして十二指腸に入れるか?が内視鏡の第1関門です。その他胃内の位置関係の確認及び、生検の方法や手順について学びます。
皮膚病学の基本の習得
蚤を始めとする外部寄生虫感染の予防と治療、次に膿皮症の原因(細菌感染・真菌・寄生虫等)の追求、真菌性感染・アレルギー性皮膚炎の鑑別診断と治療が出来る事。また犬の皮膚疾患の最も一般的な7大疾患である、以下の診断と治療を覚えるのが勤めで、これで皮膚疾患の70%以上がカバーされます。
また猫の最も一般的な3大疾患である、以下疾患の診断と治療を覚えます。
心臓病学の基本の習得
各々の検査(心臓の触診・聴診・頚静脈拍動・脈診)の解釈と現在の症状との関係の把握、心電図の読影の基本(7大検査法の実施を参照)、胸部X線読影の基本等を総合的に学びます。その結果、犬の5大心臓病の診断と治療、また胸部超音波検査の意義とその計測の方法も学びます。
猫は以下の2大心臓病の基本を学びます。
消化管病学の基本の習得
嘔吐と下痢への診断法と治療法、特に以下の薬剤の使用法についてその応用を学びます。
猫の場合は、以下の疾患の基本と応用について学びます。
これらと内視鏡の検査を併せることによって、以下の18の疾患を学ぶことによって消化管病学の80%以上が学べます。
泌尿器病学の基本の習得
猫の慢性腎炎・下部尿路系疾患の診断と治療及び犬の上部から下部尿路系疾患である腎臓・尿管・泌尿器系の病気、特に結石症についての診断と治療を学びます。
細胞診及び生検の重要性を学びつつ各々の3大発生頻度順に学んでいきます。
眼科病学の診断と治療の基礎の習得
疾患については以下の10大疾患についての診断と治療・対処法について学びます。
神経病学の診断と治療の基礎の習得
基本的な6ステップルールすなわち、全身状態の観察・触診・姿勢反応・脊髄反射・脳神経・知覚を学びます。特に姿勢反応と脊髄反射をマスターします。そして痙攣・発作の鑑別診断とその治療、特に癲癇発作について学びます。この時点で覚えるべき10大疾患は、
歯科病学の診断と治療の基礎の習得
口腔内診査法及びその記録法から学びます。そして予防的歯科処置(例えば歯石・歯垢の除去法についていかに進め効果的に行うかをステップ別に学びます)の基礎を学びます。犬においては歯科の問題が、病気の内では1番多い疾患(2歳以上で95%以上?)であるので、まずは記録して、以下のように歯石の除去法から学びます。
内分泌学の診断と治療の基礎の習得
まずは犬の3大内分泌疾患である以下の診断と治療を学びます。これらは比較的に内分泌の病気として多いからです。すなわち、甲状腺・膵臓・副腎の3つの臨床的な機能の基本的な事柄を学びます。
猫は2大内分泌疾患である以下の診断と治療を学びます。
臨床麻酔学の基礎の習得
術前(動物の状態のチェック法)・術中の異なる3種類以上のモニター法の解釈、例えば
術後(動物の状態のチェック法)
外科学の7大手術の実施とその適応と合併症の習得
2年目の外科手術の教育プログラムは、以下の7つの最も一般的な手術の適応症・手術法・合併症とその予後について学ぶことです。まずはこれらの助手(前立ち)から始まり、術前の管理から術中・術後の管理まで総合的に学びます。
胸部X線読影検査法
まずは胸腔を囲む胸椎・肋骨・胸骨から始めて、気管・気管支・肺野・心臓等系統的に他の病変との関係を考えながら読影をします。例えば呼吸器系の疾患か心臓系の疾患かを鑑別したり、心臓の拡大の場合に何の疾患かを判定したりします。
腹部X線読影検査法
各々の臓器の5つの重要な(大きさ・形・位置・陰影度・あるかないか)問いかけの確認や、陰影度の低下(液体・脂肪の減少・幼弱・腹膜炎・腫瘍の転移)が見られる場合、造影検査の基本等を学びます。
骨格系X線読影検査法
まずは骨と関節の7つの代表的な疾患/状態が診断できるように訓練します。骨折の分類・股関節形成不全・レッグぺルべスパーセス病・骨軟骨症/離断性骨軟骨炎・前十字靭帯断裂・汎骨炎・椎間板ヘルニア等の診断と治療を学びます。
胸部超音波検査
基本的な操作法及び右下からの短軸像と長軸像の各々の解剖学的な位置関係を学びます。また心臓の計測の方法、その読解を行えるように繰り返し学びます。
腹部超音波法
各々の画像の特徴的な所見を習得し、基本的な理論とテクニックの習得以外に、胆嚢・肝臓から始まって胃腸管・脾臓・左の腎臓・膀胱・前立腺・睾丸・右の腎臓、等の各臓器が描写できることが条件です。特に肥満犬での右の腎臓の描写をできるようにするのが、2年目の課題です。
内視鏡検査
まずはその内視鏡の維持や管理法の方法から学び、次に内視鏡の適応症にはどんな状態があるか?を学び次には、実際の内視鏡の手技を学びます。各々の画像の特徴的な所見を記載して記録として残します。生検の方法や手順についても学びます。
眼底検査
まずはその倒置法での眼底像を学び、各々のタペタム・視神経乳頭・血管走行など網膜の状態の関係を学びます。特に猫や犬でルーティンにこの検査ができるようになるよう、繰り返して学びます。疑わしい場合は検眼鏡やスリットランプでの検査を行います。
その正しい飼育環境の指導と、10種類のエキゾチックペットの代表的な5つの疾患の診断と治療をマスターします。病歴の聴取と身体検査をもとに、その飼育環境(エキゾチックペットの病気の多くの原因は食事等の飼育環境にある)を考えながら、各々のエキゾチックペットの独自の病気や特性を考えて診療を行います。
| 種類 | 5大疾患 | 
|---|---|
| ウサギ | 毛球症、パスツレラマルトシータ、下痢症、不正交合、斜頸 | 
| ハムスター | 下痢症、脱毛、腎炎、外傷、腫瘍 | 
| フェレット | 副腎腫瘍、耳ダニ、毛球症、インフルエンザ、慢性肝炎 | 
| 飼鳥 | 細菌感染症、そ嚢炎、破行、腹囲膨満、気道炎 | 
| 亀 | ビタミンA欠乏症、肺炎、代謝病骨疾患、外傷、膿瘍 | 
| イグアナ | 代謝性骨疾患、異物、外傷、寄生虫、腎炎 | 
| プレーリードッグ | 外傷、不正交合、下痢症、上部気道感染症、肺炎 | 
| モルモット | 肺炎、腸炎、脱毛、不正交合、膀胱炎 | 
| リス | 肺炎、外傷、下痢症、不正交合、髄膜炎 | 
| 猿 | 気管支炎、挫傷、下痢症、肺炎、外傷 | 
身体検査
継続3年目の身体検査は、より臨床に結びついた身体検査でなければなりません。このころの身体検査は、推定されるその病気とその症状が合っているか?またどの程度の異常かも考えながら行います。身体検査にての異常の成り立ちと推定される病名もよりその数が増加していることでしょう。
例えば脈拍1つを取ってみても、動物種の違いを考えながら、心拍数と併せて数え、左右の違い・そのリズムと欠損・強さを調べ、以下のように異常を分類します。
そして以下を脈拍との関係・推定する病気を考え、その病気の程度もできれば考えます。
血液検査
スクリーニング検査としての血液検査は、
からなる総合的な検査システムです。スクリーニング検査の原則は、その臨床症状と併せ考えて、その解釈もできることが要求されます。
例えば貧血に対する評価であれば以下のように分類し原因を考えます。
血清生化学検査
各検査の意義と実施方法を学びます。また血清生化学的検査もより実践的な解釈が要求されます。あくまでもこれらの検査は、他の検査の結果と考え合わせて、いろいろ考えます。
等の、より実践的な解釈が要求されます。ただALTやALPが高いから、肝臓が悪いと言うレベルの獣医学から脱し、より理論づけられた所の応用できる論理で、複雑なこれらのCBCや生化学検査を解釈することが要求されます。この時期は血液の塗抹標本にてもヘモグラムの読影のみならず、その解釈も大まかにできることが要求されます。
凝固系検査
この種の検査は、出血傾向が認められたら、行う必要があります。いろいろな状況から知っている病気を疑いながら、診断を進めていくのがコツです。最初に行うべき検査は、CBCと血小板・プロトロンビン時間(PT)・活性化部分トロンボプラスチン(APTT)・部分トロンボプラスチン時間(PTT)です。
細胞診
FNA(針吸引)から始まって、いろいろな押捺標本などの細胞にて以下の分類の確認やその細胞診の方法と処置法を学びます。
尿検査
この尿検査は、尿分析とも呼べる検査で、CBCと深く結びついて解釈する必要があります。本来は血液検査より手軽に行えるはずですが、その尿の採取に関して、血液より難しい場合があります。それでも勤めてCBCと同時に分析することが重要です。特に費用の点で、2回目の血液検査ができない場合には、この尿検査にて少しでも病状の把握に役に立ちます。この尿検査は、単にテストペーパー(Dip&Read)の結果のみならず、比重や沈査の所見と総合的に合わせて判定します。
糞便検査
直接顕鏡から始まってからいろいろな間接法(浮遊法)また以下の列記する、各々の適応する検査の実施またその意義や解釈を覚えます。また疾患のある動物は、直腸検査も同時の行うと良いでしょう。この検査は食事の内容を調べながら、消化管系の疾患のみならず、日常のルーティンな検査項目としても行います。
血圧検査
従来はあまり重要視されなかった血圧の測定は、現在の最先端の小動物臨床においては重要な検査項目となっています。5-10kg以下の動物は主にドプラー式の血圧計を用い、それ以上の動物は、オシロメトリック法にて測定されます。特にこの血圧の測定は麻酔のモニターのみならず犬や猫の臨床において(腎臓疾患・全身性高血圧症等の発見のため)重要であります。特に最近では猫の臨床において、この血圧の測定の重要性が再確認されています。その血圧を測定する目的は以下に列記します。
心電図検査
循環器系を調べるには、まず病歴の聴取と身体検査を行い、次のステップは心電図検査です。心電図検査はあくまで、不整脈の確認が目的であります。まずは犬猫の以下について、各々の大まかな意義と治療を学び、その他の検査とあわせて評価します。
心電図検査
補足的な意味合いにての心音図検査があります。これは自己の聴診の能力を確認できます。クリックやどんな雑音かの判定のため、また雑音の分析の初心者には役立つ検査です。例えば収縮期性雑音や拡張期性雑音の分類等に役立ちます。教育病院にてはより確かな聴診の学習機器として役立ちます。
胸部X線読影検査法
肥満・年齢の変化を考えながら、肺胞の評価をするために、以下を調べ学ぶこと。
腹部X線読影検査法
以下の代表的な腹部X線像について診断できることが要求されます。
そのためには以下の問いかけに対して、各々の臓器に対して確認をする。
また上部消化管造影の方法とその意義、その実際の実地法を学習すること。
骨格系X線読影検査法
まずは骨と関節の9つの代表的な疾患が診断できるように訓練します。
のX線検査による診断と治療の基本を学びます。
胸部超音波検査
まずは左心室系の検査のための、右下からのアプローチにて、長軸像と短軸像が描写できるように訓練します。またPomboにての計測の方法を学びます。各々の心臓の断面を、頭の中でその図が書けるようになるまで訓練します。以下の典型的な症例の画像を学びます。また雑音のある場合はカラードプラー法の基本を学びます。
腹部超音波検査
とりわけ腹部超音波は、それを扱う術者の腕前とその器械の性能によって、大きく結果は違ってきます。まずは超音波の基本的な理論を学び、各々の臓器の特徴的な所見を習得し、異常と正常の区別がつくようにトレーニングします。
各々の画像の特徴的な所見を習得した後は、テクニックを習得します。まずは腹部は時計回りに調べます。以下の各臓器が描写できることが条件です。特に正常な左の副腎が50%以上描写をできるようになるのが、3年目の課題です。
内視鏡検査
まずは使用する前の準備をしたのちに、実際の内視鏡を使用します。内視鏡検査は単に異物の摘出のみならず、胃腸管に起因する消化器病の診断と治療方針の決定に必要な機器となります。いろいろな犬猫に対して、どう内視鏡を使用するかが問題となります。
まず食道の状態から調べ、噴門を通過して、胃内に入り、位置関係を調べた上で、始めに十二指腸に入れます。いかに入れるかが内視鏡の第1関門です。十二指腸内の位置関係の確認(胆管乳頭・膵管乳頭等)、及び、生検の方法や手順について学びます。
眼科検査
各々の検査の適用と意義とその解釈及びその実施方法について適応を考えながら行います。
脳神経検査
基本的な6ステップルールすなわち、全身状態の観察・触診・姿勢反応・脊髄反射・脳神経・知覚を学びます。これらを管理するには、まずは精神状態・姿勢・歩様の観察、次に筋肉・骨の異常を見るための触診・特に脳神経、対不全麻痺や四肢不全麻痺のための、病変の位置決めのための姿勢反応と脊髄反射と皮筋反射・感覚の各評価をマスターします。またUMNとLNUの違いも学びます。
皮膚病学の診断と治療の基礎と応用の習得
まずは掻痒のアプローチ、すなわち、以下の4つを順をおって調べる過程を学習します。また脱毛のアプローチと脂漏へのアプローチの基本も学びます。
また犬の皮膚疾患の最も一般的な18大疾患である、以下の診断と治療を覚えるのが勤めで、これで皮膚疾患の95%がカバーされます。
また猫の最も一般的な7大疾患である、以下疾患の診断と治療を覚えます。
心臓病学の診断と治療の基礎と応用の習得
また3年目ともなれば、より深く病歴の聴取と身体検査(心臓の触診・聴診・頚静脈拍動・脈診)、心電図(心電図の項目を参照)と、胸部X線の読影(胸部X線検査を参照)にて犬の7大疾患(以下に列記)の診断と治療が基本的な程度にて行えること。
また猫の3大心臓病(以下に列記)も同様です。
また胸部超音波検査の意義とその計測法の方法も学びます。
消化管病学の診断と治療の基礎と応用の習得
消化器の病気はただ単に嘔吐と下痢の治療ではなく、そのアプローチ法が重要であります。その嘔吐と下痢の原因追求には、いろいろの角度から調べる必要があります。消化器病と思っていたら、内分泌の病気であったと言う場合もあるからです。消化器病を総合的に学びますが、治療法においては特に以下の薬剤の使用法についてその応用を学びます。
猫の場合は、以下の疾患の基本と応用について学びます。
これらと内視鏡の検査を併せることによって、以下の26の疾患を学ぶことによって消化管病学の95%以上が学べます。
泌尿器病学の診断と治療の基礎と応用の習得
猫の慢性腎炎・下部尿路系疾患の診断と治療及び犬の上部から下部尿路系疾患である腎臓・尿管・泌尿器系の病気、特に結石症についての診断と治療を学びます。
腫瘍病学の診断と治療の基礎と応用の習得
細胞診及び生検の重要性を学びつつ各々の3大発生頻度順に学んでいきます。もちろん各種の生検・骨髄検査・超音波検査等を組み合わせての総合的な評価が必要となります。腫瘍は通常高齢のため、飼い主とのインフォームド・コンセント(説明と同意)が最も重要となります。腫瘍があるから、すぐに外科手術で摘出すれば良い、抗癌剤で叩けば良いと言うわけにはいきません。その抗癌剤の種類の選択には、飼い主の意向を取り入れて、その方法を考えます。また副腫瘍症候群や急性溶解症候群やDICや抗癌剤の管理と安全な取り扱いにも注意し、総合的な獣医療にての対応が必要です。
犬の5大腫瘍である以下の診断と治療を学びます。
猫の5大腫瘍である以下の診断と治療を学びます。
内分泌病学の診断と治療の基礎と応用の習得
まずは犬の7大内分泌疾患である以下の診断と治療を学びます。これらは比較的に内分泌の病気として多いからです。すなわち、甲状腺・膵臓・副腎・上皮小体(副甲状腺)の4つの臨床的な機能の基本的な事柄を学びますが、この内分泌の病気は、総合的な獣医学の知識を必要とします。
猫は4大内分泌疾患である以下の診断と治療を学びます。
眼科病学の診断と治療の基礎と応用の習得
また疾患については以下の26大疾患についての診断と治療・対処法について学びます。眼は全身病と言われるように、眼の中を見れば全身の病気を示している場合もあります。特に猫の臨床では、眼底(FIV・FeLV・FIP・トキソプラズマ等)を見ることが重要です。
神経病学の診断と治療の基礎と応用の習得
基本的な6ステップルールすなわち、全身状態の観察・触診・姿勢反応・脊髄反射・脳神経・知覚を学びます。これらを管理するには、まず精神状態・姿勢・歩様の観察、次に筋肉・骨の異常を見るための触診、特に脳神経・対不全麻痺や四肢不全麻痺のための、病変の位置決めのための姿勢反応と脊髄反射と皮筋反射、感覚の各評価をマスターします。またUMNとLNUの違いも学びます。そして痙攣・発作の鑑別診断とその治療、特に癲癇発作について学びます。この時点で覚えるべき17大疾患は、
歯科病学の診断と治療の基礎と応用の習得
口腔内診査法及びその記録法から学びます。そして予防的歯科処置(例えば歯石・歯垢の除去法についていかに進め効果的に行うかをステップ別に学びます)の基礎を学びます。犬においては歯科の問題が、病気の内では1番多い疾患(2歳以上で95%以上?)であるので、まずは記録して、簡単な抜歯(特に乳歯遺残)についても基本を学びます。
行動心理学の基礎と応用の習得
最近注目されているこの分野は、人と動物の関係を考える良い機会ともなります。我々獣医師がいくら病気を予防したり、治療したりしても、この行動上の問題があって、不幸にして交通事故で死亡したり、攻撃的で人に危害を加えたりしていては、病気の治療もむなしい限りです。ゆえに我々臨床を行う獣医師は、この行動心理学もある程度知る必要があります。以下の5項目が学ぶべき事柄です。
臨床麻酔学の基礎と応用の習得
各ステージ別、体のサイズの違いによる、猫・エキゾチックペットの麻酔法及び覚醒法を学びます。
術後(動物の状態のチェック法)
外科手術の基礎と応用の習得
習得すべき外科手術としての項目は以下の27種類の外科手術です。
その正しい飼育環境の指導と、12種類のエキゾチックペットの代表的な7つの疾患の診断と治療をマスターします。病歴の聴取と身体検査をもとに、その飼育環境(エキゾチックペットの病気の多くの原因は食事等の飼育環境にある)を考えながら、各々のエキゾチックペットの独自の病気や特性を考えて診療を行います。また各々の動物の麻酔と代表的な外科手術についても習得します。
| 種類 | 7大疾患 | 
|---|---|
| ウサギ | 毛球症、パスツレラマルトシータ、下痢症、不正交合、斜頸、耳ダニ、膀胱炎 | 
| ハムスター | 下痢症、脱毛、腎炎、外傷、腫瘍、不正交合、頬袋の膿瘍 | 
| フェレット | 副腎腫瘍、耳ダニ、毛球症、インフルエンザ、慢性肝炎、膀胱炎、コクシジウム | 
| 飼鳥 | 細菌感染症、そ嚢炎、破行、腹囲膨満、気道炎、嘴の過剰症状、毛引症 | 
| 亀 | ビタミンA欠乏症、肺炎、代謝病骨疾患、外傷、膿瘍、膀胱結石、寄生虫(線虫類) | 
| イグアナ | 代謝性骨疾患、異物、外傷、寄生虫、腎炎、指や尾の壊死、寄生虫(回虫・コクシジウム) | 
| プレーリードッグ | 外傷、不正交合、下痢症、上部気道感染症、肺炎、慢性肝炎、皮膚糸状菌症 | 
| モルモット | 肺炎、腸炎、脱毛、不正交合、膀胱炎、膀胱結石、不正交合 | 
| リス | 肺炎、外傷、下痢症、不正交合、髄膜炎、血尿、癲癇 | 
| 猿 | 気管支炎、挫傷、下痢症、肺炎、外傷、寄生虫(大腸バランチジウム・ジアルジア)、代謝骨疾患 | 
| チンチラ | 内部寄生虫(コクシジウム・ジアルジア)、毛食い症、肺炎、皮膚糸状菌症、不正交合、下痢症、熱中症 | 
| スナネズミ | 肺炎、下痢、腎炎、心臓病、皮膚糸状菌症、顔面の皮膚病、不正交合 | 
その正しい飼育環境の指導と、10種類のエキゾチックペットの代表的な5つの疾患の診断と治療をマスターします。病歴の聴取と身体検査をもとに、その飼育環境(エキゾチックペットの病気の多くの原因は食事等の飼育環境にある)を考えながら、各々のエキゾチックペットの独自の病気や特性を考えて診療を行います。
| 種類 | 7大疾患 | 
|---|---|
| ウサギ | 毛球症、パスツレラマルトシータ、下痢症、不正交合、斜頸、耳ダニ、膀胱炎 | 
| ハムスター | 下痢症、脱毛、腎炎、外傷、腫瘍、不正交合、頬袋の膿瘍 | 
| フェレット | 副腎腫瘍、耳ダニ、毛球症、インフルエンザ、慢性肝炎、膀胱炎、コクシジウム | 
| 飼鳥 | 細菌感染症、そ嚢炎、破行、腹囲膨満、気道炎、嘴の過剰症状、毛引症 | 
| 亀 | ビタミンA欠乏症、肺炎、代謝病骨疾患、外傷、膿瘍、膀胱結石、寄生虫(線虫類) | 
| イグアナ | 代謝性骨疾患、異物、外傷、寄生虫、腎炎、指や尾の壊死、寄生虫(回虫・コクシジウム) | 
| プレーリードッグ | 外傷、不正交合、下痢症、上部気道感染症、肺炎、慢性肝炎、皮膚糸状菌症 | 
| モルモット | 肺炎、腸炎、脱毛、不正交合、膀胱炎、膀胱結石、不正交合 | 
| リス | 肺炎、外傷、下痢症、不正交合、髄膜炎、血尿、癲癇 | 
| 猿 | 気管支炎、挫傷、下痢症、肺炎、外傷、寄生虫(大腸バランチジウム・ジアルジア)、代謝骨疾患 | 
| チンチラ | 内部寄生虫(コクシジウム・ジアルジア)、毛食い症、肺炎、皮膚糸状菌症、不正交合、下痢症、熱中症 | 
| スナネズミ | 肺炎、下痢、腎炎、心臓病、皮膚糸状菌症、顔面の皮膚病、不正交合 |