家禽の飼い方と病気(ニワトリ・ウズラ)
家禽とは
家禽の主な種類は、ニワトリ、ウズラ、アヒル、ガチョウ、シチメンチョウ、ホロホロチョウなどです。
            適切な飼育環境と愛情のもとでニワトリやウズラなどの家禽を飼うことにより、名前への反応や返事など、飼い主と心が通う様子を見せる個体の報告もあります。
法的な扱い
            日本では、ニワトリ、ウズラなどは家畜伝染病予防法の対象となる「家禽」に指定されています。そのため、ペットとして愛玩目的で飼育する場合でも、毎年、飼育状況を都道府県知事に報告する義務があります(知らずに飼育していると法律違反になる可能性があるため注意が必要です)。
住まい(飼育施設
- 環境
 衛生管理が非常に重要です。鳥かごや小屋は毎日よく掃除し、常に清潔に保ちましょう。
- 清掃
 糞尿が乾燥すると、その中の病原体が空気中を漂いやすくなるため、糞尿は速やかに処理します。
- 換気
 羽毛や乾燥した排せつ物、塵埃などが室内に充満しやすいため、室内の換気を心がけます。
- 消毒
 感染症予防のため、ケージや飼育器具は定期的に洗浄・消毒し、日光消毒も活用します。
- 野鳥対策
 高病原性鳥インフルエンザなどの侵入を防ぐため、野鳥の侵入を防ぐ対策(防鳥ネットなど)を徹底し、野鳥との接触を避けましょう。
食餌
- 主食
 種類や目的に合った、信用できるメーカーのペレットフードを主食とすることが、栄養の偏りによる疾患の予防に繋がります。
- 補助食
 ビタミン・ミネラル補給のため、小松菜・チンゲン菜などの野菜や果物を補助的に与えます
- 動物性タンパク質
 ウズラなどは、ミルワームなどのエサ用昆虫で動物性タンパク質を補給することもあります。
<注意点>
- 新鮮さ
 飼料や水は新鮮なものを与え、残って汚れた物はすぐに捨てましょう。
- 生肉
 生肉や加熱不十分な肉には食中毒菌や寄生虫が存在する可能性があるため、絶対に与えてはいけません。
飼う場合の注意点
過剰な接触を控える: 細菌やウイルスが鳥の口の中や爪にいる可能性があるため、口移しでエサを与えたり、スプーンや箸を共用したりするのは避けましょう。布団に入れて寝るなどの過剰な濃厚接触も避けるべきです。
            手洗い: 鳥に触った時や、鳥かごなどの掃除をした後は、必ず流水で十分に手を洗い(うがいも効果的)、うっかり自分の目や口に触れて病原体を入れないようにしましょう。
健康観察
            鳥は病気の進行が早いため、普段から**食欲、糞便(下痢、血便など)、挙動(うずくまる、口を開けて呼吸する)**などをチェックし、異常があればすぐに獣医師の診察を受けさせましょう。
日々の様子を日誌につけておくと、病気になった際の診察に役立ちます。
            法令遵守: 家畜伝染病予防法に基づく、都道府県への飼育報告を必ず行いましょう。
疾病、人獣共通、予防
- 罹りやすい疾病
 高病原性鳥インフルエンザ (HPAI)、ニューカッスル病(ワクチンが有効な場合あり)、マレック病(ウズラなどにも発生、ワクチンが有効)、細菌性疾患(サルモネラ症、ブドウ球菌症など)、寄生虫症(条虫症、外部寄生虫症など)。不適切な食餌による肥満や生殖器疾患も多い。
- 人獣共通感染症 (ズーノーシス)
 サルモネラ症:食中毒の原因。オウム病(クラミジア感染症):鳥から人に感染し、重い風邪のような症状を起こす。カンピロバクター症、鳥インフルエンザ(濃厚接触による感染リスク)。
- 予防(鳥の健康管理)
 飼育環境の清潔保持(ケージ・器具の消毒)、栄養バランスの取れた食餌(ペレット中心)、新鮮な水と餌の提供、異常時の早期受診、必要に応じたワクチン接種(マレック病など)。
- 予防(人への感染防止)
 手洗い・うがいの徹底、過剰な接触を避ける、糞尿の速やかな処理(清掃時のマスク・手袋着用)、換気の徹底、野鳥やネズミなどの侵入防止。鳥が産んだ卵をむやみに生食しない。
