三鷹獣医科グループ

猫

動物別情報

猫に必要な理想的な予防プログラムとは?

-本当に必要な予防プログラムを受けていますか?-

最も重要なことは、初めの診察の際に、よく飼育環境等を話して、あなたの猫に最も適応した、あなたの猫だけのための予防プログラムを身体検査した、獣医師に提示(世界で1つだけの?)してもらうことです。これらのことによって、より早く病気の発見ができ、飼育上の注意点が明らかとなり、驚くほど将来の病気の予測ができ、病気の早期発見に役に立ちます。

特異的な病気(感染症等)にかかるリスク(危険率)は、以下のことが関係します。
  1. 猫の種類
  2. 猫の年齢
  3. 猫の性別(避妊、去勢をしてあるか?何時したか?)
  4. その猫の飼育環境(多頭飼育、室内猫、室外猫、その割合、地域猫)
  5. その猫の健康状態
  6. 他の猫との接触の程度
  7. 地理的な病気の流行
  8. 飼い主のライフ・スタイル
  9. その猫の性格その猫の家族歴

以上の項目を獣医師は考慮して、健康診断、身体検査を行います。最低限、少なくとも、年1回の詳しい身体検査は猫の健康の評価に必要であります。またワクチン接種に関しても、その必要性に影響する生活様式の変化や、その病気の流行を考えながら、考慮することも大切です。例えば、状況によって1年以降は2~3年に1度のワクチン接種でもその効力に変化がないという、報告があるからです。これらの予防方法は、飼育の状況によって変化しますので、ご相談ください!

猫に必要な理想的予防プログラム

生まれた日
  • 各々の猫の体重(約10日で2倍となります、料理用ハカリでもOK、以後毎日測定)
  • その他性別、特徴、初乳を飲んだか(24時間以内のお乳)の記録をする。
3週令
  • 身体検査(体重、体温、視診、聴診、触診、口内、歯、耳、眼、皮膚、体表等の検査)
  • 糞便検査(原則として2種類以上の検査項目が必要です)
  • 食餌療法の指導(若齢食についての相談等)
6~8週令
  • 身体検査(体重、体温、視診、聴診、触診、口内、歯、耳、眼、皮膚、体表等の検査)
  • 糞便検査(予防接種の前には、ぜひ必要です)
  • 3種混合ワクチン(2~4週間毎)
  • 猫の躾(しつけ)についての相談
  • 食餌療法についての再指導(量、回数、食欲、食べ方、好み等)
16週令以降
  • 身体検査(体重、体温、視診、聴診、触診、口内、歯、耳、眼、皮膚、体表等の検査)
  • 糞便検査(以後、原則として室内猫半年~1年毎、室外猫3~6ヶ月毎)
  • 3種混合ワクチンの追加接種
  • 猫白血病ウイルス(FeLV)のワクチンの2回目の接種
  • 不妊手術の相談をする時期です
  • 猫の躾(しつけ)についてのその後の追加の相談
  • 歯磨きの指導をうけましょう
  • ノミ予防スケジュールの相談
  • 食餌療法についての再指導(量、回数、食欲、食べ方、好み等)
  • 3種混合ワクチン追加接種(以降3年毎)または3種混合ワクチンの抗体価検査
6ヶ月~1歳令
  • 身体検査(体重、体温、視診、聴診、触診、口内、歯、耳、眼、皮膚、体表等の検査)
  • 糞便検査(以後、原則として室内猫半年~1年毎、室外猫3~6ヶ月毎)
  • 食餌療法についての再指導(量、回数、食欲、食べ方、好み等)
  • 猫の躾(しつけ)についてのその後の追加の相談
その後毎年
  • 身体検査(体重、体温、視診、聴診、触診、口内、歯、耳、眼、皮膚、体表等の検査)
  • 臨床検査(必要に応じて糞便検査、尿検査、血液検査、生化学検査等)
  • 3種混合ワクチン(以降1~3年毎)
  • 食餌療法についての再指導(量、回数、食欲、食べ方、好み等)
  • 猫の躾(しつけ)についてのその後の追加の相談
7歳齢以降
半年毎の検査
  • 身体検査(体重、体温、視診、聴診、触診、口内、歯、耳、眼、皮膚、体表等の検査)
  • 臨床検査(特に腎疾患の検査を中心として、尿検査、血液検査、生化学検査等)
  • 食餌療法の指導(高齢食への切り替え時期についての相談等)

猫における理想的な予防接種

1ヶ月(4週令) 糞便検査と身体検査
※多頭飼育・外猫等の環境の場合のみ、初回の3種混合ワクチン
2ヶ月(8週令) 初回の3種混合ワクチンと身体検査(できれば同時に糞便検査)
3ヶ月(12週令) 2回目の3種混合ワクチンと身体検査(できれば同時に糞便検査)
12ヶ月(1歳令) 3回目の3種混合ワクチンと身体検査
12ヶ月以降は原則3年毎 3種混合ワクチンと身体検査
2ヶ月(8週令)を過ぎて1歳未満での来院 原則として3~4週間隔で2回接種とする。その場合1年後に再接種する
ワクチン未接種で1歳未満での来院 1回接種して、さらに1年後に再接種する
猫の白血病ウイルスの感染の危険のある猫についてのFeLVワクチンについて 1歳齢、までに猫用5種混合ワクチンを8週、12週、1歳に接種し以降の追加接種間隔は1年毎。又はFeLVワクチン単独にて別の部位に接種する(3種混合とは1週間以上の間隔で別の部位に接種)

※とくにFeLVワクチンは注射後の1ヶ月に、注射部位が腫れたり、硬くなったりする状態(この場合は以降ワクチンは不可)があるか、確かめる必要があります。症状が出た場合、2ヶ月未満にその部分を切除して病理検査を必ず行う必要があります。

※原則的に健康な猫にワクチンを接種しますが、急な外科手術や病気の回復期に感染の恐れがある場合の未接種猫には、例外的にワクチン接種をする場合があります。

※特異的な感染症にかかるリスクは、猫の年齢と健康状態、他の猫との接触の程度、疾患の地理的な流行によって様々です。

※少なくとも年1回(7歳以降は年2回)の健康診断の際の身体検査は、猫の健康の評価に必要であり、またその年のワクチン接種の必要性に影響する生活様式の変化やその病気の流行を考慮することも大切です。

※ワクチン接種後まれに1時間前後でアナフィラキシー(過敏反応・・・顔が腫れる・元気喪失・発熱・蕁麻疹等)が起こることがあります。できれば注射後はすぐに帰らずに様子を観察することをお勧めします。

※その他、歯石予防のための歯磨きの方法指導プログラムやノミの予防スケジュール等スケジュール等があります。これらの予防方法は、飼育の状況によって変化しますのでご相談ください!