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エキゾチック

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爬虫類(Reptile-レピタイル)と両生類(Amphibian-アンヒィビア)の違いとは?

エキゾチックペットの分類表、両生類と爬虫類の分類位置

エキゾチックペットの分類表から、両生類と爬虫類の差異をみてみましょう

分類 代表的な動物 呼吸 体温 毛・皮膚の状態に関する特徴
1. 哺乳類
(小型哺乳類)

代表的な動物

ウサギ

フェレット

モルモット

ハリネズミ

フクロモモンガなど

呼吸:

体温:

恒温

毛・皮膚の状態に関する特徴

毛(体毛)で覆われている。

  • ウサギのように毛の密度が高く、季節性の換毛(毛の生え変わり)がある種が多い。
  • 皮膚は犬や猫に比べて薄くて弱いことが多く、傷つきやすい。ウサギは特に薄い。
  • ハリネズミは毛が変化した硬い針を持つ。
2. 鳥類

代表的な動物

インコ

オウム

文鳥

フクロウなど

呼吸:

体温:

恒温

毛・皮膚の状態に関する特徴

羽毛(フェザー)で覆われている。

  • 皮膚は薄く、羽毛の下にある。
  • 羽毛の生え変わり(換羽)がある。
  • 羽を整える行動(羽繕い)を行うための脂腺(尾脂腺)を持つ種が多い。
3. 爬虫類

代表的な動物

カメ

トカゲ

ヘビなど

呼吸:

体温:

変温

毛・皮膚の状態に関する特徴

鱗(うろこ)や甲羅(カメ)で覆われている。

  • 皮膚は乾燥しており、腺がほとんどない。
  • 脱皮を行う(ヘビは全身が一枚、トカゲは部分的に行うことが多い)。
  • 皮膚が非常に硬い(甲羅など)種から、比較的柔らかい皮膚の種までいる。
4. 両生類

代表的な動物

カエル

サンショウウオなど

呼吸:

子:えらと皮膚
親:肺と皮膚

体温:

変温

毛・皮膚の状態に関する特徴

鱗がなく、湿った滑らかな皮膚を持つ。

  • 皮膚呼吸も行っているため、常に湿っている必要がある。
  • 皮膚には粘液腺や毒腺を持つ種もいる。
  • 変温:外界の湿度が変化すると、体温も変化する動物。
  • 恒温:外界の温度が変化しても、体温がほぼ一定に保たれる動物。

両生類とは?

カエル、サンショウウオ、オタマジャクシ、イモリ等の動物が代表です。

幼生期には鰓(エラ)で呼吸しますが、成長すると肺で呼吸します。魚類から進化し、初めて陸に上がった動物です。体表は柔らかく、鱗(ウロコ)や毛や羽を持ちません。
呼吸の半分以上は、皮膚による呼吸によります。尾がある(有尾目)サンショウウオ等と尾がない(無尾目)のカエル(成長すると尾が無くなる)等に分類される。変温動物ゆえに外の温度環境によって自身の温度が変化するので、暑い場合は冷たい場所へ、冷たい場合は暖かい場所へと移動する必要がある。

爬虫類とは?

カメ、ヘビ、トカゲ(イグアナ、ヤモリ、カメレオン)ワニ、昔の恐竜等の動物が代表です。

幼生期から、肺で呼吸ができます。両生類から進化し、初めて陸で生活できるようになった最初の動物です。多くは卵生ですが中には胎生の種類もいます。体表はケラチン質の硬い鱗(ウロコ)で覆われ、素早く動けるように4本の足を持つようになりました。
変温動物ゆえに外の温度環境によって自身の温度が変化するので、暑い場合は冷たい場所へ、冷たい場合は暖かい場所へと移動する必要がある。

両生類と爬虫類の違いとは?

この主な違いは水にあります。あえて言えば魚類から進化した、両生類がまた進化して爬虫類になったとも言えます。魚類は水の中でのみ暮らします。その水から最初に出た(陸に上がった)のが両生類です。しかし両生類は水の近くの陸にあがっただけです。それに対して爬虫類は水から離れて生きることに成功しました。

ゆえに両生類と爬虫類の違いとは、水から出て離れて生きることができるか(爬虫類)出来ないか(両生類)の違いです。

それはまた子孫を残すための卵を、乾燥に強いから陸に生めるか?(爬虫類)、乾燥に弱いから陸に生めないか?(ゆえに水の中に生むー両生類)とも言えます。

また両生類は、卵から返ったばかりの幼生期には鰓(エラ)で呼吸しますが、成長すると肺で呼吸しますが、爬虫類は幼生期から肺で呼吸できます。

両生類と爬虫類の違いを5つの観点から比較

1.皮膚
特徴 両生類 (Amphibia) 爬虫類 (Reptilia)
構造 湿っていて薄い。粘液腺が多く、ぬめりがある。鱗や毛がない。水から離れられない。 乾燥していて厚い。ケラチン質の鱗や甲羅で全身が覆われている。陸上で生活できる。
機能 皮膚呼吸の役割が非常に大きく、常に湿っている必要があるため、乾燥に極めて弱い。 水分の蒸発を防ぐ役割が大きく、乾燥に強い。皮膚呼吸の役割はほとんどない。
2.繁殖
特徴 両生類 (Amphibia) 爬虫類 (Reptilia)
産卵場所 ほとんどの種が水中に産卵する。 ほとんどの種が陸上に産卵する(一部は胎生)。
卵の構造 殻がないか、またはゼリー状の粘膜で包まれている。乾燥に弱い。 カルシウムでできた硬い卵殻をもつ。水がなくても胚が成長できる構造を持つ。乾燥に強い。
幼生期 幼生(オタマジャクシなど)は水中で生活し、変態を経て成体になる。 幼生期がなく、卵からかえった時点で成体とほぼ同じ姿(小さな体)で陸上生活を始める。
3.呼吸
特徴 両生類 (Amphibia) 爬虫類 (Reptilia)
幼生期 鰓(エラ)呼吸が主。 鰓(エラ)呼吸が主。
成体 肺呼吸と皮膚呼吸を併用。肺は比較的単純で、肋骨が未発達のため、口内の底を動かして空気を押し込む喉ポンプ運動で呼吸する。 肺呼吸が主で、皮膚呼吸はほとんど行わない。肺は両生類より発達しており、肋骨が発達しているため、胸郭を動かすことで呼吸する(ワニ、トカゲなど)。
4.窒素代謝物の比較
特徴 両生類 (Amphibia) 爬虫類 (Reptilia)
幼生期 水生のため、毒性が高いが水に溶けやすいアンモニアを主に排出。水棲あるいは半水棲の幼生は排泄を有害なアンモニアで行うが、アンモニアは水溶性のため水のある環境で悪影響はない。 幼生期がないため、該当せず。
成体 主に無害な尿素で排出。 陸棲の爬虫類は鳥類と同じ泥状の尿酸(毒性は低く、水にほとんど溶けない)を排出。水分を最小限に抑えて排泄できるため、陸上での生活に適応している(乾燥対策)。