三鷹獣医科グループ

猫

動物別情報


飼い主様へのアドバイス

動物はなぜ病気になるのでしょうか?人間みたいに自身で体に悪いことは、してないのに?

  1. 犬と比べると輸液の必要量が違う。同じ大きさの犬ほどに多くの輸液を必要としません。
  2. 高齢になると犬は心臓病が多くなるが、猫は腎臓病が多くなる。この違いは検査する対象を示します。
  3. 猫は犬と比べてステロイド(副腎皮質ホルモン)に強く、副作用はより少ない。
  4. 猫の黄疸は犬と違って、原因は1つではなく複数に原因がある。このことが治療をむずかしくしている。
  5. 猫は犬と違い、膵炎、肝臓病、腸炎は深い関係にある。糖尿病や慢性腎炎との関係も疑われている。
  6. 猫は犬と比べてより伝染病に罹りやすいので注意が必要である。特に他の猫に接する機会が多い。
  7. 猫の心臓病は多くは心筋症で、犬の心臓病で小型犬に多い弁膜症とはかなり違います。
  8. 猫は興奮によって、簡単に血糖値が高くなります。これが糖尿病と間違いやすのです。
  9. 猫と犬では肝臓の代謝が、かなり違います。この意味は治療上の問題としての違いもあります。
  10. 猫の栄養は犬と違い大きな点は、タウリンとアルギニン、アラキドン酸、ビタミンAが必要になりなす。
  11. 猫は肉食獣で、犬は雑食獣です。猫は犬より高蛋白質の食事が必要です。治療も違ってきます。
  12. 猫の気管支炎は、犬とは違い多くは、アレルギー性で喘息です。特にシャム系の猫が多いようです。
  13. 猫は心臓が小さいので、心室細動は普通起こらないが、心臓が大きくなると起こることがあります。
  14. 猫の不整脈は、ほとんど抗不整脈剤では治せません。その原因の治療がより重要となります。
  15. 猫の心臓病のサインは、犬のように咳でなく、呼吸困難です。その症状は動物種によって違います。
  16. 猫が咳をするのは比較的まれで、喘息か心臓糸状虫症(フィラリア症)が疑われます。
  17. 猫が高齢のその病気の原因は、90%は腹部にあり、腹部超音波検査が診断のカギとなります。
  18. 猫の肝臓病は、胆管炎/肝炎胆管肝炎、膵炎、肝リピドージス等と関係があります。
  19. 猫の胆管炎/肝炎胆管肝炎は、その後炎症性腸疾患を引き起こすことがあります。
  20. 猫が外で鳥を食べたと考えられる場合は、サルモネラの感染を疑います。
  21. 猫は犬に比べてより頭部にカビの一種である、クリプトコッカスが感染する機会があります。
  22. 猫の伝染病に眼底の検査をすると、FUV、FeLV、トキソプラズマ等の感染が示唆されることがあり。
  23. 猫が高齢の場合、全身性高血圧症が発症することがあり。高齢の猫は血圧の測定が重要となる。
  24. 猫は高齢になると甲状腺機能が亢進することがありますが、犬は高齢になると多くは低下します。
  25. 猫の体表の出来物は80%悪性だが、犬は80%良性である(乳腺腫瘍を除く)。
  26. 猫は犬と比べて、肺の容積が少なく、犬より少し気管支炎、肺炎になりやすい。
  27. 猫は犬と比べて、体重が軽く、整形外科疾患は犬のような固定はあまり必要がないことが多い。
  28. 猫は犬に比べて、上部気道感染症の罹る率が多いことが知られている。
  29. 猫は胆嚢との胆管が犬より太く、短くなっています。この解剖学的な違いが治療にも影響します。
  30. 猫では、犬と違い副腎皮質機能亢進症はきわれてまれです。犬では比較的良くみられます。
  31. 猫は低カリウム血症、有機リン中毒、チアミン欠乏、が起こると、頭部が下へ屈曲する。
  32. 猫の肺水腫のX線のパターンは、犬とは大いに違います。一定のパターンがありません。
  33. 猫の化膿した眼球炎は摘出しないと全身性の疾患へと広がる場合があります。
  34. 猫は犬と比べて、尿の濃縮能が高く、尿の比重が高いことが知られています。
  35. 猫は三次元の動物と言われ、猫の住みかには、より高いところを設けると猫はより落ち着きます。
  36. 猫は犬と違い糖尿病の治療は、経口の血糖降下剤のみで有効なことがあります。
  37. 猫は犬と違いインスリンが不必要なタイプの猫が約30~50%存在する。食餌療法にて減量すると良い
  38. 猫の糖尿病は診断が犬よりむずかしい。特に興奮し易い猫はより診断がむずかしいものである。
  39. 猫の糖尿病は治療も犬より一般にむずかしい。猫は犬より、治療に反応ない。
  40. 猫では血糖値の閾値(血液から尿へ糖が出る値)が高い犬より高い。
  41. 血糖値の曲線は、猫は犬と違って、1~1.5時間おきに測定するのが良い方法です。
  42. インスリンの抵抗性の問題は、猫の場合は犬より少ないといわれています。
  43. インスリン治療は犬と違い、猫は長時間作用のインスリンから通常から始める。
  44. 猫には一過性糖尿病とか潜在性糖尿病と呼ばれるタイプ(15~20%)がある。
  45. 猫は犬より、家庭での尿によるモニター(血糖がでるか)がしにくい。
  46. 猫の糖尿病の食事療法にては、犬のように高炭水化物は適さないとの報告があります。
  47. 猫の糖尿病は、犬より糖尿病性の白内障はあまり起こりません。症状もあまりはっきりしません。
  48. 猫の膵炎は犬の膵炎のように嘔吐は、一般的ではありません。20~30%前後で認められます。
  49. 猫は犬と比較すると、輸液の際により肺水腫になりやすい。それゆえに注意が必要です。
  50. 猫の抗癌療法は犬と違い、シスプラチン、5FU等の通常の使用は禁忌である。使用しません。
  51. 猫の治療の原則は、猫は飢えさてはいけない、食べないと体が維持できないと言う原則がある。
  52. 猫の病気の最初のサインは食欲不振が多い、ゆえにその後の診断が重要となるのである。
  53. 猫のAPT(肝臓の酵素の検査)の上昇は6時間で、犬の72時間とは大いに違い意義がある。
  54. 猫に長期間作用のステロイド(デポメデロール)を繰り返すと、うっ血性心不全が発症することがある。
  55. 猫に錠剤を投与する際には、食道の狭窄に気をつける。特にビブラマイシンはそうである。
  56. 猫の膵炎にはステロイドを使用する場合があっても、犬の膵炎には通常は使用しません。
  57. 猫の門脈大静脈短絡は、犬と違い流涎と発作の症状が多い、また銅色の虹彩が見えることがあり。
  58. 猫の角膜は通常の犬とくらべて、かなり鈍感である。それゆえに病気の発見が遅れる場合があり。
  59. 猫に抗生物質のベイトリル(Baytril)を、2.5mg/kg、1日2回以上投与すると網膜疾患の可能性あり。
  60. 猫に聴診器を強く当てると雑音が聞こえる(胸が柔らかいので)ことがあるので注意する。
  61. 猫の聴診のコツは左右より、胸骨の部分にて聴診することである。必ず胸骨からの聴診が必要です。
  62. 猫はストレス状態が強いと、聴診にて雑音が聞こえることがあります。体位の変化で音も変化する。
  63. 猫の無害性の雑音は、胸骨と右心側に聞こえることが多い。部位も変えて聞く必要があります。
  64. 猫の視力は犬より少し悪い、猫は視力表で上から2番目まで見え、犬は3番目まで見える。
  65. 猫の眼底は犬とは違い視神経乳頭が丸く、また血管の入り込みが、直接入り込まないように見える。
  66. 猫の骨肉腫は犬と違い、断脚のみで通常は予後は良い結果が得る。転移はまれです。
  67. 猫の骨肉腫は犬と違い、後肢(2/3)の方が前肢(1/3)より侵されやすい。部位が犬と違います。
  68. 猫の骨肉腫は、犬と違い、四肢は半分(犬は75%)しか発症しない。1/4が骨格、1/4が骨格外。
  69. 猫の骨肉腫は、犬と比べると、転移することはまれ。特に診察時の転移はきわめてまれである。
  70. 猫の膀胱炎には、犬と違い間質性膀胱炎が起こることがあることが知られている。
  71. 猫は犬と違い、慢性腎疾患の場合、中等度~重度でやっと、蛋白制限食を行う。
  72. 猫は犬とは違い、糖尿病で糖尿病性神経症が起こることがあるのが知られている。
  73. 猫は犬と比べると尿路感染症は少ない、ゆえにこの病気で抗生物質を使用する機会も少ない。
  74. 猫は2種類の網状赤血球が存在することが知られている。
  75. 猫は独自な猫の喘息が存在する、アレルギー性気管支炎、気管支喘息、好酸球性喘息等呼ばれる。
  76. 猫は犬に比べて慢性の鼻汁の病気が多い、原因はウイルス、細菌感染、異物、腫瘍、カビ等です。
  77. 猫は犬に比べて発熱するが、ときにその原因の解明はむずかしい場合があります。
  78. 猫にはアセトアミノフェン(解熱剤)を投与しないよう注意する。中毒になり易いからである。
  79. 猫のカロリー要求量は、体重(Kg)×30+70である。肥満猫にはこの約70%を分けて投与する。
  80. 猫で食欲があるのに体重が減少する病気は、糖尿病と甲状腺機能亢進症が代表的な病気である。
  81. 猫の皮膚糸状菌症は犬の場合より慢性化する場合がありうる。根気良い治療が必要となる。
  82. 猫の心臓病は多くは、肥大性心筋症で、犬のように拡張期性心筋症ではありません。
  83. 猫の独自のウイルス感染症は猫白血病(FeLV)、猫の免疫不全(FIV)、猫伝染性腹膜炎(FIP)です。
  84. 猫は犬より外傷が多く発症します。多くは雄のケンカによるもので、多くは去勢にて防げます。
  85. 猫の口内炎は犬にくらべて重症な例が多く、多くはリンパ球性プラズマ細胞性口内炎です。
  86. 猫は犬と違い数日間、食べないと肝リピドージス(脂肪肝)となることが、まれですがあります。
  87. 猫は犬よりも、高いところから落下する事故が多く起こります。これは高所落下症候群と呼ばれます。
  88. 猫には独自の好酸球性増多症候群と言う病気があり、抹消と臓器に好酸球性が増加すます。
  89. 猫を輸液はカリウムの変動に注意。輸液するとカリウムが減少する傾向があるからです。
  90. 猫の異物には線状異物と言う、長い糸のようなものが、腸管に詰まることがあります。
  91. 猫は犬より便秘が多く発症します。一部の猫は結腸が大きくなり、巨大結腸症と言う病気になる。
  92. 猫は犬より膿胸になる、多くは慢性の肺炎等からの継続で胸の中に膿がたまり呼吸困難となる。
  93. 血栓栓塞症は心筋症の際に見られる、猫の独自の病気です。急に後肢が使用できなくなります。
  94. 長毛の猫には、まれに毛球症(胃の中に毛が詰まる状態)が起こることがあります。
  95. 猫は歯に外部吸収病巣と言う猫独自の歯の病気が存在する。歯頚部病巣とも言われる。
  96. 猫白血病ウイルスのワクチン接種の際にまれに、ワクチン関連性の肉腫(腫瘍)が発症することあり。
  97. 猫は犬よりも横隔膜ヘルニアになり易いようです。これは特に外傷の際に発症することがあります。
  98. 猫が特に高所からの落下の際に、口内の軟膏外が破裂し、口蓋裂傷と言う状態になることがある。

動物病院にて以下のようなことがあれば、もう一度考えましょう!

元気なし、下痢や嘔吐で、熱があり、動物病院へ行くと・・・

はい、「風邪」ですと言われました。

あなたの猫が病気で動物病院へ行くと、「風邪」ですと言われたことはありませんか?猫の風邪、これはまぎわらしい表現です。病名でもありません。なんでも人間の風邪と似たものとして、説明し、その病気の原因を探らずに、何か治療しょうとする心がけです。本来猫に「風邪」と言う病名はありません。私の病院には米国、英国の主な獣医学書がありますが、猫に「風邪」と言う項目、病名はありません。猫に存在しない病気、風邪(人間には風邪症候群として記載はあります)を、人間にように、風邪だからしょうがない、と説明する、非常に不適切な表現です。しかし猫で、伝染性鼻腔気管支炎と言う病気は、結膜炎、クシャミ、発熱を伴い、人間の風邪の症状にあまりにも似ています。英国の獣医学書に昔は「猫の鼻風邪」としての記載は過去あります。しかしあくまで説明のための表現で、病名ではありません。

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慢性腎不全といわれました、これからどれだけ生きられるでしょうか?・・・

その原因の程度によります。

猫が高齢になると慢性腎疾患になる確率が高くなります。猫の慢性腎炎(猫の進行性腎疾)、猫の貧血、猫の腹水、猫の心不全等は、診断名ではありません。病気の反応を示した症状です。厳密に言うと、原因がわからないと、診断が付かないと、治療はその原因に迫れず、対症療法(支持療法)となります。その病気がむずかしいとしばしば診断がつかないことがあります。例えば俗に猫の慢性腎炎(慢性的に腎臓が悪いと言うだけ)と言われる状態の主な病名には以下があります。

間質性腎炎 両方の腎臓が小さくなるもので、瘢痕性腎炎とも呼ばれます。これは治療は内科療法で一般的な治療となりますが、症例によっては腎臓の移植が適応となることもありますが、いろいろと問題もあります。
腎盂腎炎 腎盂に細菌が集まります。治療には輸液と共に抗生物質が必要です。
糸球体腎炎 俗にネフローゼ症候群とも呼ばれ、治療にはステロイド等を使用します。
水腎症 通常は片方だけ多く大きくなります。治療は外科手術です。最終的には大型腎/小型腎症候群と呼ばれる状態になります。
多発性腎嚢胞 腎臓にいくつもの嚢胞ができます。ペルシャ猫に多発します。これも最終的には大型腎/小型腎症候群と呼ばれる状態になります。
アミロイドージス アビシニアンに素因を持ち、腎臓にアミロイド(腎類澱粉症)が沈着します。
腎リンパ腫 これは猫の代表的な腫瘍です。多くは両測性ですが、片側性の場合は摘出します。抗癌治療が通常選ばれます。

それゆえに高齢猫に多い、慢性腎不全(進行性腎疾患)の、その病気の原因を分類できることが、理想です。それを見つけることが、出来なければ、本来の原因となっている病気を治せないことがあるからです。

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出来物(腫瘍)を見ただけ触っただけで、はいこれは「癌」でしょう・・・

はい、これ(アガリスク?)でもあげて

見ただけで、触っただけ言うのは、飼い主に治療を諦めさせるため暗示?このようなことを言うのは、飼い主に治療をあきらめさせる、獣医師側の暗黙のサイン?かもしれません。

必ずその出来物を調べるのが、獣医学の常識です。癌でないかもしれませんし、癌(癌はたしかに多いが?)であっても、問題はその種類です。癌の半分は適切に治療すれば治ります。癌は、「早期発見、早期治療」が医学の原則であり常識です。時間がたてば、治療に反応しにくくなります。これは治療の機会を逃すことにもなります。皮膚の塊を見ただけで癌?です、はいこれ(アガリスク?)でもあげて、様子みてください?と言うのでは、あまりにも獣医学が不十分です。どう考えてみても人間の病院で、そんなことは、ありえない、起こりえないことでしょう。これは別にアガリスク茸(当動物病院でも、これらの椎茸類の製剤は使用しています)を否定しているのでは、ありません。しかし、見ただけで、触っただけで、はいこれは「癌」です又は、これは癌でしょう?はいアガリスク茸では、そんな使用法をされては、アガリスク茸が泣きます。本来の使用法ではないからです。

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咳が出て止まらないのです、薬をかえても治らない、なぜですか?・・・

その原因は調べましたか?

問題は、飼い主が検査を拒否した場合は話は別ですが、その獣医師が何を調べて、咳の原因としたかです。少なくても病歴の聴取、身体検査、心電図、胸部X線検査等は必要です。猫では続けて、吐くような咳をすることがあります。これは猫の喘息とか猫のアレルギー性気管支炎とか、猫の好酸球性気管支炎とか、いろいろな病名で呼ばれている、猫独自の病気がありますが、まづはこれを疑います。シャム猫は素因があるようです。前触れもなく、急に立ち止まって、ゲー、ゲーします。数回すると、ケロとして、又もとの普通の猫に戻ります。診断には気管洗浄も必要になることもあります。気管支が問題の場合は、咳が長く続く場合は気管支を洗浄して、なにがあるか、細菌(培養する)、アレルギー(好酸球あり)、ガビ(酵母菌)、腫瘍(腫瘍細胞)と、なにが見えるかによって診断し治療します。このような手順で診断しても、一部の咳は止まらない難治性の場合もあります。上記のこと、特に心電図、胸部X線検査、気管洗浄等を、ほとんど行わずしては、良い医療とは言えないでしょう。

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吐いたり、下痢したりで、病気で動物病院へ行くと・・・

はい、「中毒」ですと言われました。

食欲不振、吐いたり、下痢したりの症状で、身体検査のみで、まして別に飼い主の訴えがないのに、はい、中毒です。と言う言葉ですますのは、短絡的です。動物の医療は、飼い主の訴えが非常に大切です。なにか中毒に思い当たる場合は別として、中毒の診断の診断するのは、なかなかたいへんです。飼い主は、いろいろな状況において、あらゆる可能性を獣医師に知らせると良いでしょう。各々の中毒は、その毒の種類によって各々診断が違うのです。ただ血液検査で肝臓の数値が異常?と言って中毒を疑っては、これも不十分の獣医療です。中毒は注意深い、病歴の聴取と、各種の身体検査、臨床検査、その他、その中毒の独自の検査が多くは必要です。

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吐いたり、下痢したり、病気で動物病院へ行くと・・・

はい、「ストレス」ですと言われました。

なにか異常があると、なんでもストレスと言うのは、病気の原因を追究しようとしない、獣医療の代表です。特に検査して何も異常がない(何の検査をしたかにもよりますが)からと言って、その原因をストレスとされては動物がかわいそうです。ストレスが原因とされるのは、非常にまれ(厳しい訓練中のシェパードなどでは報告があります)で、その診断には大腸の生検(その一部を採取)が必要になります。

ですから動物とは易しく接して、動物の好む動機づけ(強制によらない)での、よい躾をしましょう。

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皮膚の脱毛、その部分の毛が抜け落ちている・・・

これはストレスによる円形脱毛症です。

また動物もストレスが原因で、「円形脱毛症」になる?そんな報告は、世界の獣医学術文献でどこにもありませんし、また発表もありません、これは人間であるから、動物もあるであろう?そしてそれが、いつのまにかに、ある?とすり替えられることが、動物医療には、ままありますが、この「円形脱毛」が最たるものでしょう。

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病気の原因は、貧血だと言われた、できるだけ治療してみましょうか?・・・

と言われました。

貧血(血液量が不足している)や腹水(お腹に水が貯まっている)は、病名ではありません。病気を示している症状、病気の反応による結果です。問題はなぜ貧血しているのか?その原因を突き止めるのが獣医師の役目です。貧血の原因である、その病気の原因を見つけて、それを治療します。少なくともその貧血が、再生性(血液が作られているが、すぐに壊れるので、血が足らなくなる)か、非再生性(血液が造られていないから、血が足らなくなる)かわ最低限区別すべきです。そのためには、血液検査以外の検査も必要になります。しかし重度の貧血はしばしばその治療は、むずかしいことがあります。

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病気が診断されたら、その診断の根拠を聞くのも良いことです・・・

これをいやがるのは要注意。

もし診断が付いたと思われたら、その診断の根拠を聞くと良いでしょう。何を元に診断をくだしかです。もし検査の結果があるなら、その数値と共にぜひ記録用紙をもらいましょう。問題は、確かな獣医学の根拠に基づいた診断であるかです。これを「根拠のある獣医学」とか、「科学的に裏づけられた獣医学」、「科学的に証明された獣医学」とか言います。治療についても同様です。その診断した獣医師の自己流で診断されたものでなく、広く受け入れられている方法で診断(治療も同じです)されることが重要です。しかし根拠に基づかない診断、治療がすべて良くないと言っているのでありません。その根拠にもいろいろな程度があるからです。根拠に基づかないと思われる場合は、あらかじめ飼い主に説明してから行うのが、理想の獣医学です。

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高齢だから検査できない?と言われた。・・・

この言葉をくり返す。

この意味は、検査をする気がない、と解釈して良いでしょう。理由は恐らく、検査をするのがめんどうだ、検査をする設備がない、する人員がない、検査しても結果を判読する能力がないからしない(これは正統な理由かな?)と言う理由でしょう。要するにできないことはしたくない、との逃げ口上と解釈してよいでしょう。高齢は病気ではありません。

但し本当に問題点となるのは、行動上に問題のある動物です。例えば人間を見れば噛み付く、襲い掛かる犬猫は問題があります。しかし現代獣医学はそんな場合は、うまく精神安定剤を使用するなり、その他のいろいろな手段を用いて、落ち着かせます。多くの検査は一次検査(ほとんどストレスなく行える検査)で動物を横にしたり、採血をしたり、するだけのものなのです。

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高齢だから麻酔、手術できない?そのまま様子みましょう。・・・

この言葉をくり返す。

これは殆どの場合、その獣医師の獣医療上の技術上の問題であって、私には(私の獣医療技術では)できない危険です、と言う意味でしょう。ある意味では正直な答えです。または私はしない(これも重要です、できないものはできないのですから、これも真実の訴え?)と言うことでしょう。

より専門的な動物病院では、多くの場合、どんな高齢動物も、ちゃんと術前の検査して、その検査に合格すれば、多くの場合、麻酔(最近のより良い麻酔薬を用いれば?)や手術(その内容にもよりますが)ができるものです。この問題は微妙ですが、本来手術すれば、助かる、寿命が延びる可能性がある動物がときどき、この問題でむずかしくなるようです。

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皮膚に1cm以上の出来物(腫瘍?)あるのに、もう少し様子みましょう?・・・

と言われた。

出来物(腫瘍?)の治療の原則は、小さい内に発見して摘出することです。そしてそれが腫瘍か?また腫瘍であれば、どんな腫瘍か?調べます。それは腫瘍の種類によって治療法が違うからです。「もうすこし様子をみましょう」とか、「たぶんそのうちになくなるでしょう」と言う言葉は、禁句です。見た目ではわかりません。もしその腫瘍が悪性なら、癌の治療の原則は、「早期発見、早期治療」(治療や診断は早い時期の方が良いと言う意味です)は獣医学でも同じです。

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嘔吐、下痢が3ヶ月も続いていますが・・・

いろいろ違う薬剤を処方する、を返すだけ。

長期間(2~3ヶ月以上)の時々の下痢や嘔吐の原因をしらべるには、通常の検査以外に、多くの場合内視鏡(胃カメラ)が必要となります。これは胃や十二指腸の腸の一部を内視鏡で採取して、それを病理検査にて、どんな状態であるかを調べる、鑑別するのが、現代獣医学の常識です。内視鏡で調べると、多くはリンパ球性プラズマ細胞性胃腸炎が多いのですが、問題は治療です。特にタンパク質が低い、低蛋白血症の猫はさらに治療が難しくなります。下痢や嘔吐が止まらない、そんな場合は、サルモネラ、クリプトスポリジウム、ジアルジア、クロストリジウム・パーフリンゲン、細菌の過剰繁殖等を調べた後、まずは内視鏡の検査による、生検又は及び開腹による腸管の全層の生検(これで最終的にリンパ腫と判る場合がある)が必要となります。

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おもちゃを飲み込みました、X線検査で胃にあります・・・

すぐお腹を切開して取り出しましょう。

もし猫が異物を飲んだ場合、まだ胃の中にある場合は、約75%は、内視鏡(胃カメラ)で取り出せます。まずは、獣医師は吐かせて安全かを考えます。吐かせて危険と思われる場合(何か鋭敏な角度のある異物等)は吐かせません。次に内視鏡での摘出が可能であるかを考えます。必ずしも腹部を切開する必要はありません。

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歯が臭く、虫歯と言われましたが・・・

猫にも虫歯ありますか?

猫で口が臭いから虫歯があると言うのは、間違いです。口臭の多くの原因は歯周病です。猫に虫歯(う蝕)もありますが、比較的まれと考えて良いでしょう。猫の歯の役割は、人間のように臼(うす)のような、噛んでこする(咀嚼)のではなく、ほとんどの歯は咬合することないからです。歯は食べ物を細かくする(ゆえに小さい食事を与えれば歯がなくても生きられます)、相手の攻撃から自身の身を守る(又は武器として)、獲物を取る武器としての3つの働きがあります。できるだけ、2~3ヶ月以上になったら、

できれば毎日(週1回でも効果あります)、同じ場所、同じ時間に歯を磨きましょう。初めての動物を動物病院へ行って、予防接種の際などに、歯磨きのことをきけば、きっとその動物病院は飼い主にとって指導の良い動物病院です。

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胃液(黄色い液を)を、吐いて動物病院に行きましたが・・・

胃液を吐いたのですね胃炎です。

黄色い液を吐くことは、さほどめずらしいことではありませんが、それは胃液ではありません。それは胆汁液です。もう胃のなかに食事がなく、それでも反射運動によって、吐いている証拠です。胃液の場合は、無色透明です。問題はなぜ吐いたかが重要です。時にそれをしらべるのは、むずかしいのですが、基本的には、いままでの環境の変化を調べるのがまづ行うべきことです。

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ステロイドを長く与えているのですが、多飲多尿、多食になりました・・・

どうしたら良いのですか?

何かの病気例えばアレルギー性皮膚炎の痒み等の治療の際、ステロイド(副腎皮質ホルモン)を比較的長く使用することも、ありますが、その副作用について、飼い主の方は、あらかじめその説明を聞いておくべきです。問題はどんな種類のステロイドをどんな量、どの位の期間、飲ませたかによります。その副作用の現れかたは、猫の状態等によっても違ってきます。猫は本来、ステロイドにたいして強いのですが、それでも限界もあります。一般的に言って、猫はステロイドに対し、人間より5~10倍は抵抗性(強い)があります。ステロイドの使用をやめると、その病気の症状がまた出てくるから、やめられないと言う論理です。段階的に減少していく(例えば1日ごとの投与等)のが普通のやり方です。もしステロイドを減少したり、止めると症状がでる場合は、他の薬剤に換えたり、減少したりして調節します。しかし最近、猫でのステロイド療法によって、うっ血性心不全が発症することがある、と言う報告があり、臨床獣医師は注意深く注目しています。

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最近、注目されている猫の主な病気とは何か?
  • 猫の高血圧症
    この病気を調べるためには、猫の血圧が測定(非観血的測定)できる、特別な血圧計が必要です。
  • 猫の網膜疾患
    この病気を調べるためには、眼底鏡が必要です。猫は網膜の変性をきたす事があり、猫の臨床では、網膜を調べることが、とても重要です。
  • 猫の甲状腺機能亢進症
    高齢の猫にまれに発症します。米国では高齢猫では、一般的な病気ですが、我国でも近年この病気の発症が増加しているようです。
  • 猫の主な伝染病
    猫の猫白血病ウイルス
    猫の免疫不全症
    猫の伝染性カルシウイルス感染症
    猫の伝染性鼻腔気管支炎
    猫の伝染性腹膜炎
    猫の汎白血球減少症
  • 猫の泌尿器の病気
    下部尿路疾患
    猫の膀胱炎
    猫の尿道狭窄
  • 猫の内分泌の病気
    猫の糖尿病
    猫の甲状腺機能亢進症
  • 猫の心臓病
    猫の心筋症
    猫の先天的心奇形
  • 猫の慢性進行性腎疾患
    猫の萎縮性腎炎(間質性腎炎)
    猫の多発性腎嚢胞
    猫の腎盂腎炎
    猫の腎結石
    猫の腎腫瘍
  • 猫の腫瘍性疾患
    猫のリンパ腫
    猫の肥満細胞腫
    猫の乳腺腫瘍
  • 猫の口内炎
    リンパ球性プラズマ細胞性口内炎
  • 猫の高血圧
    猫の全身性高血圧症
  • 猫の皮膚病
    猫の粟粒性皮膚炎
    猫の好酸球性肉芽腫疾患
    猫のノミアレルギー性皮膚炎
    猫のツメダニ
    猫の食事性アレルギー
  • 猫の黄疸
    猫の膵炎
    猫のリピドージス
    猫の胆管炎/肝炎胆管肝炎
    猫の糖尿病
  • 猫の消化器病
    猫の炎症性腸疾患
    猫の巨大結腸症
    猫の好酸球性胃腸炎

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あなたの猫の最適な予防プログラムとは?

あなたの猫の種類の病気の特徴を聞きましょう!

各々動物には、その種類によって、発症し易い病気があります。それを教えてもらいましよう。その病気の発症しやすい年齢も聞いておきましょう。

あなたの動物の年齢別の健康プログラムを聞きましょう!

各々動物のその種類によって、発症し易い病気の年齢に合わせて、健康管理、健康予防プログラムを聞いておきましょう。

繁殖をしないメスの猫に避妊手術(子宮蓄膿症、乳腺腫瘍予防にため)お勧めします!

各高齢のメスは避妊手術をしていないと、子宮蓄膿症になったり、乳腺腫瘍になる可能性があります。猫を飼育する際には、メスは避妊手術、オスの場合は、去勢をお勧めします。

あなたの猫にワクチンは、本当に年に1回必要かもう一度検討してもらいましょう?

あなたの動物の飼育環境、例えば、多頭飼育、室内猫、室外猫、家族構成、地域猫等、例えば室内飼育で、殆ど外に出ないで1頭のみ飼育の場合は、年に1回は必要ないでしょう。2年に1回か、または3年に1回で良いかもしれません。

あなたの猫が獣医師からフィラリアの予防を進められた場合は、その根拠を獣医師に十分お聞きください。

あなたの地域のフィラリアの流行の度合いはどうか?

あなたの猫に、歯は磨けますか?

食事の投与法、麻酔でも歯石除去のプログラムのお知らせ

年齢別による、病気別による食事療法のおしらせ!

肉食獣である猫にどんな食事を与えれば良いかは、厳密に言えばまだ明確に判明していません。現在ではお勧めと言った段階です。しかし食事と病気は大いに関係します。栄養学的に考えれば猫の最高の食事は、ネズミ(病原性のない、健康なネズミは栄養成分がまるごとある)です。しかしこれは理論的に考えた論理で、実際はありえません。猫は肉食獣の動物であるからです。ゆえに犬(雑食獣)と違い猫の食事はむずかしいのです。なぜむずかしいか?例えばの話をします。十数年前、雄の猫にストラバイト結石(三重燐酸塩)と言う結石が良く認められました。これは尿が酸性化するためと判り、尿をアルカリにするための食事をして、現在ではストラバイト結石は劇的に減少しました。しかし最近では、こんどは蓚酸カルシュウム(蓚酸塩結石)が増えてきました。このように猫は砂漠の動物と言われるように水分代謝は複雑で、一つの結石を修正したと思ったら、他の結石が出現?と言うようになかなかむずかしいのです。この論理はまだあくまで推定です、今後の研究にもよります。野生の猫は他の生きている動物を食べ、生活しているのですが、それをまねするわけは行かないからです。これは以前は、トガゲ類をペットとして飼育すると、食事の問題(自然では生きた動物を食べる)で多くの問題が発症したのと少しは似ているかもしれません。推奨は年齢別の食事にして、一種類に限定せず、いろいろと適応の食事を与えると良いでしょう。

犬のフードを猫に与えないこと!

犬のフード(タウリンが含まれていないから)を猫に長く与えていると(72週間以上)猫はタウリン欠乏症となり網膜が侵されて中心性網膜変性となり、失明となることが知られています。タウリン濃度の低下は早く、5週間後には2~4%までに減少します。タウリンと言えば、また1987年にカルフォルニア大学のDr.Pionによって、猫の拡張期性心筋症がタウリン欠乏が原因と発表され、その後世界中の猫のフードにタウリンが強化され、現在この猫の拡張期性心筋症は、非常にめずらしい病気となっています。しかし猫のフードを食べていない猫には、まれに認められます。

あなたの猫の住む所は何処ですか?

室内の飼育、室外の飼育、またはその両方と言うことですが、あきらかに室外猫は、病気(伝染性、外傷、皮膚病等)が多く発症します。室内をお勧めします。

あなたの猫の性格を知り、そのしつけ(躾)はどうするか?

飼い主のライフ・スタイルにあった合理的な躾を考えましょう。猫と遊ぶ際には、なんでも1つのことに過剰に行いすぎないようにしましょう。例えば「猫じゃらし」をしすぎると、猫の眠っている?野生本能をかきたたせ、なんでも動くものを追う傾向が強くなるので気をつけましょう。

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